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友達でライバルで親友だった二人
僕―栗原 晃は今、水野と休日を共にしている。
「なぁ水野。透君のこと好きだったなんて聞いてないんだけど?」
「なんでいちいちお前に報告しなくちゃならねぇんだよ?」
「僕が好きだって知っているくせに、なんで」
「はぁ?お前が好きだからなんだよ?」
「僕達、友達でしょ?」
「友達の好きな人を取らないなんて誰が言ったんだよ?」
「水野は、渚はそんな奴だったなんて知らなかった」
「もうお前は俺にとって友達でしかねぇよ」
水野の言葉が刃物みたいに刺さる。
昔は名前で呼び合う親友だったのに。
幼馴染だったのにな。
今じゃただの友達・・・
僕は今でも渚のことを親友だと思っているんだけどな。
伝わらない言葉と彼のもう帰るでシンと静まる部屋。
なんでこうなっちゃったんだろう。
僕はただ、渚ともう一度上手くいきたいだけなのに。
水野は俺の事をもう見てくれない。
好きな人まで取ろうとしている。
きっと僕は彼に嫌われてしまったのだろう。