親友とその弟とお泊り会②
僕の一声で二人は大人しくなった
なんでだ?
まぁ、それはさておき・・・
今僕は伊月と悠誠君にはさまれて寝ている。
悠誠君は腕にしがみついてくるし
伊月は頭なでて来るし
何かちょっとドキドキする。
いくら親友といえど距離の近さが何か変な気がするんだ。
悠誠君はまぁ、小6だし甘えてんのかな?
そんなこんなで僕はなかなか寝付けない。
「透は俺が守るから」
ふと伊月からそんな寝言が聞こえて来た。
えっ?
心臓がドキンとはねたような鷲掴みにされたような気分になる。
「透さんを守るのは僕だし」
悠誠君からも寝言が聞こえてくる。
守る?
なにから?
あの変人五人のことか?
二人が何を考えているのかちっともわからない。
ただ一つ言えるのは・・・
僕が二人に守ると言われて嬉しかったこと。
よくわからない気持ちが見え隠れしたことだ。
そうしていつの間にか眠っていたようで朝が来る。
「おはよう透」
そう言って僕に笑いかけて来る伊月にまた心臓が跳ねる。
昨日の夜から僕はおかしくなってしまったようだ。
「透さんおはよう!」
悠誠君の飛び切りスマイルに癒される。
明日からはまた学校。
あの五人達と僕はどう関わっていけばいいのだろうか?
下手な真似して墓穴は掘りたくない。
とりあえず流されるしかないような気がした。
それにいざとなったらこの二人を頼ってもいいかな。
「なぁ伊月、悠誠君」
「「どうした?」」
心配そうに顔を覗き込んで来る二人を見つめながら僕は意を決し
「あの五人のことで悩んだら二人のこと頼ってもいいかな?」
そこで、悠誠君は知らないんじゃないかと気づき
「悠誠君は知らないと思うけど」
「兄さんから聞いてるよ」
意外にも悠誠君は知っていた。
二人は優しく微笑んでくれ
「俺でよけりゃいつでも頼れよ」
「僕はいつでも透さんの味方だよ」
と言ってくれた。
この二人がいるなら・・・明日の学校も超えられる気がした。
帰り際に伊月が「俺がいるから大丈夫だよ」と耳元で言われた。
なぜかとても頬が熱くなった。
この気持ちは何なのだろうか?
僕はこれからどうなっていくのだろうか?
まだまだわからないことだらけだけど、きっと大丈夫だろう。