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思考少女は床の上(更新終了)

思考少女は床の上 “思考”

作者: さわい

今日も私は思考する。今日の議題は“思考”について。私は小さい頃から思考ということをしてこなかった。いや、正確に言うならばする必要がなかった。与えられたこと、しなければいけないことを淡々と行い、してはいけないことはしなかった。人との付き合い方も親に言われた通り。自分がされて嫌なことはしない。勉強もただ淡々と行った。私は意味を問うことがなかったのだ。疑問がなければ思考もなかった。

そんな私が疑問を持つようになったのは中学生の頃。成績に関して小学生の頃はオール良い。自分のことを天才だと思ってた。友達に嫌われたこともなかった。しかし、中学生という新しい世界は容赦なく私を突き落とした。

結局のところ小学生までは良い止まりだった。5段階評価は容赦なく突き放す。テストは100点なんてとても無理だった。当たり前だ。のんべんだらりらっとした勉強に意味なんてない。でも認めたくない私は勉強を嫌った。嫌うことで正当化した。嫌うために思考した。

違う小学校からの人とも中学校では出会う。その出会いは未知との遭遇。国も宗教も違うように感じた。その人たちとの関わり方がわからなかった。小学生までの方法ではダメだった。私は周りを否定した。自分のやり方が正しいと思うため。正しいと思うために思考した。

大学生の今だってそうだ。あのときほど自分が特別だとは思っていない。けれど自分を保つために他を否定している。周りとは違う自分を確立するために、そのために思考している。けれど表だって私は人を否定しない。なぜなら周りが私を否定してくるのが怖いから。今では世界を否定する。生きにくいのは世界が悪いのだと。そのために思考する。そのうち自分を否定したくなる。

やめよう、もう寝よう。私はうずくまるように体勢を変え、クッションを抱いて寝た。

本当は鳥が鳴くまで思考したい。詩や歌にあるように眠れない夜を過ごしたい。けれどそこまでの悩みでもなく、途中で思考を放棄してる私には関係のないこと。ものの数十分の思考で結末が来る。結局は特別を求めているだけのこと。なんて醜い私だろう。

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