第30話 部活見学 改訂
小柄な少女が長身の少年とピンクブロンドの女子生徒が生徒会室と書かれた教室の戸をあけて廊下にでる。
小柄な少女の名前は京で隣にいるピンクブロンドのポニーテールの女子の名は久条院響。おなじくその隣にいるのは遠藤慎一という少年だ。
「というわけでー、部活見学にいくよ~♪」
「たのしみなのです~」
「何がというわけなのか、さっぱりなんだが?」
響は元気に腕をあげて言い、京も心なしかわくわくしているのがわかる。
慎一が呆れながらも響を見て言った。
「もう、シンくんはテンション低すぎー!」
「ひくいのはだめですよ~?」
「お前等のテンションが高すぎなだけだろ?俺は普通だ」
ぶーぶー!とブーイングされながらも慎一は呆れた様子で京達を見た。
そんな会話をしていると……
「あれ、みやちゃん先輩に響先輩に慎一先輩?」
「3人で何をされているんですか?」
「もめごと…じゃ、なさそうですけど」
「あ、つぐちゃーん♪ひばりん♪のぞみん♪」
「よう、相変わらずちいさいな、お前等」
「どうもです~」
つぐみとひばりとのぞみが京達を発見して近寄る。
ここで会えたことにかなり驚いているようだ。
響は会えたのが嬉しいのかつぐみとひばりと希をむぎゅ~と抱きしめている。
「「「ちっちゃくないよ!ちっちゃくないんだからね!」」」
慎一が3人のコンプレックスをつつくと、3人が声を揃えて抗議する。
京は声が揃った3人を見ており、響はというと不思議そうに首をかしげていた。
「いや、ちっこいだろ? ぷにっこもちいさいしな」
「シンくん、ダメだよ! そんなこと言ってからかっちゃ!」
「そうですよ~?さんにんにしつれいじゃないですか~」
3人が抗議しても慎一はからかうのをやめずに笑いながら言う。
そんな慎一の台詞を聞いた響と京は腰に手をあてて慎一を注意していた。
「ないない!」
「の~!」
「お、なんだ? このぷにっこは」
「多分、シンくんの発言に抗議してるんじゃないかな?」
「そうかもしれませんね~」
慎一を足を叩いてつぐぴょんとののみもちっちゃくないよ!と抗議している。
ほわんほわんとした空気があたりをただよっているが、ぷにっこ達はいたって真面目に注意している。
「ですよ~ですです~?」
「みーこ、どうしたんですか~?」
京達がその様子に和んでいるとみーこがいつのまにか京の頭の上におり、じーとつぐぴょん達を見ていた。
つぐぴょん達に興味津々なのだろう。
「ないない♪」
「の~♪」
「です~」
つぐぴょんとののみは視線に気づいて頭を下げて挨拶をしているようだ。
みーこも頭を下げて挨拶をかえしている。
「と、ところで! みやちゃん先輩達はどこかへ行くんですか?」
「はい~…ぶかつけんがくにいこうかとおもいまして~」
「それじゃ、みんなで行きません? 私達も部活をちょうど見に行くところなので。
あ、ひばりちゃんも構わないよね?」
「うん、響先輩に任せるのは不安だし。 賛成だよ」
「あー、ひど~い! ボクだってやればできるんだよ?」
「やっても逆に迷子になるだろうが」
つぐみはこのままだと同じ事のくりかえしだと気づいたのか話を変えるために京に話しかける。京はにこにこ笑顔でこれからの行動を伝えた。
希がそれを聞いてそれなら、というように笑顔で京も誘うとひばりに尋ね、ひばりは笑顔で賛成すると響はむくれながら抗議する。
慎一が響の頭を撫でながら呆れた様子で言うと響は黙り込んで視線をそらす。
「え、えーと…」
「さ、さあ! みんなで行こう!」
「ちょ! 響先輩、階段はこっちですよー!!?」
「そっちだと職員室の方の階段ですよー?!」
「やれやれ」
「おいかけましょー?」
つぐみがどう言おうか悩んでいると耐えきれずにそそくさと歩き出す響。
ひばりと希が響を慌てて走って追いかけ、その後に京と槙一とつぐみも続いて追いかけた。ちなみにつぐぴょんとののみとみーこは京の腕の中で大人しくしている。
つぐみ達が響と出会っている頃…
「……弓道部ね」
「なによ、似合わないなんて言わないよね?」
「だよ~?」
弓道部がある弓道場前に輝とふうかとふーにゃんは来ていた。
呟く輝をじと目でにらむふうか。
外にあるので2人はローファー装備である。
弓道場にいる生徒達からのちらちらとした視線が2人に集まっている。
おそらく、小学生がなんでここにいるのだろうという戸惑いゆえだろう。
「いや、そんなことは思ってねーけどよ」
「どーだか、輝はとことんわたしをいじるからなぁ」
「だよ~」
慌てて否定するが、ふうかとふーにゃんは信じていないようだった。
「こんにちわ、可愛い妹さんね?」
「いや、ちが「違います! こ、こんな奴の妹じゃないです!」おーい」
弓道場から一人の女子生徒が出てくるとにこやかに聞いてきたが、ふうかを輝の妹だと勘違いしたようだった。それを即座に否定しようとしたら、ふうかに先をこされてしまった。
「そ、そうなの…」
「だよっ!だーよ!」
「あ、ごめんね。 ふーにゃん、感情がたかぶって」
女子生徒がふうかの気迫に苦笑いしているとふーにゃんがふうかを宥めるように声をかけた。ふうかはそれで我にかえり、申し訳なさそうに俯いた。
「え、謝るのはふーにゃんにだけなのか?」
「輝に謝るようなことしたっけ?」
「そりゃねーよ…」
「だよ~」
輝がふうかを見て言うときょとんとした様子でふうかが全然心当たりがないように見つめる。それにがっくりと膝をつく輝がさめざめと泣いていた。
ふーにゃんはふうかを呆れたように見上げている。
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