第1話
本日3本目です。
「お前らのような犯罪者予備軍を戦力としてカウントしないといけないとはな」
と最前線指揮官はぼやくような口調で言いやがった。
「気に入らないなら俺たちは即退去してもいいんだぜ。前線がどうなろうと俺達には関係ない話だからな」
「ッチ」
舌打ちだけして顎で出ていけと指示しやがった。
俺とこの豚では階級は俺のほうが書類上上なのにだ。
まあおかげであいつの横にいる美人副官はおろおろしてるが・・・あいつ絶対好みで副官選んだな。こういう時止めるのが副官の仕事の一つだと思うが全くできていない。
ここに来るたびこんな感じだ。まあ公の場で上官を顎で使おうとしたんだ。こっちもイラつく。
「お前、いい加減しないとマジで前線もろとも消し飛ばすぞ」
「ハン、無能者が吠えるな。魔法の一つも使えないゴミどもが‼」
「OK、それは俺たちに対する宣戦布告ととっていいんだな?」
「お前らに何ができる?魔法が使えず、あの犯罪者が作ったならず者の集まり、烏合の衆程度の奴らが‼」
「戦争がお望みと・・・いいだろう。その戦争に乗っかってやろう。俺もあいつをここまでコケにされて黙ってられるほど大人ではなんでね!」
俺はポケットから無線機を取り出そうとして、
「待ってください‼」
と総司令の副官が止めてきた。やっと機能しだしたか?
「なんだ?これから戦争準備で忙しんだが」
「いっいえ、私たちとの戦争は勘弁してください!」
「宣戦布告されたのは俺らだ、なのに戦争は勘弁してくださいだと?」
「はうう えっと 私たちはこの最前線基地を失うわけにはいけないと王女殿下から言われているのです。それに・・・あなたたちの兵器の威力を王女殿下からうかがっています。それでこの基地なんてすぐになくなることも」
「っな⁉」
副官の言葉に司令官が絶句する。
もしかしてマジで俺らの力のこと知らないのか?
「だからお願いします。この豚は王女殿下にお伺いを立てて更迭しますので」
ほう。あたふたしてるだけかと思ったら言いたいことは言えるんだな。けど、
「その権限が君にあるのか?」
「私はこの豚の監査で一時的に副官になった王女殿下直属の文官です。必ず王女殿下には報告いたします。」
あいつの好みじゃなく監査中だったか・・・この失態はどうなるんだろう。俺からしたらざまぁみろだが、
「その件はそれでいい。けど俺たちの総司令だった奴をコケにされてはいそうですかとはいかんな」
「っう・・・そうですよね。私は王女殿下からあの裁判のあらましは伺っていますのであれは軍が暴走して冤罪になったことは知っています。けどそうしないと王家の威信が落ちることなったということも・・・なので時間をください。私の一存で決めてはいけないことですので。あなた方が納得できるものを必ず用意しますから」
「ふっふざけるな‼この基地の指令のワシを差し置いて何を勝手なこと言っている⁉」
「あなたのせいでこの黒鉄傭兵団とのコネクションが切れようとしてるんですよ⁉さらに王女殿下からの辞令を無視して傭兵団に喧嘩を売って、この傭兵団がどれだけこの国に必要かわかっているんですか⁉」
あーあ副官ちゃんキレちゃった。
司令官と副官ちゃんが切れて言い合ってるのを見てると怒ってるのが馬鹿らしくなった。なのでボーとみてると無線から連絡がきた。
『こちらファルコン1・・・前線奥地の亀裂から魔獣が出現。繰り返す魔獣が出現。指示求む。』
その連絡に指令室は凍り付いた。
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