第10章 私の友達
「あ、あの! 僕笑われてる気がするんです」
仲直りをはたした私たち。ある日彼がそんなことを言ってくる。
きょとんとして、私は彼の顔を見る。
私の教室で、間違いなく私たち二人を遠巻きにして、笑い声をもらしているクラスメイトたち。
「そうよ。言ったじゃない。私たちアカデミーの笑いものになってるって」
「そ、それはあなたのことであって、僕は違うと思って・・・いたんですけど」
はぁ~。とため息を吐いて頭に手をやり、首を振る。やれやれ。
「あのね、私たち一蓮托生なのよ。入学式のあの日以来そろって笑いものにされてるの! いままで気づかなかったの?」
「はい・・・まったく」
こいつどういう神経してるんだ?
「あ、あの!」
「なによ?」
「嫌なんですけど」
彼は泣きそうな顔でそう言う。
「嫌って・・・」
そりゃあ私だって嫌だったけど、もう後戻りできないところまで来てしまっている。
私、諦めの境地。
そこへ彼がこんなことを言い出したわけだ。
どうしろと?
「あきらめなさい。
私はあきらめたわ。時間が経てばそのうちみんな飽きるわよ」
「それまで我慢しなくちゃいけないんですか?」
「そういうことね。残念ながら」
「そ、そんなぁ~」
彼は美しい顔を情けなく歪めて、情けない声を出した。
その時、
「どうにかしてあげましょうか?」
ふいに声がかかる。後ろの席で私たちの会話を聞いていたであろう、美姫だった。
私は美姫の方を振り返る。というか、いたのか。
彼との会話が始まったときにはいなかった気がするので、途中からやってきたのだろう。
「どうにかって、どうするの?」
「あ・ら・りょ・う・じ」
美姫は不敵な笑みを浮かべると、すっと立ち上がる。
「てめーーーーーーらあーーーーーー!!!
いつまでも同じネタで人、小馬鹿にしてんじゃねーーー!!!
いいかげんやめねーとただじゃおかねーーーぞ」
すごい声だった。
そして・・・私は頭を抱えた。
それ、笑われなくなるかもしれないけれど・・・
こんどは怖がられて誰からも話しかけられなくなってしまう。
「言ってやったよ」
美姫がどや顔で私に言う。
ちがうって~~。
私の悩みは尽きない。
執筆:朝寝雲




