転生
「芝くんに助けられっぱなしだったのも大きいです。他力本願な奴は駄目なんですよ」
「そんなー」
カレンはむせび泣く。
僕はそんなカレンを哀れに思った。
「エルフさん。僕の点数をカレンにあげれないかな」
「「えっ」」
カレンとエルフが驚いた。
「点数の譲渡など聞いたこともありませんが。99点になれば、二人ともその辺パンピー……一般人になって、魔王とかいる世界で冒険者として生きることになりますよ」
「そうなんだ。でも、あんまり辛そうじゃないね。病死よりマシだよ」
「芝くーん。ありがとう!」
カレンが涙を流しながら抱きついてきた。
やれやれ、とエルフは頬をかいた。
「二人共99点ということでいいでしょう。……それでは転生です!」
エルフがパチンと指を鳴らすと、僕たちの身体は光に包まれた。
光に包まれて、教室から姿を消した。
目の前が真っ暗になる。けれど、手の中にはカレンの暖かい手のひらがあった。
***
「ホッホッホッ。心優しき少年だこと」
闇の中、遠くから声が聞こえてきた。聞いたことある。
そうだ。
神っぽい人の声だ。
「お主の優しさに感動したぞ。お前にはすごい能力を授けてやろう」
すごい能力? そう声に出したつもりだが、声にならなかった。
「ふほほほ。どんな能力かはお楽しみじゃ」
僕の意識はそこで完全に途絶える。
そして、次に目を開けた時、眼前には、暖かくて優しい母親の顔があった。




