夢野原に一人。
目指せほんわかスローライフストリー。
…いや、ほんわかにするのは登場人物的に所々無理があるかな?
…目指せ、できるだけ、ほんわかスローライフストーリー。です。
頑張ります。
気がつくと、私はふわふわとした白い何かの上に一人立っていた。
辺りを見回すと、白い何かは前後左右、どこまでも広がっている。
しゃがんで触ってみると、やはりふわふわとした感触がして、触り心地がいい。
例えるなら、そう、わたあめみたいだ。
そのまましばらく触ってひとしきり感触を楽しむと、私は再び立ち上がった。
さて、ここはどこだろう。
足元には触り心地のいい、白いふわふわした何か。
上を見上げれば、気持ちいいほどの一面の青空。
けれど他には何もないし、誰もいない。
……夢かな。
空と白い何かしかない夢なんて見ても、面白くも何ともないなぁ。
見るのは気持ちいいし、触ると感触を楽しめるけど、ずっとそうしてると飽きて退屈になること受け合いだし。
いっその事ここに横になって、目が覚めるのを待とうかな。
このふわふわした何かは、きっと寝心地も良いだろうし。
よし、じゃあさっそく。
私は横になろうとかがみこんだ。
すると。
「すみません、お待たせしました~!」
と、爽やかな男性の声が、頭上から聞こえた。