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6話

この物語は、日本を舞台に作られておりますが、並行世界(パラレルワールド)としての日本という設定になります。


現実世界とは、似て非なるものとして作品をお楽しみ下さい。


また、この作品に登場する人物や、国名、地名、政党名、政治内容など全てフィクションです。

Fan!Fan!Fan!


部屋の中に警告音が鳴り響く…。


「緊急速報です。ノコーシュから発射されたミサイルが、伊勢半島の西側、駿台湾沖に落下したとみられます。」


「繰り返します。ノコーシュから発射されたミサイルが、伊勢半島の西側、駿台湾沖に落下したとみられます。」


「殆ど本土じゃないか!ノコーシュめ、どういうつもりだ!防衛省へ向かう。セバス!」


「はい。大旦那様。」


父とセバスは、ノコーシュからのミサイルの対応の為に、防衛省へ向かうことになった。父は、慌てて身支度を整えている。セバスは、身支度自体が不要である為、父の着替えに全労力を割いている。ネクタイを締めさせて、スーツを羽織らせる姿は、執事そのものである。


「よし、良いぞ。セバス、行くぞ!」


「承知しました。大旦那様。それでは、転移魔法"テレポート"」

「おい、ちょっとま…」


Shun!


「行ってらっしゃーい。」


(全く慌ただしいなぁ。それにしても父さんは、テレポートが嫌だったのでしょうか。なんとなくそんな風に見えましたが…。)


父さん達は、防衛省でその後の対応に追われるようだ。ノコーシュへの事実確認や、安全保障上の懸念事項の呼びかけや再発防止。自衛隊への対応。航空機や船舶の安全状況の確認。国民への状況報告など、色々なことに関して気にかけて、対応して行かなくてはならない。


それにしても、今回のノコーシュの行動は理解できない。本土に落ちる様なことがあったら、最悪戦争になる可能性も否定できないからである。ただし、そうなった場合でも、専守防衛を掲げている日本にどれだけのことができるのか、非常に疑問である。


本土からたったの10キロしか離れていない地点に落下していたのだ。わざとなのか、失敗の結果であるのかが気になる所である。どちらにせよ、今後は明確な対応が必要になるだろう。父さんは、議員として、贔屓目(ひいきめ)無しに有能な人物だと思う。しかし、現在の憲法による制約が枷となり、父さんの手腕でも、有効な策を講じることは非常に困難だと言えよう。


(やはり、私がやるしかないのでしょうかね。でも、どうしましょう。私に何ができるのでしょうか。父さんの話では、発射されてから10分もしないうちにこちらに到達するらしいですし…。)


《マスター、それでしたらスパレをノコーシュ上空の準空間に複数個配置しましょう。既存の自衛隊レーダーより正確で、情報を素早くキャッチできる筈です。》


《天ですか。そうですねぇ。あっ、それならば自衛隊レーダーから情報収集せずに、最初からスパレから収集するようにしていた方が良かったですかね。》


《肯定します。スパレは、自衛隊のレーダーよりも優れておりますので…。》


《ですね。ノコーシュの件が終わったら全てスパレに置き換えますよ。では、スパレで収集した情報を元に、(じか)にミサイルへ飛べば、ミサイルは止められますかね。》


《マスター、否定します。確かに戦闘機ならば、飛行魔法"フライ"と転移魔法"テレポート"の併用で捕まえられます。しかし、ミサイルは戦闘機より遥かに速度が出ていますので、恐らくそのまま転移しても、遙か先の方まで進んでしまっていることでしょう。》


《うーん。そうですよね。参ったな…。》


《…考察中…。》


《マスター、一つ提案がございます。時空魔法"異空庫"を使うのです。スパレの精密な座標情報と脳内マップを併用し、ミサイル通過点を予測し、そこに異空庫を遠隔発動するのです。一キロメートルの誤差範囲内でしたら、そのまま異空庫で捕獲収納が可能です。》


《ということは?》


《はい。スパレさえ設置してしまえば、家にいながらミサイルの脅威を排除出来、同時に敵のミサイルも入手できます。》


《はい、決定!》


《マスター…きちんと考えて頂いてますか?》


《勿論ですとも…。それで、ミサイル捕獲までの段取りは、全て天にお任せしても大丈夫ですか?》


《マスター、勿論大丈夫です。》


《それは助かりますねぇ。是非お願い致します。》


ノコーシュからこちらへ向かってくるミサイルへの対応は、天が提案した内容を採用し、天が実行してくれることになった。ミサイルは、いつ飛んでくるかわからないので、私よりも天が対応するのがベストだと思ったからである。これからスパレをノコーシュの上空の準空間へ配置する作業を行う。


天が言っていたスパレというのは、かつて賢者だった頃に使用していた魔道具で、異空庫内に大量に保管されている。正式名称は、魔道具スパイレーダーという。スパレは、情報魔法"探知"や情報魔法"分析"を設置付与されており、敵情の把握を目的に使われている。そして、通信魔法"リンク"を使うことで、遠方にあるスパレから瞬時に情報を得ることができるのである。


準空間とは、我々のいる空間に隣接する亜空間のことを指しており、魔法によって人為的に作ることが可能である。こちらの空間からは認識はされないが、こちらに干渉することはできるといった特性を持っている。この準空間を使うことで、長期に渡って、相手に知られること無く、情報収集が可能となる。


ーーー


(ノコーシュ上空)


「さてと、準備くらいは私がやらないとですよね。天が割り出したポイントだとこの辺りでしょうか。」


私は、現在転移魔法"テレポート"を使用してノコーシュの領空に来ている。ノコーシュの領土の最北端にあたる場所である。姿が見つかると対空砲の餌食になる可能性があるので、隠蔽魔法"インビジブル"を使用してからの作業となる。


