親友とその弟とお泊り会①
僕―透は今日、とても嬉しいんだ。
なにせ親友の家で久々のお泊り会をするからだ!
きっかけは僕の何気ないお泊り会したいなーだった。
「伊月!荷物まとめてやって来たぜー」
「あっ透さん。久しぶり」
伊月の弟の悠誠君が出迎えてくれた。
「悠誠君。気づけば僕と身長変わらないね」
「透さんのこと、もうすぐ抜くから」
「あぁそうだな」
「透!ようこそ」
「なんか伊月、気合入ってんな」
「そりゃあ好きな…親友が来てくれたら嬉しいから」
好きな?って一瞬、聞こえた気がしたけど。
親友ってことだよな。
伊月って学校では穏やかだけど僕や弟の前では凄く自分らしい。
思った事をはっきり言うってことだよ。
「透さん」
「ん?どうかした?」
今日なんか悠誠君、緊張している?
僕が来るの迷惑だったかな。なんて考えていると
「今日、僕の部屋で寝てよ」
はい?伊月の部屋で寝る気満々だったんだけど。
っていうか悠誠君どうかしたの?
「えーと、なんで?」
困惑しながらも僕はそう尋ねた。
「兄さんと寝るのはよくないと思うからだよ」
「おい!悠誠お前なにさらっと俺の邪魔してんだよ」
「僕は僕のしたいようにするって言ったでしょ」
よく分からないが兄弟喧嘩が始まった。
「なぁ二人とも落ち着きなよ」
「透は俺と寝るよな!」
「透さん!僕と寝て!」
あぁもう・・・
「三人で寝ればいいだろ!」
二人が大声で言うから僕まで叫び返してしまった。