天獄の門が開くとき:前編
※追加と修正しました。
―少し前の事である。
鉄と鉄の鈍い音がする。
火花も散ることなく、ひと振りで数多の大木を一度に両断するマリアの剣でさえも、なまくら同士の噛み合いかと疑う程。
(…斬れぬか。まぁ、さすがにこの大勢を押さえ込むならばそうであるのも仕方ない。ネルケも氷魔術で試しているようだが…)
パキパキと音を立てて格子に氷が這う。
ネルケの使う、氷魔術には対象と共にそこに依存する魔力の流れを硬直させる魔術も存在する。
彼女はそのひとつを行使する事が可能であるが、実際はそれでさえも
この格子に対して何も響く事はなかった。
(魔力による破壊も無理。檻だけではない、この城そのものが異様な魔力の根源に根を張って耐性を持っている。そのうえで格子にも高度な硬化魔術を織り込み重ねて完全な防壁と化している。)
状況の整理、マリアの幾度かの思慮によって浮かび上がる自身らが置かれている現状。
魔力も圧倒的な物理も無効化してしまう檻の中で、囚われのアリシア一行は
嫌が応にもクラウスの言葉、演説に等しいその願望を聞かされ
皆が沈黙するだけだった。
沈黙…否、返す言葉がない。
なぜなら彼のこれまでに語ってきた考えはあまりにも突出している。
魔術師としての知識、応用を兼ねた優秀さだけでは説明がつかない。
頭ひとつどころではなく、二つも三つも…もしくはそれを重ねてこの空の遥か果てまで至るものだか
らだ。
その理由のひとつにその場にいる者の殆どが外の世界等という考えに聞き馴染みが全くないのだ。
この世界は、この場で起きる事象すべさえも身に余るもの。
そしてその支柱にいるのは極界の生きた神話、神、女神であるアズィーだ。
だが、この男クラウスはその存在を…信仰を否定し、あまつさえ手中に収める等と言っているのだ。
「君たちには真実を伝えよう。」
クラウスはある書物を手に取りページをペラペラと捲りながら続けてペラペラと語る。
その書物のタイトルは『記録者ヒリエルタの手記』と書かれている。
「女神の起源は一人の存在の死から始まった。それも、今の時代とは比べ物にならない魔力を持ったただひとりの存在によってな。」
― 「其の名はアデル」「全てを持っていた」「だが、一度たりとも得る事はない」「だからこそ失う事で天に心這う、地に命根付く」「私、ヒリエルタはこの世界の“力”がどこに赴くのかを見た」「喪失、望郷、渇望、羨望、謝罪」「その全てがひとつに集う時、私はそれを神と名付けた。始まりと終わりの一端、力の権化アルゼリ。彼女は祝福そのものとなったのだ」「09:ヒリエルタ」
誰もがしらぬ伝承。
誰もが聞き及ばぬ物語。
観測者ヒリエルタと呼ばれる名はこの世界では認知されていない。
「なぜならば、それは信仰を揺らぐ事実たりえるからだ」
クラウスはその本を投げ捨てる。
「聖女というものはな、そのシステムが女神の下位互換にすぎないのだ。そして逆にいえば、聖女という存在の究極そのものこそが女神アズィー。この世界の歴史上で一番最初であり最大とも言われる極大究極のアルス・マグナ。それによって生まれた絶対的な信仰を魔力にひとつの永久機関を生み出し、そこに意思を組み入れたのが女神アズィーの正体だ。」
「馬鹿な、女神は絶対的存在だ。それが…あたかもヒトから生み出されたような口ぶりではないか。」
ルドルフは檻に手をつきクラウスへと反論する。
