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ドール=チャリオットの魔剣が語る  作者: ぼうしや
止まらぬ邂逅
17/199

16:本能は与える愛を飾らない

「大丈夫だよ。」


暫く沈黙を守っていた俺とリンドに割って入るような少女の声が聞こえた。


『アリシア』


彼女は少し離れていたリンドとの距離を寄り添うように縮め、


「私が守ってあげるからね。パパも、リンドも。」


そう笑顔で答えた。


「安心してよ。だから、寂しそうな顔をしないで ね?」


『そうだな。アリシアは強い娘だもんな。』


違う…本当は、魔剣おれが守らないといけないんだ。

彼女もリンドも

アリシア。彼女は今の今までどんな気持ちでいるのだろうか?

狂化されていて感情が抑制されているなら

いまのアリシアの心はどうなっているのだろうか。

辛くないのだろうか?苦しくないのだろうか?

魔力によって再生するその身体、本当に痛くはないのだろうか?

先の騒動で孤独に極端に怯えるアリシア。


今でもこの娘に関して解らない事だらけだ。

そして、解る前に最悪な展開が起きて終わらせるわけには行かない。

それには力が、俺もこの魔力を使いこなさないといけない。

アズィーから受け取ったであろう、この魔力で。


リンドもアリシアの言葉と笑顔に思うところがあったのだろう。

愛想笑いにも見えなくもない笑顔をアリシアに向けて、


「頼りにしてますよ、アリシア」


そう小さな頭を撫でてやった。




―暫くして、俺たちは装備屋に到着した。


『ここが、かぁ』


二階建て家の隣に、煙突の付いた四角い工房がくっついており

看板には今の俺には読めない文字と、盾と剣の絵が描かれている。


いかにもって感じだな。

家の中央に入口では2~3人が出たり入ったりしていた。



「この街では、ギルドの規定で装備屋はここ一つしか無いのですよ。」



『へぇ、武器防具も一応ギルドが管理する為ってか?』



「ええ。ここは何よりも中立、何よりも平和である為にはそういった事も必要となってしまうのです。」



『なる程なぁ。アリシア、行こうか。』



「うん」



3人で店の中に入る。

…なんとも言い難い光景だ。

俺の世界では一生お目にかかることはないであろう。

多くの剣や盾が壁に綺麗に並べられており

その下に置かれているいくつもの箱の中には、革のベルト、雑嚢、なんかようわからん鉄の雑貨品などが各種類ごとに分けられていた。

角を見ると、鉄で出来た鎧が飾られており、その横には長柄や大きな槌も並べられてあった。



「…おう、いらっしゃーい」



その脇で会計などの受付が執り行われるであろう卓に気怠そうに頬杖をついている女性が

そう声を掛けていた。



おいおい、大丈夫か?一つしかない装備屋でそんな雑な受付店員置いちゃって



「聞こえているぞー魔剣。」



声に出してしまっていたようだ。


つか、一応認識阻害の包帯巻いているのに俺が魔剣って気づいているのか。



「彼女は、メイ・スミス。この装備屋兼鍛冶師をしている者です。」



『なんだ、リンドの知り合いか。お前も随分と顔広いなぁ』



「そうですね。ギルドにもこの街にも、今まで色々とお世話になってましたから。」



「おまさんが、アリシアちゃんと喋る魔剣かい。今後、あたしん所では目一杯お世話になるかもだから今のうちに媚び売っておくといいぞ~」


『それ、自分で言うもんか?』


「細かいこたぁいいんだヨ。」


手をひらひらさせながら、「どっこいしょ」と年寄り臭い捨て台詞を吐きながら立ち上がり

俺らに近づいた。


近くで見てわかる。メイ・スミスの背丈はリンドより小さく

アリシアよりは少し上ぐらいの小柄な少女の成りをしていた。

青寄りの紫の髪、そしてその天辺にはモフモフしそうな長い獣の耳を生やしている。

片方が帽子で隠れている


『メイは、獣人族なのか?』


「んあぁ?それ以外に何があるんよ。お前さんはなんだ、生まれたての赤ん坊か?」


『この世界じゃあ似たようなもんだよ。』


「へぇー、マジでマジ?」


『大マジだ。お前らから言うところの異世界から転生されてきたんだよ。』


あ、口滑らしちゃったけど これ言っちゃっていいやつ?



