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非合法探偵  作者: 狩瀬
第一章
7/25

6 歓迎

「相変わらずわかりにくいですねぇ、この家」

水無瀬は昨日と同じくこのとてつもなく入り組んだ路地を通り、一条のすみか兼探偵事務所へ赴いた。

道は覚えていたので、昨日の半分の時間で到着することができた。

ガラガラと扉を開け、中に入…ろうとしたが、水無瀬は数メートル後ろに下がり助走をつけ、サッシのところで踏み切り、跳躍した。扉から3メートルほどの場所に着地した。そこから止まることなく椅子を足場にし、階段に向かって跳ぶ。床に置いてある本の山に手をつき、片手で倒立した。片腕の力で本の山を押し、くるりと回って階段に着地する。


「…なんで室内にこんな沢山の落とし穴作れるのでしょう」

そう呟きながらゆっくりと階段を登って行った。額には汗が滲んでいる。

「久しぶりですよこんなアグレッシブなうごー

階段の床が抜けた。

水無瀬は悲鳴をあげる暇もなく、階段の下にある落とし穴へと吸い込まれていった。

落とし穴の作者はこう思った。まさか部屋にあるほとんどの落とし穴はダミーで、階段の下のやつだけが本物なんて、誰も思わないよね。


「うわっ何も見えない!世界が白い!グラサンが白い!」

視界がゼロの水無瀬は慌てふためく。

全身を粉まみれにしながら、在らん限りの声量で叫んだ。

「一条さぁーん?!梯子、梯子持ってきてください!」

「大丈夫かい水無瀬くん」

すぐ横の物置の中で待機していた一条は、ハシゴを持って水無瀬に駆け寄った。絶対に粉がつかない完全防備だった。

その後、数分間かけて水無瀬は落とし穴から這い上がった。


「…まぁ、これも私なりの歓迎だよ」

「どこがです?」

「君のために小麦粉代と発泡スチロール代をかけたんだよ。これが歓迎以外のなんだっていうんだ」

それにね、と一条は言った。

「落とし穴のおかげで君の異能もわかった。まぁ、君は落とし穴に落ちることができて、私は君の異能がわかった。Win-Winだよ。Win-Win。」

「どこがです?」

先ほどから、水無瀬は全身真っ白の状態のまま、一条は毒ガス室に入るかのような完全防備のまま、この調子で言い合っていた。

「まぁ、この格好でいるのもなんだし、私着替えてくるよ。水無瀬くんは…2階にシャワーあるから使ってくれていい。ついでに風呂掃除しといてくれ」

そう言うと、そそくさと去っていった。


今の所推理要素ゼロですね。どうしましょう、このままジャンル詐欺になってしまったら。

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