第二十三話~魔界編2~
門を進んだとこには大きな集落があった。
黒「悪魔たちの村ですか……おっかないw」
ゼ「・・・・けっこうたくさんいるな」
そこには元気に遊び回る悪魔の子や、女の悪魔などたくさんいる。
しかしゼノア達を見た瞬間、女の悪魔が男の悪魔達を連れてきた。
・・・・かなり睨まれてるな。
黒「師匠~物凄く睨まれてますけど」
ゼ「・・手を出すなよ」
黒「こんだけ悪魔に睨まれたらさすがに怖いっすw」
魔A「人間と……猿!?…わざわざ奴隷になりにきたか」
魔B「汚らわしい!」
魔C「さっさと殺してしまえ!!」
魔D「ねぇねぇ、あいつら食べていい?」
黒「なんか凄い言われてますけど」
ゼ「・・・奴隷?」
ゼノアは最初に喋った悪魔に近付いた。
魔A「なんだ人間、自ら奴隷になるか」
ゼ「・・・お前奴隷って言ったか?」
魔A「人間ごときが減らず口を!」
魔B「殺っちまえ!!」
悪魔Aが鋭い尾でゼノアを突き刺そうとした。
魔A「死ね!!……え?」
悪魔Aの尾はゼノアの手で斬られ、地面でモゾモゾ動いている。
魔A「うわぁぁぁぁ!!俺の尾がぁぁぁ!」
黒「さすが師匠w」
魔B「なっ!?ぶち殺せ!」
魔「「「「「おぉぉ!!!!」」」」」
悪魔達が一斉に襲いかかって来た途端、
?「やめろお前ら!!」
空から声がして悪魔達の動きが止まった。
魔B「ヴ、ヴァイル様!?」
魔C「どうしてこんなところへ!?」
ヴ「少し村に立ち寄ろうと思っただけだ」
ヴァイルが空から降りてくる。するとヴァイルの足元に尾を斬られた悪魔が駆け寄ってきた。
魔A「ヴァイル様!!あの人間を殺してください!!」
ル「……………お前の尾斬られたのか」
魔A「はい!!あの人間に!!」
ヴ「……そうか」
ヴァイルは悪魔に手を差し伸べる。
魔A「ヴァイル様…………えっ?」
しかし、差し伸べたはずの手で悪魔の腹を貫いていた。
魔A「なっ…………がはっ……」
ヴ「人間に負けるなど恥を知れ」
魔A「そ、そんな………」
魔「「「「「…………………」」」」」
貫かれた悪魔は死に絶え、他の悪魔達が後退りし始める。
ヴ「さて、人間と……猿よ。魔界に何用かな? 」
ゼ「・・・・魔王とやらに用がある」
ヴ「なに?………ふはは!魔王様に用があるだと?笑わせる」
ゼ「・・・・だがその前にここには奴隷がいるのか?」
ヴ「あぁいるぞ、おい!連れてこい」
魔B「は、はい!」
別の悪魔が急いでどこかに向う。
数分後、悪魔が十人程の奴隷を連れてきた。
人間が六人、獣人三人とエルフが一人。
皆女か子供で、痩せ細り、顔は恐怖で歪み、いつ殺されるのではないかと震えていた。
黒「ひでぇ……こんな痩せ細る前に食えばいいのに…」
黒の一言で奴隷達がさらに怯えてしまった。
ゼ「・・・・おい」
黒「あ、すんません…ついw」
ヴ「そこの猿面白いこと言うな、どうだ人間!この恐怖に満ちた顔、これを見るのが何よりも快感だ」
魔B「おら、前出ろよ」
奴隷達がゼノアの目の前に歩かされる。
奴「………………逃げて」
ゼ「・・・・・!!」
エルフの奴隷がゼノアにこっそり喋りかけた。
それに悪魔が気付く。
魔B「奴隷の分際で喋るんじゃねぇ!」
悪魔はエルフの腹に蹴りをいれた。
エ「がは………」
奴「「「「!!………」」」」
ヴ「人間よ…お前が見たがっていた奴隷だ!見ろ!この恐怖に歪んだ顔を…最高だな」
周りの悪魔達もニヤニヤし始める。
ゼ「・・・・あの時完全に全滅させるべきだった」
ヴ「あの時?……何を言っている、恐怖でおかしくなったか」
黒「こいつ……」
ゼ「・・・待て、こいつは俺が殺る」
ヴ「なに?……ふはははは!俺を殺るだと?お前は指一本触れることも出来ずにそこの奴隷の仲間いりするんだよ」
ゼ「・・・・黒、ちょっと奴隷達の目を塞いでてくれ」
黒「分かりました……奴隷達運が良かったな」
黒は奴隷達を6本の手で守る様に覆った。