「今更すぎでしょ、あんな街のど真ん中でドンパチした奴が普通なわけがない。転生者ってのは予想の斜め上だったけど」


察していたのか…こりゃあ、初手からモロバレはまずいなぁ…

俺は心の中でため息をつく。



メイは手が隠れるほどの長い袖でモノクルのような右目だけのメガネをクイッとしながら



「ところでぇ、このアリシアちゃんが魔剣の所有者って事でいいのかいリンドォ」



じりじりと小さな女の子に詰め寄る獣人。アリシアも戸惑って少し上体を引いている。



「いいねぇ、いいよぉ…金髪幼女ォ 素晴らしいね。こんな娘が華麗に戦う姿。見てみたいねぇ。」



『リンド。警察よんでもいいか?』



「ジロ、ケーサツとはなんですか?」



『悪いことした人が居たら呼んで、そいつを捕まえてくれる人の事だよ。』



「ああ、それでしたらギルドの」



「おう、待てやそこな二人 あたしは未だ何もしていない」



『これから何かする予定だったんじゃねぇか!』



「いんや、いんや。ちょっと寸法を測ろうとするだけだよ。彼女の為に色々揃えないと行けないかんねぇ」



『色々って、収める為の鞘だけで来たつもりなんだが、防具も用意してくれるのか?』



「そりゃあ、こんな可愛い女の子が冒険に出るんだァ。既存の無骨なモン着せるわけにはいかんよ。」



『冒険ねぇ・・・』



本当なら、子供…ましてや小さな女の子にはそんな事させたくないってのが普通の反応なんだけどなぁ。此処では、そういう考えにも至らんのだろうなぁ。



「さぁー、アリシアちゃんん ちょっと寸法測るからァ あっちの部屋でぇ、お洋服脱ぎましょうねぇウェヘヘ」



メイが器用にアリシアの抱えていた魔剣(俺)をリンドに持たせると、そのまま部屋の奥へと彼女を連れて行く。



「パ、パパ…!」



連れ去られていく子牛のような目で俺らを見るアリシア。



『…リンド、俺の事はいいから。見に行ってやってくれ。』



「ですよね。」



リンドは俺の胸中を察したのか。俺をメイが座っていた所に立て掛けておくと。



「『神よ、この者に災い無き事を』」



と、俺にひとつ魔術を掛ける。



「これは貴方が今巻かれている認識阻害の布に重ねて魔力の感知を阻害する術式です。」



『毎度世話をかけるね。』



リンドは俺の言葉にクスリと小さく笑い。

部屋の奥へと向かった。



さて、どうしたもんか。

店の中でいろんなモノを物色している他の冒険者たちを暇つぶしにでも眺める事にする。

しっかし、色々な奴が居たもんだ。

大きな体躯の益荒男が並べられた大きな槌を屈んで品定めをしているわ。

鉄の雑貨から二本のダガーを取り出し見比べている耳長の…ありゃあエルフか。

っつうか、店番も無しによくもまぁ平気で居られるな あのケモミミ。

それほどまでに、ギルドの治安も良いって事なのかねぇ。


思い耽ってると、扉を大胆に開けて誰かが入ってきた。


「ったく。この、アイテムは使い物にならんな。」


ブツブツと呟きながら入ってきた男は右手に持つ物に対して重ねて愚痴を吐き捨て俺が寄りかかってる。受付の卓に投げ捨てた。

ジャラリと鉄の摩擦音が聞こえる。こりゃあ鎖の音か?こっからじゃ見えん



「店主!てんしゅー!!!…おーい!メイ!!!―ったく」



男が大きな声で呼んでる店主とはどうやらメイの事だろう。

何処にも居ない事を知ると男は舌打ちをして腕を組み、貧乏ゆすりしながら待機している。

少しすると奥の部屋から「あーい」と声が聞こえる。

一応聞こえていたのね。返事を受けた男はフンスと鼻息を吐き出しながら再び待つ。


暫くするとのそのそとケモ耳店主が戻ってきた。


「んあ、悪いね。何か御用で?って ありゃ、せっかち屋のオッドさんじゃない」


「せっかちは余計だ!…んで、例のアイテムの件だ」


メイはオッドが指さした先を見下ろす。

先ほどの鎖のような物の事であろう。



「あー、駄目だった?」



「ぜんっっっぜん使えん。お宅の言うとおり、俺の魔力を食わしてみたがウンともスンとも言わん。

失敗作なんじゃないのか??」



「おっかしいなぁ。術式はちゃんと組み込んだんだけどなぁ~ 魔力の供給口にでも問題があるのかねぇ」



「と に か く。それは要らん。お宅に返すぞ。お代は返してもらわんで結構だ。じゃあな!ったく、俺ァ忙しいんだからさぁ・・・」



