第13話 休憩~ 改訂
異常なモンスターなどの出現に騒動がおきたが、雅達のおかげで無事終わった。
それからいくつかの歳月がすぎてのことだ。
「交換学生がここにくることになったんだって」
「へぇ?ここに来るなんて物好きやな」
「深紅がいう台詞じゃないと思うんだが」
初音・深紅・結華は休憩時間の時にこの学園に来ることになった生徒達の話をしていたのだが、結華の意見もごもっともである。
ちなみに初音達は学園にあるカフェテリアに来てお昼中である。
「そんなことより、初音はそれだけで足りるん?」
「話をそらしたね?ま、いいけど。いつもこれくらいだよ」
「それでもサンドイッチと紅茶だけというのは」
深紅がそう言うと初音は別に気にしたふうもなく答える。
結華も初音の食事量を見て心配そうである。
「ま、いいじゃん。それより、どんな人なんだろうね?」
「ここにくるから変わった人やろ」
「そういえば、うちの学校からは誰がでてくんだろうな」
初音がこれからくる人物が楽しみなようで言い、深紅はたいして興味なさそうに告げると結華の呟きに硬直する。
そうなのだ、交換とはこちらの学生とあちらの学生を交換することなのだから。
そう考えるのが妥当だろう。
「どうかしたの?」
「千秋、もう用事はすんだのか?」
暗い雰囲気になりそうな時に声をかけられた3人は振り向いた。
そちらを見ると千秋がおり、やはり黒いローブを着ている。
じろじろと千秋を見る連中がいるが、千秋は気にしたふうもない。
慣れているのだろう、連中のような視線に。
「うん、そんなにすることなかったし」
「そうか…。あ、またあの菓子あるか?」
にっこり笑みを浮かべる千秋にほっと安心する結華。
ふと思い出して尋ねると
「あるよ?どれがいいかな」
千秋が頷いて答えると菓子がはいった袋を取り出してテーブルに置く。
千秋の父がよくお菓子を作る為に千秋もそれが得意になったらしい。
「じゃあ、これかな」
「蝶の形をした菓子だね、わかったよ」
結華が袋の中身を見てそう言うと千秋は笑顔で頷いてそれを結華に渡す。
ちなみに彼が作る菓子は美味しいので人気なのだ。
「神埼さん達は?」
「じゃあ、わたしはコレ!」
「わっちはこれやな」
千秋の問いに初音はアイスの形をした菓子を取り、深紅はバタークッキーを取る。
それぞれ、袋にしまうと鞄にいれると食事に集中する。
*****
「ここにこんな大きなカフェテリアがあるとはな」
「マンモス高なだけはあるよね」
万里達もカフェテリアにおり、それぞれとってきてテーブルに座っていた。
瑠奈は食事をのせたトレイをテーブルに載せて言う。
「ここにくる人数も多いしな」
「弁当持参してここで食べても問題ないみたいですしね」
富士也と日奈が椅子に座って紅茶を飲んでいた。
いつから紅茶を持ってきていたのだろうかは不明である。
「「ねえ……瑠奈ちゃん。」」
「あのさ…瑠奈さん」
「どうしたの、つぐみにふうちゃんにひばり?」
ふいに声が聞こえて瑠奈がそちらをみると尋ねた。
なぜかつぐみとふうかとひばりは瑠奈の膝の上にいた…いや…座らされているといえばいいのかもしれない。しびれないのだろうかということは突っ込まないでいただきたい。
「どうして、あたし達は瑠奈ちゃんの膝の上なんだろう?」
「つぐみとふうかちゃんとひばりの抱き心地が良いから♪」
「「それ、答えになってないよ!?」」
じっと見つめるつぐみとふうかとひばりに笑顔で答える瑠奈。
それにツッコミをいれるふうかとひばりがいたのはいうまでもないだろう。
「わきゅ~♪」
「しろちゃんは元気だね~」
ちなみに白姫は希にすりすりと甘えている。
希自身も甘えてもらえるのは嬉しいようでそのままだ。
「平和だな……」
「………♪(そうだね、りゅうくん)」
龍星と芹香もまったりモードでカフェテリアにいた。
「なんか場違いだよな」
「同感だ」
「ま、いいじゃないですか。幸せそうなんですし」
輝と一晃達はその光景を見て呟くが、晃希だけはほほえましそうに見つめていた。
優しげに白姫を見つめている辺り、あんまり気にしていないようだ。
「あ、そうだ。秀久」
「飲まないからな」
万里が声をかけると即拒否の態勢になっている秀久。
いつでも逃げれるようにスタンバイしていたのだろうか?
「まだ、何もいってないんだがな」
「万里の考えそうなことを予想しただけだ」
万里がじりじりと近寄る度に下がる秀久。
万里の手にはあるドリンクが存在している。
「あいつらはほっといていいのか?」
「いいんじゃないかな?」
富士也がそう瑠奈に聞くと瑠奈はしれっと答えている。
今はつぐみとふうかとひばりを愛でることに集中したいようだ。
「私が止めてきます」
「………(日奈ちゃん、手伝おうか?)」
ハリセンを取り出す日奈に芹香が近寄ってピコハン装備完了。
いつからハリセンとピコハンを取り出していたのだろうか?
「いつも思うんだけど、どこから取り出してるんだろうな」
「……わからん」
富士也の呟きに輝が苦笑いして答えた。
たとえ、聞いても「企業秘密」という言葉が返るだけだろう。
「飲んでたまるかあぁぁぁぁっ!!」
「なら、つぐみに先に飲ませるか」
走る瞬間に万里の呟きを聞いた秀久は動きを止めた。
いくらなんでもそれは避けたいと思ったのだろう。
「あんまり、秀久をいじるなって」
「あ、龍星さん」
苦笑いしながら龍星が割り込んで万里からドリンクを没収した。
気配をけして来たのだろう。
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