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御神楽学園(停滞中)  作者: レフェル
入学してから
7/70

第1話 幼い頃の夢と新学期? 改定

内容を変更してます!

~side つぐみ~



あれからいくつかの歳月が経った、ある日のこと、それは昔した約束だった。



「ねえねえ、しゅうくん!」



「なーに、つぐちゃん」



「あたし、おっきくなったらしゅうくんのおよめさんになりたい!」



「え、おれの?」



「うん!だめ、かな?」



「ううん、だめじゃないよ!」



「よかった~♪しゅうくん、だいすき♪」



「おれもつぐちゃん、だいすきだよ♪」



と・・・そこで目覚ましが鳴り響いてはあたしは目を覚ました。

天井を見つつ、夢で見た光景を思い浮かべる。

そしてみるみる頬が赤らむのがわかる。



「ないない、これはないよ流石に!!///////」



あまりの恥ずかしさにあたしは布団をかぶり直して身悶えながら呟く。


「いくら幼稚園児の頃とはいえ、恥ずかしすぎるよ!!」


それから枕を抱えて身悶えていたが、しばらく経って落ち着き、顔を上げる。



「ま、まぁ、小さい頃の事だし。それにヒデ君も覚えていないだろうから時効だよね・・・」



そう思うと、少しだけ嬉しいような残念のような複雑な感じになってきた。



「あーもう!考えても仕方ない!それよりも早く支度しないと。」



あたしは起き上がると、黒髪を櫛で綺麗にしてそれをベット脇に置いた。

鈴付きリボンをつけてポニーテールにして白いブラウスに青いリボンタイに紺のブレザーに赤いプリッツの大きな黒いリボン付きのスカートとニーハイに着替えた後、自室を出て洗面所に行って顔を洗い、洗濯物を干してから朝食の準備をする・・・それがいつもの日課だ。

そして洗面所の鏡を見るたびにアタシは無残な現実に打ちひしがれる。



「・・・いつになったら伸びるんだろ・・・身長・・・・」



今年で高校2年生なのに身長は小学生レベル・・・あれ、何だか目から汗が・・・



「こんなこと考えたらダメダメ。さぁ、気合を入れて今日も頑張るぞ!」



あたしはパシパシッと、軽く顔を叩いた後、笑顔になって玄関に向かう。

まだ眠っている父さんに毛布をかけて、作った朝食をテーブルに並べてラップで包んでおいておく。




「行ってきます。」


戸をゆっくりと閉めて朝食を持ってお隣の家に向かう。

それはあたしの幼なじみである吉沢秀久君――ヒデ君を起こす為である。

ちなみにヒデ君の両親代わりの人からは家の合鍵を貰っており、何でも“ヒデ君の面倒を見てもらう為”らしい。

後、なぜかヒデ君の生活費の仕送りがこちらに送られてくる。

それは、ヒデ君に預けるとすぐに不幸なことが起きるから管理してくれという手紙も含めて届いるからである。



「まぁ、ヒデ君に持たせたらすぐに不幸な展開になりかねないもんね」



ふうっとため息をつきながら吉沢家に入り、まだぐっすり寝ているであろう幼なじみを起こすべく寝室に向かった。

多分・・・いや、絶対寝ているだろうからノックはせずにそのまま扉を開けると・・・やっぱりまだ眠っていたよ。



「ヒデ君!起きて、朝だよ!」



「う~ん。あと十分」



近寄って肩を掴んで優しく揺らしながら声をかけるとヒデくんはそう言って、寝返りをうつ。



「駄目だってば!早く起きてー!!」



ちょっと強めにゆさゆさと体を揺らして起こそうとするけど、ヒデ君は全然起きてくれない。

ここまで寝付きがいいのも考えものだよ。

どこかの某駄目駄目中学生と同じくらの寝付きの良さだよ。



「ちょっと、起きてよ~!」


ヒデくんの布団を掴んでひっぱると転げ落ちた。

すると、痛みに耐えながら幼馴染は起き上がり、あたしを見つめた。



~side out~



~side 秀久~



「いってえぇぇぇ!!!?」



床に頭をぶつけた痛みで起きる俺。



「やっと起きた?」



という声が聞こえ、俺は声のした方を振り向くと、そこには笑顔で腰に手を当てた幼なじみの雨宮つぐみがいた。



「お、起きたよ。てか、そういう起こし方はやめてくれよ?!」



「それは早く起きないヒデくんが悪いんでしょ? 大体、ヒデくんがちゃんと起きてたらこんな起こし方しないんだからね!」


俺はくってかかるように言うが、そんな俺を見てつぐみは呆れながら答えた。

うっ、そう言われると何も返せない・・・



「朝食の用意をしてあるから。ちゃんと起きて歯を磨いて顔を洗ってからリビングに来てね?」



「あ、ああ」



つぐみは俺の返事を聞くと笑顔でキッチンに向かった。

それから言われたとおりに歯を磨いて顔を洗った後にリビングに向かい、2人で朝食を食べる。

つぐみが作る朝食はどれも美味しいし、俺の好物もよく理解してくれている。

そんな彼女のことは俺は好きなのだが、なかなかタイミングがつかめずにいつも言えずじまい。

いや、それは言い分けだろう。

俺は告白して距離をとられるのが怖いのだ。

自分には彼女しかいないから、彼女がいないのなら俺は生きていてもしょうがないと思えるほどに依存しているから。


「ふあぁ~」

「もう、また欠伸してる」


欠伸をしながら歩く俺をじと目で見つめるつぐみ。

身長に差がある為に上目づかいで見上げてくるあたりが、こうグっとくる。


「ねむいんだから仕方ないだろ」

「だからって、新学期に新学年になったばかりなのに寝不足なのはよくないよ」


俺がそう言うとつぐみは眉をしかめて俺に注意する。

つぐみの言いたいことはわかるし、正しいとは思う。

それでも、色々考えることがあって眠るのが遅くなるのが現状なんだよな。

悩みながら歩いていると知り合いの後ろ姿が見えた。髪は長めだが少しボサボサ気味の黒髪で、瞳は茶色。身長は16歳男子の平均よりは高いという容姿だ。



「あ、おーい!万里くーん」

「ん? 今日も夫婦で登校か?」


つぐみがその後ろ姿に声をかける後ろ姿の主は振り向いて俺とつぐみのことをからかう。


「「夫婦じゃない!(じゃないよ!)」」



そのからかいに俺とつぐみは毎度声をそろえて否定する。

これを見てニヤニヤ笑っているのが宮野万里。

俺とつぐみの小学校からの幼馴染だ。

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