メイに文句を吐き捨てながらブツブツ言うだけ言ってそそくさと去っていくオッド。



『確かにせっかちだな。』



他の客には聞こえない程度で言葉を漏らす。



「だろぉ?あんなんで嫁さんが居るんだから世の中わかったもんじゃないね。」




『へぇ…そらせっかちになるのかもな。』



「お?ああいうのが魔剣は好みなのか?」



『俺は男だ。そうじゃねえ。なんか解るんだよ…家族といる時間を大事にしたいって気持ちがさ』



「いやいや、ほとんど想像じゃないの…てか魔剣が家族とか語っちゃうの?ウケる」



『わりいかよぉ。こう見えて人間だった時は娘が居たんだよ』



「へぇ、娘ねぇ~。今頃お前さんが魔剣になってるなんて事も知らんでお前さんの帰りを待ってるんだろうよぉ。悲しいねぇ」



『いや、居ない。そうさ、誰も俺の帰りを待っている奴なんて居ないさ。』



「…お前さん、そこまでの甲斐性なしだったのか?」



『はは、甲斐性なしなのは合ってるかもな…きっと、俺がもっとしっかりしてれば二人共・・・』



「…なんか悪いことを聞いたな。許してくれ、あたしの方こそ想像で語ってたようだ。」



メイは俺が何かを言ってしまう前に 二の言葉で制した。

彼女なりの気遣いなのだろう。逆に申し訳ない事をしてしまった。



『そういえば、さっきのオッドって奴が突っ返した物ってなんなんだ?』



「んあ?これか?」



ジャララと鎖の音を鳴らしながら俺の目の前にそのアイテムを見せつけた。



『鎖、に杭が付いているのか?』



「そ、こいつにはとある術式が組み込まれている武器。」




『術式?』




「魔力を食う事で思いのまま鎖を伸ばし、意のままに操る事や出来るスグレモノ・・・のはずだったんだがにゃあ」



『お、語尾ににゃあとか獣人族っぽいな』



「あんたん中の獣人のイメージってなんなのさ」



『んで、そのスグレモノをオッド(せっかち)に使わせたけれども失敗したと』



「んー、構造は間違ってないんだけどねえ。…ん?」



カチカチカチカチカチ カチン


そんな音が小さく響いた。


その原因は目の前の杭だ。



『なんだこいつ。杭を俺に向けて』



「ほえー、面白いわぁ こんなん始めて」



『おいおいおいおい…お前がつくったんだろうが』



「うんにゃ、そうじゃなくて。その杭。マテリアルがマナ・フラタっていう魔犬の牙で出来てるのよ」



『すまん、全然わからん』



「ったく、これだから異世界人は」



『そのセリフ、多分言うのお前ぐらいだぞ。』



「いいかい、魔犬マナ・フラタは通常の生態の生物とは異なる魔力を餌に生きる動物だ。この世界では魔界の使いともよば呼ばれている。魔力を宿したものならどんなモノでも口に運ぶような生き物さ。」



『魔界とかあるのか。んで、強いのか?』



「まあ中の下ってところか?」



『疑問形かよ・・・そしてそんな強くなさそうだな。』



「ところがどっこい、やつの牙は素材としてはとても人気なのよ。奴らは喰らった魔力によって特性を変える。それを使って好みの魔力を宿した(エンチャント)武器や、魔術発動の素材に良く使われている。今回の奴はとびきりでな、群れを成したマナ・フラタのボス。エルダ・マナ・フラタで且つ、特異存在ネームドのモノを使っているんだ。」


『へぇ・・・』


「そんで、特異存在ネームドの持ってた特性が『ドッペル・ゲンガー』。矮小ながら影を使って複製する能力なんよね。そしてその」



『わかった、すごいのはわかった。つまり、結果的に、どういうことなんだよ。』



「むぅ…ま、その牙で出来た杭は魔力に反応して先を向けるんだよ。けれど、有能な魔力保持者でもせいぜいカタカタ震えながらちょこっと動く程度。なのに、今回はお前さんに向かってビンビンに向けてきてる。魔剣、お前さんの魔力をよほど欲しがってるように見える。」



『欲しがってるって、…こいつ意思を持ってるのか?』



「マナ・フラタは自分よりも強いと認めた魔力保持者には媚を売る。その魂の名残がこの杭となった牙には宿ってるのよ。」



『へぇ、可愛いもんだな。つまり、鎖の形をしたワンちゃんってわけか。』



「そんでもって。こいつのドッペルの特性を鎖に活かす事で、鎖を魔力がある限り無限に複製し、伸ばす事も戻す事も可能な術式を加工しているのよ。そして、それを意のままに操ることも可能」


