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とある実技授業で
ある実技授業の時である。すっかり体裁を保つことをまるで拒否したかのようになった教師エミールが
「勇者は魔法使いではないから、やたらめったらに使える訳じゃねえから」
と実技前に整列している生徒たちの前で藪から棒に言ったのも、ユカブキへのフォローだったのかもしれない。
ただ、その授業の終わり際、やはり整列している中で、ユカブキをちらりと見てから、
「よくもまあ、名は体を表すように育ったもんだ」
と嘆くように言った。
「先生、それはどういう意味でしょうか? ユカブキを侮辱する意図でしたら」
即座に教師へ問うたのはユカブキ本人ではなく、同じ専科のクゥエルorゼッターだった。
「いや、むしろ感心してる方だ」
「どういうことでしょうか?」
落ち着きを無くすのはユカブキばかりではない。生徒たちがエミールが何を言いたいかくみ取れずに戸惑っている。
「なにせ、カブキってのは、古の言語だと風変わりな者って意味なんだぜ。ユカブキに合ってると思わないか」
一同のざわめきは疑義ではなかった。むしろ、博識たる教師への感心とユカブキへの同情みたいな感情が混ざり合ったものだった。