「そうだ。神は人が創ったものだ。それこそ人に限らない、ありとあらゆる生命の意識が絶対的“力”という権威を目の当たりにするその瞬間。その身を、その思想を捧げてかしずく。天、天使はそれを管理する為に生まれた観測者の末裔。そう、それはまるで使命を与えられその通りに形を成す無機質な石塊そのものだ。」
クラウスは小芝居じみた動きをしながら更に言う。
「ああ、命とは尊いものだ。なぜなら死の境界を覗いた瞬間に生命というエネルギーは爆発的な変化を起こすからだ。人は犠牲を目の当たりにすればその思想をカの贄に対し捧げる。その大きなエネルギーこそが無限の可能性の礎。だから私は絶望した。この私が神に捧げて来たものは全て!たったひとつの、魔力の源塊への餌に過ぎないと。この身は生まれた時から、所詮は世界へと搾取されるだけのものなのだと。そして世界は何も変わる事なく、再び廻り続ける。それが我慢ならなかった。私が、私の魔力が存在する限り…私という存在が世界にとっては所詮は石ころと同じなのだ。たった一人の見出した意図によってな。ああ、どうだ。真実を知ってお前たちはどう思う?こんな世界を壊したいと思わないか?」
「―馬鹿じゃない?」
言い切ったクラウスになげうたれたモノは賞賛ではなかった。
いずれは転がり落ちるであろうと見限った、愚かな道化に対しての侮蔑。
「あんたは結局、自分が特別じゃないと気がすまない。ただそれだけの話でしょ?長々とこの世界を語ってきた。けど私には所詮そんなものは夢想家の戯言と一緒。紙一重なんてもんじゃないわ。全くもって一緒。なんの為にならない話だわ。売れない三文小説以下ね」
それは、フラフラと立ち上がったエルフ、リアナの言葉だった。
「ふむ、意識の尺度が違うとこうも理解が違えるものなのだな。所詮は手長猿か、エテ公か。女神に肩入れされた種族はこれだから物分りの悪いテナガザルなのだ」
「リアナさん!大丈夫なのですか?」
彼女を介抱しようとそばに駆け寄るネルケに目線を送り、優しい表情を見せて頷く。
そして彼女は言葉を続けた
「そうね。頭が良いだけじゃ駄目だって事を知ったわ―…」
「愚かな。そうやって事実に眼をそむけるから世界そのものの“足場”でしかなくなるのだ」
「眼を背けているのはあなたよ。結局はあなたには信仰の意味も、ひとりの犠牲の尊さもわからない。生贄なんてものは私だって否定したいところだけど。あなたはそれを、された立場だからって自身も同じように利用としているだけ。誰もあなたの考えなんて理解しない。だってあなた…本当に人っていうものを、心っていうものをわかってないんだもの。だから人の心と意思をシステムとして置き換えているだけ。心という未知を無闇知るに拗れた末路ね」
「随分とイラつかせる女だな。…だが、もういい。もう話はここまでだ。馬鹿と問答を繰り返しても馬鹿が伝染るだけだからな」
「へぇ、伝染るんだ。結局は、その程度の考えだってことね」
ブチッ
「黙ってろ!!!この淫売!淫売!淫売がぁあああ!!」
瞬間、クラウスは激昂と共に頭上の空間を歪ませて収束した大きな魔力の塊を顕現させる。
渦巻く紫紺の球体、周囲の空間が吸い込まれるように歪曲している。
「これは!!私と同じ重力魔術!?」
「この手長猿!猿!!猿!!猿が!!!!クソ女が!!木っ端微塵にしてくれる!!!」
放たれた超濃縮重力魔術は格子をすり抜けてリアナへと目掛け飛んでいく。