『そりゃあとても便利だ。…ん?』



メイは目の前で未だに俺に向ける杭を掴み、



「てかさぁ?ちょっと、興味あるんだよねぇ…魔剣の魔力に反応したコイツにぃ」



『え?ちょっと、メイさん?何をしうぎゃあああああああああああああああああああああああああ』



俺の刀身にガツンと杭を叩きつけるメイ。



当然、硬いものと硬いものがぶつかるガツンとした音があたりに響き、当然俺の悲鳴も谺した。



「ジロ!?どうしましたか!!」



「パパ!?」



そして当然、俺の悲鳴を聞いた奥の二人が何事かと心配して出てくる。

そして恥ずかしい話、ビビって悲鳴を上げただけで 実際は痛みなんて感じていない。


しかし、一瞬だけだが自分の意識が右下あたりに引っ張られたような感じはした。今は何ともない。

それよりも


「おおおおおおおおおお」



『お、おお?』



目の前でふわふわと浮いてる杭に繋がれた鎖。

そしてそれは唐突に魔剣(俺の)刀身に優しく巻きついてきた。

まるで服従の意思を表すように。


「???、?????。????????」


状況を理解できてないリンドが疑問符で押しつぶすような勢いで無言の圧力をメイの胸ぐらを掴みながら掛けてゆく。

その下でアリシアもリンドと同じ事がしたいのだが身長が足りず

彼女の和服の長いスカートを胸ぐらの代わりにして至極ゆさぶっている。


「あぶあびゃあ!?待って!!話を!!話を聞いてください!!すいません。金輪際、こんな勝手な事しませんからたのむからゆさぶらオエッry」



―申し訳ないが、暫く取り込み中になる。



周囲が落ち着いた頃には中で騒ぎの一部始終を怪訝そうに見ていた客も居なくなり。

少々、嘔吐を催してしまっていたメイも代わりの制服へと着替え一段落する。



「で?説明してもらいましょうか?メイ」



質問を投げかけるリンドの背後にドドドドドドなんて見えもしないオーラが見える気がする。


それはきっとメイも同じ事なのだろうよ。「ヒィ」とか引きつった声を出しながら上体を少し後ろに退いている。


「あー、申し訳ない。ちょっとした興味本位なんよ…『エクタシス』の鎖の性能を試したくてさぁ。ちょっと魔剣の魔力を強引に喰わしてみた!!テヘペロ」


この鎖、『エクタシス』って呼ぶのか。


―あーっごめんなさいごめんなさい!揺さぶらないで!!ほんとそういうのダメだから!!アッ!


等という悲しい悲痛のBGMが流れている事は気にしないでおこう。


それよりも・・・なんだろう。 少し、身体が軽く感じる。それに、気分が良い。

実家で飼ってた柴犬のメン(犬の名前)が寄り添ってきた時の温もりと似ている。


『いいなぁこれ。エクタシス。』


「おう…おふ、魔剣のぉ」


よろよろと近寄ってくるメイ。てかオイ、なんか口の回りがさっき見たのと同じ感じになってるぞ・・・?また吐いたのか?



「取り敢えず、今回の件は済まなかったな。侘びと言ってはなんだが、そいつを…引き取ってはくれまいか?」



「また、勝手なことを。ジロ、メイの言ってる事は気にしないで良いのですよ?」



「そうだよ。パパ、本当に大丈夫なの?」



リンドもアリシアも心配そうに俺を見る。



『大丈夫だ。むしろなんかコイツがくっついてると身体が軽くてなぁ』



「身体が軽い?」


リンドは目を凝らし俺の魔力の流れを観察している。


「―なるほど。メイの押し付けた鎖、エクタシスが触れる事でどうやらあなたの魔力を放つ為の末端として成り立っているようですね。」


『末端?』


「以前も言いましたがあなたは膨大で、特殊な魔力を抱えていますが、それを内側で開放する為に必要な魔力の出口を持っていなかったのです。その結果、四方八方に魔力が穴の空いたバケツのように漏れて上手くコントロールできていなかったのです。それをこの鎖が余分に溜まった分を喰らい放出する事で出口の役割として成り立っているのです。」


『なるほどな、つまりはコイツがその代わりを担ってくれているって事なのか。でもアリシアも俺の魔力とリンクしてるんじゃないのか?』


「アリシアの場合は、単にあなたの魔力を喰らい、それを再びあなたの魔力が取り込む状態。いわば、ひとつの無限機関として成り立っているだけです。魔力同士の接続は基本的に有り得ませんが、あなたの場合は特殊ですから。」



「両手に花ってやつだね!魔剣よぉ!!」



片方は鎖だけどな。



「この人は…全く、調子の良いことを。」



ため息を漏らすリンドの事などお構いなしにメイは話を続ける。



「てなわけで、現状別々になってるエクタシスと魔剣を改めて接続するさね。」



メイの手を隠すような長い袖からジャララといろんな工具が伸びてくる。怖い。



「んじゃ、ひとまず工房まで連れて行くさねー」



軽快なステップでリンドやアリシアの反応もお構いなしに、俺とエクタシスを受付の奥にある工房まで連れて行く。



「あー、リンドォ そいや客はもう居ないんだろう?今日は色々と注文が多いから外の札『閉店』にしといてー」



思い出したようにメイは工房で受付にいるリンドに叫ぶ。彼女の返事が無いがきっとまたため息をついてしっかりやってるだろうよ。

本当にマイペースな奴だ。

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