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ドール=チャリオットの魔剣が語る  作者: ぼうしや
誓約都市エレオス
181/199

123:迅蕾葬=グングニール

「…おかしいなぁ」



「どうしたのですか?ロックさん。何か問題が?」



眉間を寄せて、アリシアとその魔剣を見つめるロックは顎に手を当てながら考え込む。



「確かに、あの二人はあの黒竜の攻撃を上手く躱しながら善戦しているようですが、あのままではジリ貧ではありますね」



「―いや、そうじゃないんだ。僕の想定している時間よりもかかっているなと思っていて」




(あの術式は、超蓄積型だ。魔力の供給には確かに時間を要すのは必然。けれども、彼らは“特別”だ。あの時触った魔力のリソース量に対しての魔力の流れであればもう既に到達している筈…)



「“何か”が彼の、魔力を塞き止めている…?」



「魔力を…?」



「もしかして、あの杭が…」


それは、耳を劈くような轟音だ。





大きな塊が高速で脇を通り抜け、壁を砕き散る音。




黒い塊。鋭い角や翼、あるいは爪が蓮の花の如き竜。

いつくかの言葉を交わした後に続く互いの意志のぶつけ合い。


スフィリタスはこの世界を壊したい。

そして俺は対を成すようにそれを否定したい。


人の意志を信じているから



だが、ふと俺は疑問に思ってしまう。


なら…そうであるなら。人の意志を信じているなら、何故俺はあの時死を選んだんだ?



魔業商こいつらのやっている事とあの時の俺が選んだ選択は、違うように見えて一緒だ。

特に、世界への否定には重ねてしまうものがあった。



『―ったく、なんだってんだ』



今頃になって俺は…自分の自殺を悔いているのか。

それも、死んでから様々なものを見てから…それは、全くの矛盾だ。


これが夢であるならば、尚更滑稽な事はない。


だが、今の俺は、俺の意識はここにあって…結局…この戦いは、あの時の俺の心を否定しなければならないのだ。



“運命は意志に寄り添う。意志もまた、運命に寄り添うもの。”



それは、いつの日か“彼女”が発していた言葉だ。



「パパっ!」



アリシアと視線が合う。



『ア、―』



―考えてる暇はない。

瓦礫の山に埋もれた黒竜が、長い首を伸ばしてあぎとを急襲させる。



アリシアはすぐさま距離感覚を見極めて少ない動きでそれを躱すと、竜の顎を魔剣おれで叩き無理やり口を閉ざす。



「ングォッ、コノッ!」



スフィリタスはそう漏らすと今度はエドの能力で前脚の筋肉を増幅させて腕のように再構築させると地を強く叩き大きく跳躍した。

そのまま翼を大きく広げて羽ばたくと、もう一度、その巨躯で突進してくる。当然それを予知していた為、アリシアと俺は下敷きにはならずに済んだが、もはや周囲の様子は部屋と呼べるものでは無くなった。


青天井を晒す瓦礫の庭。そう呼ぶに相応しいだろう。



『こいつ、とことん暴れ回るつもりか??馬鹿もほどほどにしやがれってんだ!』


「持久戦のつもりかしらね。でも、そうだとしてもこれが続くのは分が悪いかしら。」



アリシアの視線はパイロンたちの方へと向けられる。

確かに、こいつらを巻き込むわけにもいかない…







「でもパパ」



『なんだ』



「もう少しだから―」



俺はアリシアの、握りしめるアルメンの杭を見る。

見ている分には…多少の魔力反応が漏れ出している程度だ。

確かに俺は今になるまで魔力を意識してそこに注いでいた。注いでいたはずだ…


なのに、本当にこれでもう少しなのだろうか?

ロックの術式に多少の疑惑を抱えてしまう。


俺は…間違えたのだろうか?