恐ろしいまでの圧倒的魔力。その塊がリアナへとあと二歩、三歩の直前、彼女の前に飛び込むように一人の少女が割行って現れた。
「アリシア」
その意図を知っていてか、戸惑う事もなく名を呼んだ。
「―魔剣は頼むわね」
「皆こそ、無事でいてちょうだ―」
言い切る前に少女に魔力の塊は当たり、
パァン、と大きく弾ける音。強力な魔力の塊は文字通りアリシアを木っ端微塵にした。
一瞬の沈黙。
「はっ―」
それを破るようにクラウスは我に返る。
激情に駆られていたことで自身が何をしてしまったのか、その事態に気づく。
(挑発、クソが。ハナからこれが目的だったか…あの小娘は…魔剣に依存した情報魔力の塊のようなもの…ならば奴らの狙いはっ)
「祖母としては…必要な事とはいえ、見ていて気分のいいものではないな。孫が塵になる姿というものは」
カランカランと微塵に刻まれた檻の格子が足元に崩れて落ちていく。
それにより檻の格子に円形状の大きな穴が空く。
「魔力を制御する檻。物理をも弾く特殊な膜で内側からは魔術を放っても意味は無い…だが外側から魔力を侵入させる事が可能だと知った瞬間を私は見逃さない。魔力が入るその瞬間、その部分だけは、ほんの一瞬だけは魔力が上書きされて鉄格子になるというわけだ。」
クラウスの重力魔術が格子をすり抜けて入る瞬間。
例えるならばそれはカーテンを内側にめくられるようなものとなる。
物理も制御された防護魔力のカーテンが捲られ、戻る刹那をマリアは見逃さなかった。
(こいつは何を言ってる?そのたった、ほんの一瞬を狙っただと?些細な程の刹那にこの鉄格子をバラバラにしたというのか?それこそ人間の成せる芸当じゃない)
「覚えておけ。神は細部に宿るものだ」
「ハッハ。これで自由の身ってわけだな、返してもらうぜ…彼女を」
クリカラはコキコキと拳を、首を鳴らしクラウスへと睨みつける。
「―ふん、執行者の芸には流石に驚きはしたが、この状況も想定範囲だ。ならばそうされる前に“協力者”でも募らせてもらおうか」
先ほどのリアナの煽りに対して激情する態度とうって変わりクラウスは自身の置かれている状況の変化に冷静に答える。
「今更なにを―」
「まって!!」
ブチッ…!
「そのまま動かず潰れろ」
クラウスの閉塞されている空間。確実に窓も締められている状況で、大きな突風がリアナたちを襲う。
「――“風の精霊よ!”」
リアナは介抱してくれるネルケを押しのけて
皆よりも最前線に立つ。
彼女の呼びかけに精霊たちが答えるようにリアナより後ろ、そこからはクラウスの出した風の魔術がある程度及ばない。
しかし、地に根をはるように付かねば浮かした瞬間に後退してしまう。
それほどまでの大風をクラウスは繰り出していた。
だが、リアナはその風に対して拮抗し合うように自身の風魔術をぶつけている。
「む、貴様…私の風魔術に“意図”を上書きしたな?」
クラウスには魔力が無い。しかし、精霊魔術の基盤である対話を可能とする。
彼は他者の風魔術使いの心臓を消費して風魔術を発動させ、それを寄り代に精霊と対話し増幅させる事ができる。
本来であればそれは目前の対象全て、該当するリアナたちを異常なまでの突風で壁に叩きつけて圧死させる事を可能とした。
しかし、それを彼女は咄嗟に同じ“対話”を用いてクラウスの対話を上書き。圧死という結果を大きく緩和させた。
