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水野先輩と放課後デート

僕ー夏川 透はいつものように下校していた。

親友の伊月は今日は部活で一緒に帰れない。

仕方なく一人で帰ろうと門を出た時だった。

水野先輩に出会った。

そのままスルーして帰ろうとしたら腕を掴まれた。

「なんですか?」

仕方なくそう聞く。

「夏川、よかったら今からデートしないか?」

それってつまり…?

「あっ!放課後デートですか?」

「まぁそんなところだ」

「んーどうしよっかな」

「悩むくらいなら早く行くぞ」

そう言って水野先輩は僕の手を引いて行く。

着いたのは近くの公園だった。

「何するんです?」

「ちょっと待っててくれ」

「はーい」

青い空を眺めて待っていると缶ジュースを持って水野先輩はやって来た。

「これ」

そう言ってカフェオレを渡してくれる。

「ありがとうございます」

僕がそう言うと彼はほんの少し笑った。

はじめの印象は何だこの強引な奴らって思っていた。

だけど…栗原先輩も水野先輩も案外、一緒に居て心地いい。

不思議だな。

赤松や二葉や白浜君ともこれから案外、仲良くなれるのかもな。

それが嬉しいのは…きっと彼らの事を僕が受け入れ始めているからなのかな。

水野先輩は口数はあまり多くない。

だけど二人で過ごすこの瞬間が心地いい。

「水野先輩」

「なんだ?」

「帰宅部なんですか?」

「あぁ」

「なら、また一緒に放課後…過ごしたいです!」

恥ずかしかったけど言えた。

水野先輩は静かに微笑し頷いてくれた。

そして、水野先輩の手が僕の手に重なる。

心臓が跳ねる。

顔に熱が集まる。

どうして、こんなにも心臓が脈打つんだ。

きっと水野先輩が僕を割れ物に触れるみたいに優しくするからだ。

でも、それだけではないのかもしれないな。

だけど、今はこうして居たいなって思った。

気付けば僕も水野先輩の手を握り返してしまっていた。

これっていわゆる恋人繋ぎってやつだよな?

まぁいいや。

今はデートなんだから。




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