藁にも縋る思いで決めたものの拙さが、そこから来る不安がゆっくりと背中に押し迫る。





「安心しなって」



『えあ?』



アリシアに不意にかけられた言葉に情けない返事をする俺。



「パパは少し、考えすぎなんだよ。あの時の自分が正しかったのか正しくなかったのか…それが今の自分が振るう術に重く乗せすぎちゃっているんだ」



『それは…』



彼女は気づいていたのだろう。俺の中にあった葛藤を…俺の心のうちにある否定の声を。



「迷う時だって、今の自分を過去の自分が叱責する時だってあるよ。でもさ」



アリシアの碧い眼が俺を射抜こうとするように見る。



「進む先が決まってるなら、もうそこにしか得るものがないと信じて進むのみ…でしょ?」



『アリシア』



「たとえ進んだ先が“そうであってほしかったもの”じゃなかったとしても、自分自身の心が泥まみれだったとしても、信じて進んだ未来にこそ、“私たちとして”の意味がある。」




ああ、そうだったな。

この意志の示す先にこそ、俺たちが本当に望むものがあるんだ。


他責的になるな。過去の己の選択を、考えを…今は他人のように扱うな。

過ちは拭えない…けれども埋め合わせる事は出来る。


ああ、そうだよ。メメント・モリ。

人の過ちもそうやって層となってつみ上がる。



だからこそ、俺たちの心は呪って示すのではなくただ飲み込むように得るしかない。そこに光があると信じて。



『…この先を頼めるか?』



アリシアは「言われなくとも」と言って、少しばかり微笑んでいた。





「―話は終わった?」



黒竜が目の前で、大きく地面を穿ちながら立ちふさがる。



「十分よ…ありがとうね空気を読んでくれて」



「いいや、いい。僕が示すのは君たちの心の淘汰だ。今の君たちの心に迷いがあれば好都合だ。時間を与えるのも使い方のひとつさ」



「ええ、よおくわかるわ。それ」



「時間をあげたついでに聞いていいかい?」



「何かしら?」



「君のその心はきっと僕と同じように虚空から生まれたものだ。なのに、その瞳の中に宿る光は…僕のそれとは違う。拙い輝きの中で、つねに何かに縋りつくように明滅している。…君の視る世界は一体どういう風に見えているんだろうかな」



「いいえ、世界なんて見てないわよ。私が見ているのはただ一つ」



アリシアはこっちへ優しい表情で一瞥する。



「パパとデカくて美味しいパンケーキだけよっっっ!!」



『―二つじゃねえか!!』



ってちげぇ!そんなツッコミをしている場合じゃねえ!!



あっけに取られたスフィリタスも理解の術を投げるように「そうかい」と一言いいながら、こっちへ迫ってくる。






こらえろ。そして、イメージしろっ!

魔力を杭にもっと、もっと注ぐんだ…もっと、もっと

今、アリシアがなるべくパイロン達から黒竜こいつとの距離を遠ざけながら時間を稼いでいる。



「ぐっ」



「どうしたのさ!話すだけ話して急に静かになってるよ!!もう打つ手がないのかなぁああ!!」



変わらず暴れるスフィリタス。

アリシアは必死にパイロンやロックたちが巻き込まれない様に距離を稼ぎながら暴れるスフィリタスを躱していく。



しかし、時折体に斬り傷などが出来るたびに視線が勝手にそこへと向けてしまう。



駄目だ。揺らぐな、アリシアやスフィリタスの声に意識を向けるな。視線を杭に向けろっ!

アルメンの杭に意識を全て注入しろっ!!