「ふん。手長猿の淫売如きが、よほど風の精霊に一目を置かれているようだな。実に忌々しい。だが、それも限界。お前たちはそこからは動く事もままならないだろう。私にとってはそれで十分、十分だ」
ブチッ
心臓の潰れる音がする。
皆が、クラウスを前に拮抗する風の魔術の衝突で動けない中、その音にたいして警戒をする。
新たな魔術攻撃が来るのでは?と
しかし、それは想像とは全く違うものだった。
解った事といえば、クラウスの右手の上で光る凝縮された巨大な魔力の塊。
眩しいほどの輝きの内側で、それはある形へと構築されていく。
「カギ…?」
魔力によって生み出された鍵を握り締めながら、コツコツと靴音をわざとつよく鳴らして磔にされたヘイゼルの方へと歩いていく。
「何を…するつもり!?クラウスっ!!」
「まずいぞ、ありゃあ。」
クリカラがそれが何なのかを理解し、驚く。
「鍵だ。」
「鍵なのはわかるがっ、一体何のカギなんだね!」
「あの鍵は古代の神器のひとつだ。万能のカギ、『スクルド』…本来閉ざされた鍵そのものには選定という義務を持っている。だが、あのスクルドにはその義務を理解し、上書きする力を持っている。言うなれば、どんなに強固に、概念上で閉ざされた“モノ”があったとしても…鍵さえあれば開ける事のできる代物だ。それこそ番人という生きているモノでさえも自信がそれを閉ざす鍵という義務を認知していれば触れた瞬間に開く。明け渡される。』
「だが…何を開けるというんだ?あの男はっ」
「わからねぇか?マリア。あいつはさっき、協力者を呼ぶと言っていた。ヘイゼルに近づいてだ。」
クリカラには思い当たる節があった。
それはリアナも同様である。そう、知っているのだ。
ヘイゼルには聖女としての能力の中にひとつだけ鍵と関わるであろう、“閉ざされたもの”があった。
リアナはそれを思い出し背筋を凍らせる。
「天獄の門………ダメ、止めなきゃ!!」
「それは一体―」
「あいつは知っていたのよ!ヘイゼルがアルヴガルズで天使ミカイルに憑依され、天獄の門で“魔神”が天獄の門の中に封印されている事をっ。あいつはそれを解き放つつもりよ!」
魔神の解放。それはあってはならない事であった。
クラウスは知っているのだ。イヴリースは復讐の為にきっと自分自身に協力するであろうと。
そして、万一クラウスがイヴリースを制御出来なかったとしても、その魔神を斃す事は自身らには無理だとリアナは直感で解っている。
クラウスはそちらに意識さえ向けられれば、あとは自身の計画に必要なものを集めるだけとなる。
それを知ったからこそ、リアナは拮抗している風を無理やり押し返そうとする。なにがなんでも押し返そうとする。
「それだけはさせない!だって、それは…ジロが、アリシアが…!みんなが一生懸命になって頑張った結果!なのにっ、こんな所でそれを…無駄にはできない!」
リアナの風の魔力が更に増幅される。
「ぐっ…うぅあぁああああっ!」
「無駄だ。貴様みたいな猿が無茶をするのも折込済みだ。もう魔力も既に無いのだろ?そのまま攫われて、消えて死ね」
クラウスが詰めだと言わんばかりに指を鳴らし、それと同時に未だリアナ達へと圧倒していく純粋な風魔術の勢いを更に増していく。
「あっ…くそっ」
リアナのバンデルオーラを握り締める手が少しずつ透けてきている。
―いいのですか?
リアナの耳元で囁く“風のような”声
―あなたには捧げる魔力はもうない
―なのに、それほどまでに我らを求めているのですか?
