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少し休憩

 十五階層は今までと違う植生で、ジャングルのようになっていた。モンスターとの遭遇回数も増え、格段に攻略難度が上がっているように思う。


「おんぶって快適だね、ユウナとテリアはいつもこれで移動してたなんてずるいよ。これからは私がしてもらうから」


 俺をモエナ専用のおんぶ係として城で雇ってくれないかな。その仕事なら毎日楽しくやれそうだ。美少女をおんぶするだけで給料がもらえるとか革命だろ。


「それは駄目ですよ。これでも私だって最近は我慢してるんです、自分で歩けるモエナまで加わったら私の番がさらに減るじゃないですか」


 美少女たちが俺のために争うのってこんなに気持ちいいものなんだな。はあ、でもこのままってわけにもいかないな。


「おんぶくらいいつでもしてやるから。そんなことで言い争ってないで進もうぜ」


「本当? 今言ったからね、私記憶力はいいんだから」


「私もこれからはこまめにおんぶしてもらいます。何といってもセンヤさんに始めておんぶされたのは私ですからね」


 そういえばこの世界に来たばっかりの時、テリアをおんぶして街まで歩いたな。


「あんたたち私ばっかりに戦わせておいて何してるのよ。わざと後ろにモンスター逃がすわよ」


「ごめんね、ユウナ。まかせっきりにして、私も休憩したらまた戦うから。それまで頑張って」


 まだ戦うのかモエナは。もういいだけ戦っただろ。これ以上潜るとさらにモンスターが強くなっていくはずだ、そうなると危険が増すんだけどなぁ。その分、俺が気を張らなくちゃいけなくなってしまう。


「私も休憩させてほしいな。忘れられてるかもしれないけど、ずっとユウナをおんぶして歩いてるんだよね」


「それがルリの仕事でしょ、これくらいはしっかりこなしなさいよ」


 いつものようにルリが休憩を要求したところでユウナには全く通らない。この状況を見るたびにルリが可愛そうだ。いくらAランク冒険者と言っても体力が化物っていうわけじゃないのにな。


「少しくらい休憩させてやれよ。ルリだって疲れてるんだよ」


「そうだよ、ユウナ。このままじゃ、最後までもちそうにないかな」


 ユウナは少し悩んだ後に、


「仕方ないわね。一回降りてあげるわ」


「それならここでお昼としましょう。この前は完全に忘れていましたが今回はしっかりと持ってきましたよ」


 テリアはそういうと、収納魔法で直しておいたらしいサンドイッチを出してきた。


「わざわざ作ってもらったんですよ、気の利く私に感謝してください」


「ちょうど腹が減ったと思ってたんだよ、流石はテリアだな」


 俺が褒めると、テリアは嬉しそうに照れ笑いを浮かべていた。


「ほんとにね、私も忘れてたわ。こういう時にテリアの魔法は便利よね」


「サンドイッチ大好き!!」


「やったぁ、これで休憩ができるよ」


 ほかの三人からも感謝され、テリアはさらに照れていた。でも、ほんとに気が利くな、昼飯のことなんて全く考えていなかった。


 少しお昼休憩をして全員の体力が少し回復した。ちなみに休憩中もモンスターが襲ってきたがそのたびユウナに瞬殺され、もう片手間に殺されるモンスターが少しかわいそうになったくらいだ。


「それではここからは休憩なしで行きますよ」


「このダンジョン、あんまり深くないといいんだけど…………もしかして百階層くらいあったりしてね」


 それはちょっと笑えないぞ、何度もここでキャンプをする必要が出てくる。と言うかそんなに階層があるのに最高到達階層が十八なんてことはいくら何でもないだろ。ほんとに王都の冒険者は何やってんだってことになってしまう。


「そんなにあってたまるかっての、どうせ前回みたいに二十くらいで終わりだろ」


「でも十五階層でこのレベルだと、十八階層も普通に行けると思うんだよね。もしかしたら十八階層には何か特殊なモンスターでもいるかもしれないよ」


 それはあり得るかもしれないな。このレベルで攻略できないなんて王都の冒険者は無能にもほどがある。十八階層から先に進めない理由があるはずだ。


「なにがいたところで私の敵ではないわ。私を倒したいんだったら神でも連れてこなくちゃ役不足だわ」


 天使さまは言うことがちがうなぁ、少しあほっぽくて逆に頼りにならなさそうだけど。


「このメンバーならきっと大丈夫ですよ、私だっていることですしね」


 相変わらずこの二人は自信家だな。俺もこれくらい自信に満ち溢れえていたらモンスターにおびえることもないのかも。


「そうだよ、このメンバーで無理ならほかのパーティなんて瞬殺されるくらいだよ」


「楽しみだね、これは期待できそう」


 俺はできれば強いモンスターとなんかは戦いたくないんだけどな。ほかの四人は余裕そうな表情だ。マジで俺にも自信を分けてくれ。てかまだ十八階層まで到達いてないのにこんな話してて気が早いな。


「それでは、とりあえず十八階層を目指して出発です」


 テリアの掛け声で俺たちは休憩をやめ、ダンジョン攻略を再開した。休憩したのでテリアとモエナは自分で歩いている。ルリは相変わらずユウナにおんぶさせられているがな。


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