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君に送る物語  作者: コヒアコ(ネクタイ✕朝寝雲)
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第11章 借り物借られ者

美姫のおかげで笑われることはなくなったけど、どことなく遠巻きに見られているような気がしたが、その分美姫と一緒にいる時間が増えた。私は初めての帝都での友人に心を踊らせていた。

「さていよいよ明日は体育祭ですが!同じ紅組の君、出場種目は?」

「僕はですねー。」

「なんでしれっといるのよ、あなた。」

廊下で二人で話していたと思ったらいつの間にか彼がいた。なぜか彼といる時間も増えていて、それに私は頭を抱えている。

「借り物競争です。新しい種目だそうですよ。」

「へぇ、また変わった種目ね。何か借りるの?」

「走るところにお題がおいてあって引いたやつを借りて終点まで走り切るという競技らしいです。」

「ふーん。頑張って。」

私がよそ見をしながら言ったのに対し、彼は嬉しそうに、はい!と答える。新競技に興味はあったものの彼が出ることにはあんまり関心を持っていなかった。

これがのちのちに大事になるのである。





「つぎはー借り物競争ですー!出場する選手の方は入場門まで集まってくださいー!」


体育祭当日。


「てめーらぁ、気合い入れてけよぉ!」

紅い鉢巻、腕まくりと気合十分の美姫を横に私は頬杖を付きながらぼーっと校庭を見ていた。

今日は観客も来るようで、校内は賑わっている。

行事に無関心の私はただひたすらぼーっとしていた。

「ほら、なにしてんの!彼出るよ!」

「ふーん。」

「気合だ気合ー!」

選手が並び、1列目からスタートを切ろうとしている。

彼は6列目に並んでいるという前情報をもとに眺めていると、ぱぁんっと合図がなって競技が始まった。

始点から5mくらいのところに紙のお題がおいてあってそれを拾って中に書いてあるお題に沿ったものを借りて終点まで走り切る。シンプルだが、お題が難しいのか1列目から大盛り上がりをしていた。

「結構面白いね。」

「ね。彼の借り物は何かなー。」

あっという間に6列目。

遠くからでも容姿のいい彼はよくわかる。女の子たちがきゃーきゃーと声を上げている。

彼がお題を手に取った。すると、ずんずんと観客席の方へ歩いていく。


あれ?


彼はまっすぐ歩いていく。


あれれ?


私のいる組の方へ。


そうして私の前に立つと、迷うことなく言った。




「僕と来てください。」




ボルテージが上がる観客席。

歓声の中、訳もわからず美姫に背中を押された私は彼と終点に向かって走る。

チームのため。ゴールしなきゃ。


他の選手を、差し置いて一着で到着。あとはお題と私が一致してれば一着確定。

「さて、お題は何でしょう。お、お、おー!?これはーーー!?!?」


「直感だったんです。思いついたのが君でした。」

「え、なんか嫌な予感するんだけど。」





「お題は、な、なんとーーー!【好きな人】だーーーー!!!」

執筆:ネクタイ

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