―…そうであるならば
―そうであるならば…
さ
ら
って
い
く
ぞ
「……―それでもッッッ!!」
リアナは眼を大きく見開き、それを受け入れようとする
「ダメです!!いけません!!」
しかし、それを止めにネルケが後ろから彼女に抱きつく。
リアナの中で魔力が後ろから流れ込んでくる感覚。
「ッ馬鹿!やめなさい!放して!!あなたも精霊に攫われてしまうのよ!!」
「いやです!あなたをこんな事で失いたくはない!!」
「っっ!こんな事?こんな事って!?ッあんたに!アルヴガルズの!イヴリースの…私の何が解るのよ!!?」
「わっ、わかりません!で、でっでも!私にはわかります!!ここであなたが身を捧げる事は間違っているのです!あなたはきっと他と違って何年何十年何百年も生きている大人です!立派な大人の女性です!だからこそ生きてきた分だけの責任を抱えていると思います!でも!私はその理屈を否定してでも手放したくない未来があるのです!」
時間も間もない間柄の中で、ネルケは身を削ってまで失いたくなかった。
自身を受け入れてくれる数少ない仲間を
これからもあるであろう日々を
「ネルケ…」
「…ああ、こいつの言うとおりだ。それ以上の無理をするな。エルフの女」
クリカラがさらにネルケにふれて魔力を送り込む。
「だけどっ」
「安心しろ。――魔神程度、所詮は単なるデケェ喋る魔力だ。冷静になれ、どのみち今…お前がここで消えれば、あの野郎が再び何をしでかすかわからねぇ。ここは一旦、相手の手札をある程度みてから考えてもいい。命張るのはそっからでも十分だ。最悪、俺がなんとかする。」
かつては魔王竜等とうたわれた厄災の象徴。だが、流石知恵持ちの竜。
その冷静さは無謀でも怠慢でもない。自身にある絶対的な強さへの自信と、札を切る機会を見誤らない決断力。
味方にすればなんと頼もしい。
「おじさま」
「そうだぞ、馬鹿野郎が。お前が消えれば、アリシアとの約束はどうするんだよ!それに、私の世話もな!」
ガーネットもリアナへと触れて魔力を連ねる。
「…本当に、あんたはアホなんだから。ガーネット」
「私は腐っても執行者だ、魔物を狩るノウハウなら幾らでもある。生きていればな。だから、お前も“早々に諦めるな”」
マリアは気づいていた。
リアナの本心。
彼女は怖かった。実際にその瞬間を目の当たりにして落胆してしまう自身に。再び無力さを味わうであろう、その瞬間の孤独感に。
誰よりも責任というものを全うしてきたからこそ解る、いざという時の事態に対しての己を殺すほどの己への叱責を。
劣情から成る、内側から食い殺すような化物に等しい感情が彼女に甘き死へ誘ってしまう事を
「もう既に戦いは始まっているのだ。考えろ。勝ちへの道筋を生きていく術から引き出せ」
マリアの叱責に、リアナは頷き瞳の色合いを変えていく。
その色相は覚悟の証明。
「馬鹿めが、カス共はどうにも勇者のお伽噺等というガキの抱える絵本がお好みらしい。夢想を抱いても、その重さが自身を奈落に落としている事に気づきもしない。実に愚かだ。」
クラウスは磔にされたヘイゼルを前に、鍵を見せる。
ヘイゼルは最後の抵抗のようにクラウスへとまっすぐ視線を向ける。
「そんなもの、ワタシに使っても意味はない」
「黙れ、人形が口答えするな」
「…―が…ふっ、おごっ」
クラウスはそのまま万能の鍵『スクルド』をヘイゼルの口の奥へ、奥へと自身の腕ごと詰め込んだ。
「精霊の魂はこの中にある。それこそがこの天使の情報と融和した聖女の魂そのものこそが天獄の門へと繋がる鍵だ。なぁ、そうだろう?“接続の奇跡”よ」
「が…あがっ」
ヘイゼルは、嗚咽を漏らしながら反射的に腰を浮かして拘束された身でありながら必死に抵抗しようとする。
だが、次第に動きは徐々に弱まり
痙攣したまま動かなくなる。
「―開け、スクルド」
カチャあ
クラウスの言葉と同時にヘイゼルの双眸の昏き瞳から十字の光が刻まれる。
―瞬間。
ゴン、ゴン、ゴン、ゴンゴンゴンゴンゴンゴンゴンゴンゴンゴン、と。
鎖に巻かれた幾つもの棺桶がこの閉鎖された空間の頭上から堕とされた。
それらは、ものによってサイズが幾つも差があった。
ある時は50年前に南大陸で大きな被害を生んだバフォメットを解き放ち。
ある時はアルヴガルズにて魔神イヴリースを強引に封印した
聖女と天使が紡ぐ魑魅魍魎の匣
天獄の門
そこに封印された魔神全てが、今ここに解き放たれる。