魔B「貴様!勝手に何をやっている!!」
黒「まぁまぁw…お前らは終わりだw」
魔B「なんだと!?」
ゼ「・・・・さてと、お前らに真の恐怖を与えよう」
ヴ「人間が悪魔に恐怖?笑止!」
ヴァイルがゼノア目掛けて突進する。
ヴ「なに?」
いつの間にかゼノアは先程ヴァイルが居た場所に立っていた。
ヴ「そんくらいでいい気になるなよ!」
ヴァイルが手に魔力を込め、またゼノア目掛けて突進しようとしたが、
ヴ「な、!?なんだこの雰囲気は…」
思わず足を止めてしまった。
ゼ「・・・・闇を体感しろ」
ゼノアから闇が一気に広がり、辺りを包み込んだ。
ヴ「な、なんだこれは!?他の悪魔達の気配も…手や足の感覚すらも感じられない…」
目はしっかり開いている感覚はある、しかし真っ暗でホントに目を見開いているのか自分で疑うほどだ。音も何も聞こえない。
ヴ「どうなっていやがる……」
ゼ「・・・・どうだ?闇の中は・・」
ゼノアの声だけなぜかはっきり耳にこだました。
ヴ「何をやりやがった!!」
ゼ「・・・・闇・・それは恐怖の象徴・・」
ヴ「な、なにを…………!」
自分の体の異変に気が付いた。
手や足の感覚は相変わらず無いが、全身が震えているのは感じられた。
ヴ「まさか………お、俺が恐怖するなど」
いくら口で言っても体の震えは増すばかり。
俺が……この俺が恐怖などあり得ん!
ゼ「・・・・抗おうと闇から逃れる術はない・・そして次第に恐怖に呑み込まれてゆく・・この虚無の闇の中には・・絶望しかない」
ヴ「!!??」
最後の一言だけ耳のすぐ近くで囁かれた気がし、ゾッとしてしまった。
馬鹿な……こんなことが……
悪魔が暗闇で恐怖するなど……
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一体どれほど時間がたったのか?
一瞬なのか数時間経っているのか何日も経っているのか、時間の感覚さえも分からなくなっていた。
…………怖い……
これが恐怖なのか………?
ヴ「もう分かったから……頼むから出してくれ!!」
しかし自分でちゃんと言えているのかすら分からない。
自分の声すら聞こえない…
………怖い…今すぐに……逃げ出したい……
だけど足が動かない………そもそも俺に足アッタッケ?
だんだんと思考までおかしくなっていく。
怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い
怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い
………もはや絶望しか無い。
そう思った瞬間、遠くから光が見え始め闇が消え去り始めた。
ヴ「こ、ここは………」
ヴァイルがさっき居た場所だった。
時間にしてはそれほど経っていないが、何だか久しぶりな感じがする。
久しぶりに視界が開けて目が少し痛む。
ヴ「…良かった……手も足もちゃんとある…」
手足の無事を確認して、周りを見渡してみる………すると悪魔達が震えながら自分の手足を確認していた。
ヴ「あいつらもか………」
そしていくら見渡してもあの人間がいない。
猿はちゃんと居るのに…
ヴ「どうなってやがる……」
ゼ「・・・・・どうだった闇の中は」
ヴ「!!????」
目の前にいきなりゼノアが現れた。
さっきまでたしかに居なかったはずなのに…
ヴ「うわぁぁ!た、頼むからもうやめてくれ………!」
ゼ「・・・なら言うことを聞いてもらうか」
ヴ「わ、わかっ…わかりました……」
ヴァイルという悪魔は震え上がっていた。
・・しかしやり過ぎとは思わん。
ゼ「・・・まず奴隷達を渡してもらうか」
ヴ「あ、あんな奴らどうぞもらってください!」
ゼ「・・・黒、もういいぞ」
黒「……し、師匠……俺まで闇に包まれましたよ……」
ゼ「・・・・お前には少しの恐怖しか与えられなかったはずだが・・」
黒「あれで少し!?…やっと震えもおさまってきた……奴隷達は無事なはずです」
