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お題シリーズ5

下手な魔法

作者: 仲仁へび



 売り言葉に買い言葉。


 引くに引けずに家を飛び出した魔法使いは半人前。


 魔法力はそこそこあるものの、コントロールが壊滅的だった。


 そんな魔法使いは言う。


「目がしょぼしょぼする」






 気がついたら、俺はいた。


 水精霊様の俺が。


 枯れ地に呼び出された。


 えっ、なんで俺ここにおるん?


 めちゃくちゃ砂漠のど真ん中やんけ。


 まわりに海も湖もないやんけ。


 このままじゃ蒸発してまうーっ。


 俺はいま、水の球として出現してるんだぞ。


 このままじゃ消滅してしまうやん。


 オロオロしてたら、周りに人間がいるのが分かった。


 水魔法の使い手だ。


 こいつが俺を呼び出したのか。


 こんにゃろ、おめぇ、どういう魂胆だ。


 コップもなしに空中にただ水の球だけ出しやがって、おめぇが水分補給するわけでもねぇんだろ?


 どんな理由があるんだこらぁ。


 水魔法の使い手は特に何をするでもなく、空中に浮かび続ける俺をじっと見つめている。


 いや、ほんとに何のために出したん?


 灼熱と乾燥という環境が俺という存在を、じりじりと消滅させていく。


 やがて、一センチくらいの大きさにまでサイズがダウンしてしまった。


 きっ、消えるー!


 すると、やっと水魔法の使い手の使い手が動いた。


 水の球を浮遊術で動かして、自分の目にイン。


「ふう、すっきりした」


 まさかの目を洗う目的!


 あーここ砂漠だもんね砂が目に入るしね。かといって、大量の水を顔につけるの苦手って人いるしね。


 じゃあ最初からそれようにサイズ調整しとけや、へたくそか!


 俺は大量に突っ込みを発しながら、消滅していくのだった。


 水精霊の俺は、呼ぶもの拒まずのスタイルだけど。


 またこいつに召喚されたくないなと思った。



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