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第1話 「ステータス」

目を開けてまず目に飛び込んできたのは女性石像だった。ロングヘアーでローブのようなものをまとった女性の石像は圧巻されるほど美しく、見入ってしまうほどのものだった。


落ち着いてから改めて辺りを見渡すとそこはまるで教会のような場所だった。正面に美しい石像があり、天井は大理石のようなもので出来ていた。

そして創太が現在いるのは何か台のようなものの上。


「おぉ!よく来てくださいました。ヒッヒッヒッ」


背後からおじさんのハスキーボイスに近い声が聞こえる。創太が声の持ち主を見ようと背後を向くとそこには背が小さく小太りで、道化のような格好をした男が立っていた。


あまりの不気味さに圧倒されていた創太だが、クラスメイトが次々に叫ぶ声で我に返った。


「おい!何だよここ!」

「特撮映画か何かか?」

「てか、お前誰だよ!俺たちを家に帰らせろ!」

「そうだそうだ!」


口々に文句を言う生徒を見て道化の格好をした男はしばらく考え込んだあと口を開いた。


「えぇ、いいですよ。帰してあげます」

「えっ?」


予想外の展開に思わず声を漏らしてしまった創太だが小声だったので問題はないはず。


道化の格好をした男は笑いながら話しを続けた。


「ですが、帰してやるのはお前たちが魔物を駆除してからです。ヒッヒッヒッ」

「魔物ってどう言うことですか?」


ごちゃごちゃ言う生徒達を代表して委員長である天野川 祐二(あまのがわ ゆうじ)(省略するがこれまたハイスペック)が質問する。


道化の格好をした男は何が面白いのかまだケラケラ笑っている。そして質問にも笑いながら


「魔物とは魔物ですよぉ〜。それ以外に何かあるんですかぁ?」

「いや、だから魔物とはどういうものなのかの説明をお願いしてるんです!」


道化の格好をした男の小馬鹿にした発言に対して生徒達の怒りは限界までに近づいていた。

生徒達の代表として質問した天野川も頭にきている様子だった。


このままではらちがあかないと思ったのか今まで黙っていた先生が口を開いた。


「魔物のことはもういい。それよりも生徒達の安全は保証できるのか?」

「保証ですかぁ?ヒッヒッヒッ。そんなの本人次第ですよぉ。レベルが高ければ死にませんし、低ければ死ぬ、それだけですよぉ〜。ヒッヒッヒッ。」

「じゃあ、武器もなくレベルも分からない私たちをすぐに戦いに出すわけではなかろうな?」

「そりゃあ、ちゃんとサポートするに決まってるですよぉ。ヒッヒッヒッ。あとは後でくる騎士長に聞きやがれですよぉ。ヒッヒッヒッ」


道化の格好をした男はそう言い残すとその場を後にした。



現在、創太達は大広間にいる。道化の格好をした男が去った後、騎士長と呼ばれる男が来て創太達を大広間へと案内した。


単なる説明だけならばその場でも良かったのだが、説明する前に召還された創太達の適正、つまりステータスを調べるために大広間へと来ていた。


「それでは皆さんお配りしたプレートを持ちましたね?」


巫女の格好をした女性が優しく微笑みながら確認をとる。そのあと巫女の格好をした女性が


「では、皆さん試しにステータスオープンと唱えてみてください」


生徒達は言われるがまま、「ステータスオープン」と次々に唱えていった。創太も皆んながプレートを見て喜んでいるのを見てから唱えた。


「ステータスオープン」


すると、手にしていたプレートが、光り、字が表記されていった。



【ソータ ・ナツメ】


種族 =人間(ヒューマン)

体力=300

筋力=20

俊敏=32

耐性=40

魔力=12

技能=2段切り、????、武器強化弱




「………」


自分のステータスを見て沈黙が続く創太。ボッチのため、自分のステータスがいい方なのか悪い方なのかすら分からない。

こういう時にボッチは辛いと感じるんだよ…と心でツッコミを入れておいた創太だった…。


自分はボッチだと改めて感じ、落ち込んでいる創太の袖をちょんちょんと誰かが引っ張った。引っ張られる方を振り向くとそこには麗華がいた。


「ど、どうしたの?」

「いやぁ、夏目君はどうだったのかなぁ?って思って」


「ちなみに私はこんなのだった」と言い、麗華は自分のステータスプレートを創太に見せた。



【レイカ・セノウ】

種族=人間(ヒューマン)

体力=6200

筋力=300

俊敏=843

耐性=416

魔力=312

技能=11連撃、5連撃、3連撃、絶対回避3回、回復、攻撃魔法全般



「っ……」


あまりにも高いステータスに圧倒された。自分との格の差を感じるほどの差がそこにはあった。

いや、麗華だけではなかった。周りを見る限り全員が自分とは全く違いステータスが10倍近く高かったのだ。

(おいおい…こういうのは全員にチート的な能力を渡すんじゃないのかよ…)

と、酷く落胆した。だが、まだ希望がある!と仕切り直した。何故なら創太には????と言う技能が存在するのだ。


だが、その希望もすぐに消え去ることになる。


巫女が「技能不明の表記があったら、それは過去に誰も解明したことはないので諦めてください」なんてことを満面の笑みで言ったため、メンタルをズダボロにされた。


そして追い討ちをかけるかのように…


「おい、夏目!お前のステータスを見せろよ!」


麗華と話しているところを目撃した生徒が邪魔してやろうと2人の間に割り込んで創太のステータスプレートを取り上げた。


その生徒は巫女が「平均は大体二桁の後半くらいですね」と言っているの聞いて爆笑している。


「ぷっ、お前平均より少し下回ってんじゃねーかよ!ははは、ダッセ」

「や、やめてよ」


創太の他にもステータスが低いものがいたが普段から麗華に気にかけられているということで周りからの矛先は創太に向いた。


「まぁ、そう落ち込むな、夏目。私もほとんど二桁を下回っているから」


そう言ってステータスプレートを見せた先生のステータスは筋力がずば抜けていた。


「いや!先生は筋力が尋常じゃないですか!」

「あ、まぁ、そ、そうだが…」


慰めようと言った言葉で余計に落ち込んだ創太の様子を見て先生は戸惑った。


そんな落ち込む創太を見てあたふたする先生を見かねた騎士長が助け舟を出した。


「では、ステータスも分かったことだし、改めて説明と行こうか…」


騎士長はこの世界のこと、能力のこと、について説明を始めた。

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