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非合法探偵  作者: 狩瀬
第一章
22/32

21 物体操作

「殺…す?何言っているのですか?!その人は組織とも一条さんとも関係ない一般人!!無駄な殺しはあなたが最も嫌うことのはず!それなのに何故!」

ハァハァと息を切らしながら水無瀬は叫んだ。

「…こうでもしないと一条くんは名乗り出てこない。彼女を生かしてはおけないんだよ」

死んだ魚のような目で訴えかけた。

手の中の小刀にグッと力を入れ、無関係な一般女性というていの一条に突きつける。

一条は落ち着いていた。その顔には微塵の焦りも見えなかった。当然である。小刀一つ突きつけられたくらいでパニックになっていては、裏社会で生き残ることはできない。

だがここまで平然としていては逆に疑われてしまう。

一条も同じことを考えたのか、途端に表情を変えて声を上げ始めた。

「ひゃ!や、やめて下さい!離して!だ、誰か!助けて!」

今にも泣き出しそうな迫真の演技。身をよじり手足をばたつかせどうにか拘束を解こうと試みるが、この程度首領は痛くも痒くもない。小刀を持つ逆の手で一条の両手首を掴み,頭の上に上げた。ついでに片足を絡めて固定し、一条は完全に動けない状態となった。

「離して!やめっ

「五月蝿いよ。あまり暴れないで」

冷淡な声で言うと、握っていた一条の手首を放し、体を半回転させて回し蹴りを放った。

「ぐはっ」

一条は軽々と吹き飛ばされ,壁に叩きつけられた。

真っ白な壁に赤黒い血が飛び散り,まだら模様を作る。

吹き飛ばされた勢いでしばらく上を向いていたが、やがてぐったりと項垂れ,銀の髪飾りが音を立てて床に落ちた。

身体は動いていないが意識はあるようで、見開いた目だけがこちらを向けている。


…気づけば、水無瀬は首領の方へ一直線に走り,殴りかかろうとしていた。思い切り振りかぶり,引きつけられるように拳は首領の顔面へと向かう。

「入った」

そう思った。

が。


拳は木の板により完全に止められていた。よくよくみると会場のバーカウンターにあるテーブルの天板である。足と固定されていた部分は折られ、宙に浮いていた。いつまで立っても落下しない。物理法則を無視した現象。

これはー

「異能力ですか」

「大正解だ」

首領はにいっと笑った。


非合法組織「残影」の首領、月夜野 零。

能力:物体操作


面白い後書きかきてぇよ!

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