ま りょ く       を

















瞬間












―知っていますよ。



声が聞こえる。

と、同時に時が止まったかのように視界に見える全てが停止する。



『これは、お前の仕業か?アルメン』



―僕は、忠告を既にしました。あとは、今までの…そしてこれからのあなたの意志が未来へ全て収束していきます。



質問の答えになってはいない。しかし、否定もしないという事は…これから話す事が俺にとってのある種の分岐点になると

こいつは懸念しているのだろう。



『…何が言いたい』



―僕は、あなたのその能力…ネクロ・パラドックスがあなたのこの世界に対しての認識を変えていくと説明しましたね。



こいつがティルフィのあたりからずっと黙りこくってたのはそのせいか。俺のやる事に対して懸念しているのか。



『ああ、そうだな。俺はこの期に及んで二人も生き返らしちまった。そうだな。だが、過ちと感じたつもりはない。生き返らせたならあいつら二人に対してもそれなりの責任を負うつもりだ。だから―』



―それが、あと一人、あと二人と繰り返す事であの子を…アリシアを一人にしてしまうかもしれないとしてもですか?



『どういう事だ?お前は何を根拠に、いや…どういうつもりでそんな事を俺に話すんだ』



―…一度得たきせきは…二度目からはすべとなり、やがて息となる。人の望みの本質です。



『ああ…そうか。お前は何かを恐れているんだな。』



―ええ、だってそうでしょう?あなたは自覚してませんか??覚えてませんか?あの親子を生き返らせた瞬間に何が起きていたのか。



『やっぱ、あれはネクロ・パラドックスの使用でおきた出来事なのか?あるいは、副作用とでもいうのか?』



―“蘇生”という行為は生命の壁である死の事象を覆す事です。対象の情報バックボーンが大きければ大きい程に、それを可能とした瞬間の自身への全能感フィードバックはやがて己の視点を昇華させてしまう。あの“観察者”はその感覚を察知してあなたをこの世界から自分の元へと引きずり込む事を狙っているのです。そうなれば、あなたはいつまでもあの子の…アリシアの隣に居る事は出来ない。それどころか、いつかはやがて神の座を巡る真の“災い”へと繋がる可能性があるのです。




『…お前は、何故それを知っている。何故その全てを見通しているにも拘らず諦観をしている。おまえは、何者なんだ?』



―…。



『…お前とはちゃんと話す時間が必要なのは解った。だが、今がその時じゃない。』



―いいえ、その時が来てしまえば既に遅いのです。だからこそ、こうして静止させているのです。




『―このまま俺を説得するまでこうするつもりか?』



―ある程度のシナリオを変える。その術を私は持っています。



『俺はアリシアを一人にさせるつもりもないし、お前は色々と誤解している。』



―何をいって



『俺は生き返らせた連中を一度は殺した。殺すつもりで殺した。裁きとまでは言わねぇ。憎しみでもねぇ。けど、殺した事で得られる感情を俺はぶつけて生き返らせた。』



―…詭弁ですよ。所詮罪悪感からなるモノにすぎない



『いいや、そんなもんじゃねえ。もっと稚拙で汚ねぇ感情さ』



―それは



そうさ、俺は向き合わなくちゃいけない。

自分の死を…死の選択を。過ちと知りながら、後ろから迫りくる誰かの呪う声を聴きながら

自分の都合のいい考えを押し付ける意志を…押し通す厚かましさを得なければいけない。




『俺はよぉ。殺してみたかったんだよ。“そうなる運命”ってやつをよぉ。ただそこから始まっただけの事実なんだよ。』



―…運命を殺す意図というのは、運命を存在として認識する事です。

それを、あなたは望むのですか?いずれは代償としてこの世界に大きな歪みを生みますよ。



『ああ、わかっている。その感覚が俺に少しずつ迫っている事もな。』



ずっと黙っていた。誰にも言っていない事だ

静かに歯車がグルグルと回る音を乱雑に狂わせ掻き乱していく感覚。

これはきっとヨミテが俺にいつか齎す災厄であり、ツケなのだろう。


俺の心がやがて運命に屈服する為に。



『あいつは、きっと俺が単なる憐憫や英雄願望で死者を生き返らせようと思っているに違いない。でも、殺されたはずのアリシアが生きていた時から小さく感じていた願望を自覚したのはルドルフをジョイ=ダスマンとして殺し、生き返らせた後に暫くしてからだ。』



