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たった一人の友
俺―渚は今日も考えてしまう。
栗原とのことを。
昔はとても仲が良かった。
親友と呼べるほどには。
だけどあいつはどんどん友達を増やしていく。
俺はどんどん女を作っていった。
あいつが友達を作れば作るほどに。
男友達なんてあいつくらいしかいなくて。
栗原が夏川のことが好きだと知ったとき驚いた。
ノートにぎっしり書き込まれた観察日記。夏川への想い。
引いた。
憧れは一瞬にしてくずれおちた。
親友をやめても憧れだけは消えていなかったのに。
親友じゃなくなったのはあの日。
あの夏の日。
思い出したくない。
だから、そっと忘れることにする。
別に栗原が嫌いなんじゃない。
でも、栗原がそう思うならそれでいいんだ。
それが都合、いいから。
憧れが壊れたって親友じゃなくたって俺にとって栗原は―
たった一人の友だよ。
晃と渚の間には一体なにがあったんだろうな。
近いうちに書きたいと思ってます!