黒は改めてゼノアの恐ろしさを知ることになった。
数年前、俺あの人殴ってよく生きてたな…
黒は少し神に感謝した。
奴「「「「「「あ………」」」」」」
黒に守られていたとはいえ、少しからず影響を受けていたようだ。
黒「お前らホント運が良かったな」
黒に喋りかけられ奴隷達は一斉に怯んだが、なんとか耐えた。
エ「あ、あの……あなた赤角猿ですよね……」
黒「よく分かったな、そうだが…食われたいのか?」
エ「ひっ!す、すみません!!……どうして魔界にいるのかと不思議に思ったもので…」
黒「あのお方に付いてきたまでだ…お前らも助けられたんだ」
エ「…あのお方?…それに助けられた?……!!こ、これは…」
周りを見渡してみると悪魔達がしゃがみこみ震えている。
エ「悪魔達があんなに怯えて……」
黒「師匠がやったんだ」
エ「師匠?……まさかあの黒髪の青年ですか…?」
黒「なんだ…疑っているのか?」
エ「い、いえ!!そんなつもりで言ったわけでは……」
他の奴隷達も怯えている。
ゼ「・・・・やめとけ」
黒とエルフの間にいつの間にか黒髪の青年が立っていた。
エ「え!!………」
黒「すみませんw」
あのSランクの魔物が人間に頭を下げている光景はとても異様だった。
赤角猿自体、図鑑とは大きく異なった姿をして喋っているのにも驚いたが、何か言ったら本当に食べられそうなのでやめとこう…
エルフは心の中でそう思った。
ゼ「・・・図鑑に載っているのは子供のこいつだ、大人になったらこうなった。喋れるのはよく分からん・・・頭がいいらしい」
エ「えっ!!」
見事に心の中で思っていたことを当てられ驚いた。
ゼ「・・・心を覗いてはいないぞ。なんとなくそう思ってるのではないかとな・・」
エ「あ、あなたは一体………」
ゼ「・・・ただの人間だ」
エ「あの……私達を助けていただきありがとうございました!!」
奴「「「「「ありがとうございました!!」」」」」
ゼ「・・・・ついでだ」
エ「じゃあ…私達は元の世界に帰れるのですか…?」
ゼ「・・・放っておくわけにもいかんだろう・・連れて帰ってやろう」
エ「…ぐすんっ……こ、こんな日が来るなんて……」
ゼ「・・・・お、おい・・泣くな」
奴A「お母さんに会えるんだ!!」
奴B「良かった……生きてきて」
奴隷達が皆それぞれ泣き始めた。
ゼ「・・・・・おい・・」
黒「……うるさいし食っちゃいます?」
黒の一言で場が静まり返る。
ゼ「・・・・アホかお前」
黒「冗談ですよらwさすがに食べません」
奴隷達がホッとし、また涙を流し始めた。
エ「ぐすん………あ、あの…魔界まで一体何を?」
ゼ「・・・・ここの魔王に用がある」
エ「ま、魔王に!!??」
また場が静まり返った。
エ「そ、それはやめた方が…えーっと…」
ゼ「・・・・ゼノアだ」
エ「ゼノア……様!!私はエリシアです!魔王には会わないほうが…」
ゼ「・・・・大丈夫だ、お前らはここで待っててもらう」
奴「「「「えっ!!!」」」」
ゼ「・・・黒を置いて行くから大丈夫だ」
黒「えー俺留守番ですか…」
ゼ「・・・文句を言うな・・あとこいつら食ったり死なせたりしたら虚無の闇に無理矢理いれるからな」
黒「そ、それだけは……命にかえても守りますんで!!」
ゼ「・・・・よし・・おい、お前」
ヴ「ひっ!!」
ゼ「・・魔王の元に連れていけ」
ヴ「わ、分かりました…」
ゼ「・・・・じゃあ出来るだけすぐ戻る」
黒「わかりましたー!!」
エ「か、必ず戻って来てください!」
ゼ「・・・あぁ」
ゼノアはヴァイルを連れて、空の彼方に飛んでいった。
~魔城~
ル「おい、サタンいるか!」
サ「………あぁ」
ル「今の感じ………やっぱり」
サ「我らの神が帰ってきたのだ……」
ル「………………」
魔王の居場所すぐに探せるけどあえて案内させるのはSですねw
魔界は基本夜と同じなのでゼノアは空も飛べますw