―…



『ああ、今気づいたよ。俺は…俺の欲望で人を生き返らせた。多分これからも、そうする。俺が殺した奴をそうして生き返らせる。何かを殺して誰かを生かす。そう俺は決めた。』



―言ってくれましたね。ならば誓ってください。



『…何をだ』



―これ以上はあなたの心で人を生き返らせない事。あなたの殺意と業を以て死者を生き返らせるのみとしてください。



『…ああ』



―あとは、もう二度と僕には嘘をつかないでくださいね。



『嘘…?嘘だっていいたいのか?散々いった俺の言葉が嘘だと?』



―エキドナは、あなたに殺されてませんよ?



『…手厳しいね』



―…あなたは優しい。嘘をついてまで他人の報いすらも己のモノにしようとする。だから知っているのです。きっとあなたは“アレ”も同じように救うのでしょう。



―ゆえにこれから、あなたに課すのは誓約であり、()()()()()()()()()()()()()です



『…そうかよ、破ったらどうなる?』



―僕の役目をその瞬間から終える事とします。



その意味が俺にはすぐわかった。だからこそ苦しく感じる。アルメンがそこまでに俺を制しなければならない事を。


『…冗談きついぜ、アルメン』



―それぐらい、あなたを手放したくないのです。ご主人



『…すまなかった。甲斐性なしで…だから、これが終わったらちゃんと話そう。だから、お前の事も…これからの事も、俺に話して欲しい。』





―約束します。























鎖の音が響く。ジャラジャラと。ジャラジャラと。

全ての静止から解き放たれたように、視界にある全てのものが動き出す。



止まらない。


止まらない。



アリシアは驚いた表情を見せながら、自身の握りしめたアルメンの杭を見下ろす。



「はえっ!?」



アルメンの杭に繋がれた鎖から破裂するように何本、何十本、いや何百本もの鎖が暴れるように吐き出されていく。

その鎖からは異様なまでの魔力が感じられる。



アリシアの握りしめるアルメンからは、異様なまでの魔力が蓄積されている感覚がわかる。



『まさか…お前、塞き止めてたなっ!』



―…



返事はない。だが、この事象こそがアルメンの示した返事なのだろう。




「な、なんなんだこれは!?」



流石の予期せぬ展開にスフィリタスも狼狽えている。





『アリシア…待たせてすまないな』



「ふ…お人好しが祟ったみたいね。パパ。」



どうやらそうみたいだな。




…だが、もう終わりだ。





『アリシア、いくぞ』



「ええ」



―解き放つ。



アリシアが装着している黒曜石と俺の魔力が同調リンクし、発動する。

神の領域に至る魔力の権威。



神域魔術




「来るか。ここでっ!」



スフィリタスはその瞬間を待っていたかのように黒竜の姿のまま背中から大きな塔を模した肉塊を突き出す。



「ステュクス・ラエ 起動」



そこからは鈍い光が渦を巻き球体となって周囲に高音を響かせる波動を放つ。

本来であれば魔力所有者にそれは意味を成さない。


しかし、これは神の能力を無効化させる。



全ての属性を携えてその領域に至った俺たちには致命的なのだ。



しかし、本番はここからだ。その能力を潜り抜けるために、俺が持つもう一つの能力。



アリシアの背中に複数多彩な光球がぐるぐると回転しながら顕れる。



魂の複合乖離。



これにより、俺の魔力は魂として各属性に分かれ神属性としての魔力の認識を回避する事が出来る。

しかしリスクが無いわけでは無い。その間、アリシアの身体は超再生を持たず痛みも感じる生身に等しい身体になってしまう。



このリスクの中で俺たちは勝負を決めるしかない。

スフィリタスに反撃をさせず、やつの能力である魔力解析と打撃耐性、更に黒竜に姿を変えて覆っている魔力の鱗、ペトラ・スケイルの防御を潜り抜けて入れる超強力な一撃。



―それがこのアルメンの杭に全て込められている。





