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御神楽学園(停滞中)  作者: レフェル
部活勧誘編
43/70

第35話 ぷちフェニックス! 改訂

「ぷち全集では、この子はぷちフェニックスと書かれているね」


高原教諭がどこからともなくぷち全集を出すとすぐにひらいて中身をみながらページをめくって目的のページを見つけると全員に伝える。


「このさい、どこから取り出したのか聞きたいところだけど」

「今はぷちフェニックスの方を優先しようか」


遠くをみるように呟く龍星の隣で富士也が言う。

この意見には誰もが賛成のようで頷いていた。



「名前なんて言うんだろうな?」

「この子に聞いてみようか、お兄ちゃん」


ぷちフェニックスの頭を撫でて龍星が言うとつぐみは笑みを浮かべて小首をかしげながら尋ねる。ぷちフェニックスはこてんと小首をかしげてつぐみ達を見つめている。


「そうだな、頼めるか?」

「うん!」


と、笑顔でつぐみの頭を撫でると嬉しそうに笑って返事をした。

可愛らしい笑顔はこれまた子供ぽく思えるのは彼女の外見によるものが原因なのだろう。


「ねぇ、あなたのお名前はなんていうのかな?」

「ピィ!」


優しく問いただすとぷちフェニックスは一声鳴いた。

つぐみの言いたいことを理解して鳴いていると思うほど、正確に返事を返す。

それを聞いたつぐみはうんうんと相槌をうっている。


「わかった、ありがとうね」

「ピィ♪」


笑顔でお礼を言うとまた一声鳴いて返事を返す。

やはり、人の言葉を理解しているようだ。


「つぐみちゃん、その子はなんて言ったの?」

「あ、うん! この子の名前はソルだって、言ってたよ♪」


話を終えたとこで、ひばりがつぐみに近寄り、尋ねると笑顔でつぐみが答える。

それに反応するようにソルと告げたぷちフェニックスは羽を動かして一鳴きした。


「へぇ……良い名前だな? なあ、芹」

「………(うんうん、とっても素敵な名前だよね!)」


話を聞いていた龍星と芹香はソルの頭を撫でてほめていた。

炎に包まれている鳥なのだが、なぜか龍星達は熱くないようだ。

気を許しているからだろう。


「今更だが、熱くねーのか?」

「え? 全然熱くないよ? ねぇ、お兄ちゃんに芹ちゃん」


ほのぼのしていると槙一が声をかけて疑問を告げるとつぐみはきょとんとした顔で彼を見つめるとすぐに答え、隣にいる龍星と芹香の方をを見た。


「ん? ああ、べつに熱くないな」

「………(そうだね? 撫でてみたけど……熱いなんて思わなかったし)」


龍星と芹香も触ってはいるが、熱くないようだ。

それに顔をしかめて考えだす槙一の隣で響がある一点を見つめてうずうずしていた。

どうやら彼女のターゲットはソルのようだ。


「みやちゃんもソルちゃんに触っていいのでしょーか」

「みやちゃんも触りたいよね? ボクも同じだよ!」

「です~」


ソルは不思議そうに小首をかしげて響と京を見ており、京の頭の上にいるみーこもソルを熱心に見つめていた。

と、その時だった。


「ちーす! あれ、どうしたんだ?」

「みんなして、なに囲んでるの?」

「わきゅう? 何かいますの?」


結華達が教室のドアを開けて中に入ってきて、不思議そうにつぐみ達の方を見ていた。

来たばかりの彼女達にはなにがあったかなんては知らないのでそのまま歩いてくる。


「わきゅ!」

「くじゅー!」

「はちゅ!」

「あ、ちょ! 三匹とも!」


と、いきなり晃希の左右の肩や頭にいた三匹が降りて、とてて~と上条教諭がいる方へと向かった。

これには晃希も驚いているようで、声をかけるが振り返らない。


「ないない♪」

「かっかー♪」

「ふんぬぅ♪」

「の~♪」

「なぁ~♪」


手作りぽいちいさな机と椅子に座っていたぷにっこ達もソルの方へと走り寄る。

ぷにっこ達の手にはなにやら紙があるように見える。


「つぐぴょん・せりかさん・りゅーさん・ののみ・るーにゃ?」

「る、瑠奈ちゃん。 お願いだから、おろしてよ!?」


瑠奈はひばりを抱っこしたままで不思議そうにつぐぴょん達を見ている。

そしてひばりはそんな瑠奈に必死に抗議していたが、聞こえていないようだ。


「あ、あれ!? つぐぴょん達がなにか持ってるよ!」

「あれは……手紙か?」

「………(にゃ、可愛い便せんつきだね!)」


つぐみがふと、つぐぴょん達の手元に気づくと龍星と芹香も気づいてそちらの方を見て呟いた。

どれも可愛らしいのと勇ましい感じの封筒を持っている。


「でも、どこから手紙を」

「ああ、あれは俺が用意してあげたんだよ。 欲しそうだったからね」


希の疑問に答えるように上条教諭が笑顔で説明する。

そう言ってぷにっこ達に渡した手紙と同じサイズのを見せる。


「だから、いきなり走り出したのか」

「なるほど、しろしろ達が走り出したのも手紙をもらうためですか」

「わふ~……謎がとけましたの!」


富士也は希の隣に来て呟くと白姫の頭を撫でながら晃希も理解する。


「なんか見てるだけで和むけど……それより、つぐみ達の傍にいるのはなんだ?」

「可愛いけど、メラメラ燃えてるよね」


結華が初音と共につぐみ達の傍に来るとソルを不思議そうに見つめる。

ソルは警戒してるようで、羽を広げて飛んで龍星の頭へと降り立つ。


「あー……警戒されてるな」

「う、うん……どこがいけないのかな」


頬をぽりぽりとかく結華の隣で落ち込んだ様子でぼそぼそと呟く初音。

よほど、警戒されたのが堪えたのだろう。

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