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オークロード討伐その1

 部屋を後にした俺たちはとりあえず酒場で作戦会議を行うことになった。


「どうしてこんな危険なクエスト受けちゃったの?」


 案の定先ほども嫌な顔をしていたルリが最初に口を開いた。俺だって行きたいわけじゃないぞ。でも報酬が破格なんだよな。


「そんなの報酬がいいからに決まってるでしょ。それ以外の理由なんてないわ」


「それでもだよ。今度は手下じゃなくて幹部が居たりしたらどうするの? 手下ですらあの強さだよ。幹部となればどれほどの強さか…………」


 次のダンジョンにまず魔王関連のやつがいるとは限らないと思うんだが…………。ルリはどうしても心配みたいだ。俺とユウナはいいかもしれないが三人はあのガーゴイルにやられてたかもしれないもんな。少しは不安になるのもしょうがないか。


「すぐに行くつもりですか? それだと、私は途中で魔力が尽きてしまう可能性があります」


「ますますやばいよ。とりあえず今日は違うクエストでもしておこう?」


 テリアが魔力切れになるのは大問題だ。道に迷うし、帰りも徒歩ということに…………それが普通なのはわかっているが一回あの楽さを知ってしまうと耐えられそうもない。


「そうね、テリアがいないとダンジョン攻略は骨が折れるわ。今日は別のクエストに行ってまた明日にしましょうか」


 骨が折れるって、ユウナは無限の魔力で魔法を打つだけだから疲れないんじゃ? 基本俺かルリにおんぶされてるし。


「私、強いモンスターと戦いたいっ。どんどん強くならないといけないもんね」


 モエナがしゃべったかと思えばこれだ。無駄に強いモンスターと戦いたがるのはなぜだ? 血筋のせいか? 勘弁してくれよ、俺はモエナを危険から守るという命がけの任務があるのに……自分から危険に飛び込まないでくれ。


「そうね、できるだけ報酬がいいクエストにしましょう」


「さっそく探しに行ってくるね」


 モエナは立ち上がり、クエストボードのほうへ走っていった。なぜモエナはこうも元気なのだろう? 


「私たちも一緒に探しますね。センヤさんはここで待っててください」


 そういうとほかの三人も行ってしまった。ナチュラルに俺をはぶるのやめてくれない……俺だって傷つくんだぞ。


 少し待っていると、四人は帰ってきた。今回は誰がクエストを選んだのかと手元を見てみると、紙を持っていたのはルリだった。あれ? 自分でクエスト選ぶくらい乗り気だったの? 


「決まったよ、センヤ。今日はオークロードの討伐に行くよ」


「強そうだけど大丈夫なのか? あんなに強いモンスターとは戦いたくないって言ってたじゃないか」


「大丈夫だよ。このメンバーで負けるはずないから」


 一回倒したことでもあるのか? やけに自信たっぷりに見えるが……俺は従うしかないのでまあいいが。


「最近王都周辺の森に出現したみたい。とりあえず森に行ってみよう」


 ユウナとテリアが文句を言わないところを見ると、それなりに報酬もいいんだろう。モエナも楽しそうににこにこしている。


 クエストの受注を済ませ、俺たちは森へと向かった。



 


 少し歩くだけで森には到着した。だが、この森思っていた以上に広大だ。こんな広さの森からどうやってモンスターを探せばいいんだよ。


「やっと着いたわね。騙されたわ……すぐ近くって言ってたのに。ふう、全然遠いじゃない」


 ユウナはルリ近いから歩けるとでも言われたのだろう。先ほどまでは一生懸命歩いていたがもりに到着したとたん疲れが来たのか今ではルリにおんぶされている。


「この距離歩けなかったらクエストなんて無理だよ」


「そのためにルリがいるんじゃない? 何を言ってるのよ」


 もうユウナには自分の体力がないのは恥ずかしいという概念はないらしい。おんぶで移動は当然のことのようだ。逆にルリが変なことを言ったみたいになっている。


「周辺を探知してみたんだすけど、このあたりには強い反応はないです。もう少し進んでみましょう」


 テリアが探せるのか。ほんとにテリアは戦闘以外は最強だな。ご褒美におんぶしてやりたいぐらいだ。


「えー、強いモンスターいないの? つまらないなぁ」


「無駄に戦うのもめんどくさいだろ。本命のオークロードが出てくるまで我慢してくれ」


 このままモエナを放置していると、勝手にモンスターを探しに行きかねないのでくぎを刺しておく。


「センヤさん、おんぶして下さい。私、転移魔法のせいで疲れてしまいました。これ以上はちょっと歩けそうにありません」


「しょうがないな、テリアはすごい役に立ってくれてるもんな。いいぞ」


 まさかテリアを本当におんぶすることになるとは……心でも読まれてるのか? そんなわけないか。


「久しぶりのおんぶな気がします。最近はユウナばっかりでしたから。今日は私の専用ですね」


 俺も最近はユウナばかりおんぶしてたからな。そう考えるとテリアは頑張って歩いてたんだよな。


「任せとけ、きっちりおんぶしてやるよ」


 ルリと俺はおんぶしていて、手が空かない。こうなると、モエナが戦うしかないな。それと、ユウナの魔法。まあ、ユウナがいるから安心していいはずだ。


「なんだか、二人ともずるいよ。わたしもおんぶしてもらいたい」


 モエナもおんぶとか言い出したぞ。これ以上おんぶする対象が増えたら、もう一人おんぶ係が必要になるじゃないか。さすがに全員がおんぶして歩いているパーティと言うのはどうなんだ? 冒険者に見えないだろうな。


「今度はモエナをおんぶしてやるから、今日はテリアに譲ってやってくれ」


「本当? やったー。約束だからね」


 ここで、センヤには言ってないよとか言われてたら泣いてたな。よかった、モエナはいい子で。それにしても喜んでいるのが可愛すぎるんだが。


 その後もなかなかオークロードは見つからず、歩き回ることになった。

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