「なんのつもりだっ!?君の、君たちのその魔力はっ…」



スフィリタスはそのまま、状況が理解出来ないなりに足掻く。

大きく羽ばたかせて、そのまま空中へと移動しようとするが、それを数多のアルメンの鎖が四肢に巻き付き黒竜を地に縛り付ける。



「このっ!?」



『最大重奏:狼牙蹂爪!!』



大きな緑光の刃が縦横無尽にスフィリタスの巨躯を切り刻もうと迫る。



「<解析><緑><適正抗体生成><装填>」



しかし、一度はペトラ・スケイルにも傷を付けはするものの、それは虚しくアルカディアの解析によって処理されてしまう。




「まさか、あの異常なまでに魔力を抱えた鎖…この拘束状態を狙って何度も僕を傷つけるつもり??無駄だって!」




『パイロン!竜化してロックたちを守ってくれ!!最大重奏:ダイダルフォール!!!』




続けて俺は天上に顕現した巨大な水の槌をスフィリタスに圧し当てる。

その一撃は周囲に大きな振動を呼び起こし、瀑布のような飛沫を撒き散らす。



「<解析><青><適正抗体><装填>」



辺りは水浸し。しかし、やはり魔力で構成されたものであるが故か水気は通常のよりもすぐに霧散していく。

スフィリタスは顔を覆う水を払いながらアリシアたちへと視線を向ける。



「何度やっても無駄だよ!無駄無駄無駄無駄!!!これからこの魔力を君たちに返すんだからさぁああああ!!」



両翼の核は既に二色の魔力で納められていた。



『お前こそ、もう忘れたか?』




アリシアに手放された状態で地に刺さったまま魔剣おれは言う。




「何をっ…」



スフィリタスは背中の違和感に気づく。

長い首を伸ばして振り返る先には、アルメンの杭が埋め込まれていた。


それも、ペトラ・スケイルの再生によって余計に埋め込まれてしまっている。



「さっきの攻撃で鱗を剥がしたところに刺したのかっ!?こんなものがっ―――」



『やっちまえ、アリシア』



俺は天上へと視線を向ける。

そこには、高く跳び指を銃の形にして真下のスフィリタスを指さすアリシアが居た。




「―ばんっ」




その一言に合わせて堰を切ったようにアリシアの腕からアルメンの杭へと接続して魔力が解き放たれる。



アリシアの指と杭の間から、一本の大きな槍が顕現し、様々な魔力記号であろう文字が周囲を飛び交う。

そして、暴れ放たれていたアルメンの鎖がその槍に飲み込まれるように吸い込まれ一層輝きを増していく。


様々な魔法陣が形成され、ひとつの術式が完成されると





ここに居る誰もが理解する。






この神槍いちげきは、最早誰にも止める事が出来ないと。







『「迅蕾葬(グングニール)」』





―明滅する。


その刹那で景色は一変した。



そこに居た筈の黒竜は姿を消し、その場に大きな円状の空洞を生み出した。


そして、報いを受ける者の残滓が、その虚数の如き穴の奥から大きな咆哮として放たれる。







オオオオオオオオオオ(このちからはなんだ)オオオオオオオオオオ(りかいできない)オオオオオオオオオオ(このぼくがこうも)オオオオオオオオオオ(ありえないありえない)オオオオオオオオオオ(なのにどうして)オオオオオオオオオオ(こんなにも)オオオオオオオオ(おだやかなんだ?)オオオオオオオオオ(エド…)オオオオオオオオオオ(アルカディア…?)オオオオオオオオオオ(そうか)オオオオオオオオオオ(こんなにも)オオオオオオオオオオ(これが)オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ―」








スフィリタスは成す術もないまま、グングニールの一撃に圧されてこの城の底へ底へと落下していく様子が伺える。






やがてそれは再び鈍い音を響かせながら、空洞の奥から刹那の光を放って静寂へと戻っていった。



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