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序幕
カーテンの隙間から差し込む光で、青年は目を覚ました。
のそのそと布団から這い出ると、普段通り顔を洗い、普段通り髪の毛は放置し、普段通りにワイシャツに肩を通した。
そして真っ黒なネクタイと黒いズボンを身につけ、腰に濃紺色の上着を巻いた。
古ぼけたポットでお湯を沸かし、即席珈琲を淹れる。青年は微笑みながら角砂糖をいくつか放り込むと、フォークでかき混ぜながら窓際へ向かった。
ココアと化した珈琲を口に含み、窓の外を眺める。
そこには、小鳥が囀り、少年たちの笑い声が聞こえてくる、なんとも平和な光景が広がっていた。
「今日はいい日になりそうだね」
遠い景色を眺めながら、青年は呟いた。
私の妹は昔、牛乳9:コーヒー1のような割合でコーヒーを飲んでいました。