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勇者専科の傾奇者  作者: 金子よしふみ
第二章

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ペーパー試験

 勇者は時に目的によって単独行動をしない場合がある。すなわち他の複数の職業たちとパーティを組むのである。それは学園にいれば否応なく魔法使いや賢者たち、あるいは騎士たちとのパーティを意識せずにはいられない。となれば、複数間の連携やそのための円滑なコミュニケーションや、あるいは意思疎通が必要不可欠となるわけだが、そうした組織論やリーダーシップ論といった座学は、当然課程の中に含まれている。座学ばかりではない。基礎体力を育成する授業や魔法の授業と言った科目では合同授業の形態をとる場合がある。それはまさに今後の専門的学習を念頭に置いたカリキュラムであり、座学だけではおそらくピンとこないであろう身体的運動的感触を体験するには格好の内容である。

 そんな専門科目はまだだとしても入学して各科目を受講していれば、当然ペーパー試験も行われる。悲喜こもごもが教室内に散見されるわけだが、教師から返却されたユカブキの試験用紙をのぞき込んだゼッターが、

「はぁ、ユカブキはすごいよ。魔法が使えないのをめげない上に、こうして試験の成績もちゃんと残してるんだもんなあ」

 深いため息をして、教師からチェックを入れられた自分の用紙に目を落とす。

「ユカブキを見習ったら? 励むってのはこういうことよ。それとも私が教えてあげましょうか」

 クゥエルは鼻高々で追撃のダメージをゼッターに食らわせる一方で、

「いや、逆に言うと、試験をちゃんとしないと、本当落第になりかねないから」

 ユカブキはゼッターをフォローしたつもりだ。だが、

「何に対して逆に言うとなんだよ。俺だって全く勉強してないわけじゃないんだぜ。結果が伴わないっていうかさ」

「愚痴ならユカブキの方がしたいはずよ。魔法実習、全然結果が出なくても鍛錬を欠かさないじゃない。それをあなたは何よ、情けない」

 単にぼやきたいだけであろうゼッターに対して、クゥエルは容赦がない。そのうえ、ぜったーにダメージを負わそうとわざと言っているのだろうが、発言の一部がユカブキへの婉曲的な攻撃になっている自覚がない。ユカブキは苦笑いしながら、

「ほら、もう先生が授業始めるから聞こう」

 話題を変えるしかなかった。


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