まずは、準空間の作成である。スパレを設置するだけの小さな亜空間で良いので、非常に簡単な作業である。私は、時空魔法"準空間"を発動する。この準空間は、術者か、術共有している者しか認識できないように出来ている。また、この地点を物体が接近したとても、亜空間に存在している為に、接触することはない。非常に使い勝手の良い魔法である。


その後、私は準空間にスパレを設置して、別のポイントへ移動する。移動ポイントについては、天が情報魔法"探知"の有効範囲を考慮して全てが網羅できる箇所を指定してくれている。私は、マップ上の指定ポイントに行って作業するだけである。


(天さん、本当に有能。)


《マスター、恐縮です。》


天は、有能だが、私の心の声も筒抜けなのがちょっとね…。私は、ノコーシュのミサイル対策の為に、24箇所にスパレを設置して帰宅したのだった…。


ーーー


《北嶺邸 同日20時》


「父さん、そちらはどうでしたか?」


「ああ、色々大変だったぞ。ノコーシュには、国連を通じて説明要求と謝罪要求。非難声明などの対応をした。同時に国民への説明もだ。マスメディアの質問の嵐には参ったな。それから、自衛隊幹部や防衛省幹部を集めての対策本部の設置など、まだまだこの件は色々やることが目白押しだ。」


「それは、お疲れ様でした。防衛省のトップですから並々ならぬ重圧がおありでしょう。」


「ああ。大変だが、自分のやりたい事がある程度やれる様にはなったな。業務量は、副大臣とは比べものにならんがな。」


「私も、少々策を講じた所です。」


「何だ。何かやったのか?」


「はい。このやり方が上手く行けば、ノコーシュからのミサイルは、ほぼ封じ込められるでしょう。」


「おい、おい。あれを封じ込めれるだって?そんな馬鹿な…いや、未瑠叶なら…。で、何をやらかしたんだ?」


「父さん、やらかしたとは人聞きが悪いですねぇ。魔法によって、独自の探知システムを構築して、異空庫に直接捕獲してしまうんですよ。」


「そんな簡単に言うが、極音速ミサイルだぞ。我が国のミサイル防衛では、正直厳しいとしか言いようがない状況なのだが…。」


《マスター、ノコーシュの弾道ミサイルNK07の発射を捉えました。》


《了解。ミサイルの捕獲に当たって下さい。》


《承知しました。通過予想座標の分析完了。》


「父さん、どうやらまた発射されたみたいですよ。」


「何だと!?そんな情報は、まだ届いていないぞ。」


「父さん、落ち着いて下さい。こちらの探知機能の方が上なだけです。」


《異空庫を展開します。》


「俄に信じられんな。」


《ミサイルが異空庫に接近中…。》


《ミサイルの捕獲が完了しました。任務を終了します。》


「ただ今、ミサイルを異空庫の方に捕獲しました。もうこちらに向かって来ません。ご安心下さい。」


Fan!Fan!Fan!


JJアラートの警報が鳴り始める。


Ririri!Ririri!Ririri


同時に父のスマホに着信が届く。


「もしもし。ああ、私だ。そうか、やはりな。うん。うん。」


「え!消えた!?ああ。なるほどな。分かった。今から向かう。」


「防衛省では、ミサイル発射を確認するが、突然レーダーで捕捉出来なくなったとの話だ。未瑠叶が言っていたことが正しい様だな。だが、何と説明すべきか悩むな…。セバス!」


「はい、大旦那様。ここに。」


「うわぁ。いつも突然現れるな。」


「父さん、セバスは、準空間で呼ばれるまで待機していますからね。」


「準空間?まあいい。セバス防衛省へ急ぐぞ。」


「承知しました。転移魔法"テレポート"」


「じゃあ、母さん、未瑠叶、行って…」


Shun!


父は、防衛省に行って状況の確認と、国民に向けての報告があるのだろう。本当に忙しそうだ。


ーーー


《北嶺邸 20時42分》


私は、母とリビングでテレビを見ている。父が会見に登場するからである。テレビでは、父が状況の説明に姿を現した。


「本日、20時09分にノコーシュより、弾道ミサイルが一発、発射されました。しかし、20時15分頃、ミサイルは、新日本海上で消息を断ちました。詳細は調査中で不明です。航空機や船舶には被害はございませんでした。」


「大臣!ミサイルが消息を断ったとはどういうことでしょうか?」


「そうですね…途中からレーダーからの反応が消失しました。途中で墜落した可能性があります。現在、調査中です。」



「お父さんも大変よね。さっきまでそこでお煎餅かじっていたのにねぇ。」


「父さん、私がミサイルを捕獲したとはとても言えないでしょうね…。」


「未瑠叶。お父さんを助けてあげてね!あなたが頼りなのだから。」


「はい。勿論です。」


父さんは、本当は私のことを正直に言いたいのだろう。しかし、言った後の反響は計り知れない。きっと、そのことがわかっているから口を(つぐ)んでいるのだろう。やはり、しばらくは秘密裏に行動するのが良さそうだ。


逆にノコーシュは、今回の結果をどう捉えているのだろうか。迎撃されたと慌てているのか、失敗したと思っているのかは、不明である。ただ、確実に言えるのは、今後もまだミサイルが飛んでくると言うことだけだ。他国の動きも踏まえて、まだまだ油断できない状況であった…。


ーーー to be continued ーーー


◇◇◇ 読者様へ ◇◇◇


お読み頂きありがとうございます。今後の執筆活動のモチベーションに繋がりますので、ブックマーク登録や、↓の☆☆☆☆☆のご評価を頂けましたら幸いに存じます。

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