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プロローグ
短編だったものをアドバイスにより、見易くするために連載にしました。
項目ごとに分けただけなので、内容に大きな変更はありません。
この作品が少しでも、読まれた方の胸に足跡が残せればと願っています。
闇は僕を覆い隠していた。僕は息を潜め、闇へと溶け込む。
まるで、その一部かのように。
『独りじゃないよ』
闇の中に、僅かな光が見えた。
小さな光なのに、それは僕にはとても眩しかった。眩し過ぎた。
だから、君が恐かった。
だから、君の光が消えてしまったことにも気付けなかった。
僕は、何も変わらなかった。変われなかった。
今さらながら、闇の中から這い出そうともがく。だけど君がいない今、僕にその力はない。
僕は、君を知って、光の温かさを知ってしまった。
君がいけないんだ。僕に手を差し伸べた君が。
この気持ちを何処に置けばいい?
捨てようとしても、溢れ出てくる君への想い。
教えてくれ。ほたる…