↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/106

落ち込みモードのユウナはめんどくさい

 俺たちに気づいたミノタウロスはいきなりこっちに走って向かってきた。

 え、マジ……そんなにいきなり突っ込んでくるの? もうちょっと様子見とかしてくれてもいいじゃないか。まだ心の準備ができてねえよ……。あ、しかもユウナおんぶしたままじゃん。ここは一回よけてユウナをおろすかないな。


「あいつもやっちゃっていいのよね?」


 ユウナが俺の背中から魔法を繰り出した。衝撃波のようなものが飛んでいき、それをもろに食らってしまったミノタウロスの上半身は跡形もなく吹き飛んだ。

 

 あれ、おかしいな……さっきまで俺の目の前には突進してくるミノタウロスがいたのになぁ。一瞬でやっつけちゃったよユウナ。マジで何も相手になってないじゃん……。うちのチーム想像以上に優秀すぎるな。これは俺の出番はそうそう来ないだろう。うれしい限りだ。


「おお、さすがユウナ。……でもこれじゃあ素材の回収ができませんね。ミノタウロスの素材で最も高いのは角ですよ。今度からはちゃんと下半身を吹っ飛ばしてください」


「ごめんなさい、素材のことをすっかり忘れてしまってました。私って本当にだめなのね。次はしっかりやるから許してください」


 会話の内容にもびっくりだけどもうユウナがやばすぎる。こいつ一回こうなったらマジでめんどくさいな。もうこれ軽く病んでるレベルだろ。早く元に戻ってくれよ。


「それじゃあこの調子でがんがんモンスターを倒しちゃってください。でも素材が回収できるように倒してくださいね」


「おお、わかった。ユウナとりあえず俺の背中から降りてくれ。これじゃあ俺が戦えない」


「そうよね、わかったわ。私のせいで戦えないもんね……」


 うん、今日こいつにとりあうのはやめとこう。俺の手には負えんわこれ。

 

 俺たちはこのフロアを探索しながらモンスターを倒していった。ここにいるようなモンスターは俺とユウナの攻撃一発で倒せてしまい、まったく張り合いがなかった。さっきまでビビっていたミノタウロスもパンチ一発で軽く倒せてしまう始末だ。全然ビビることなかったな。ほかにもオオカミのようなモンスターや熊のようなモンスターにも遭遇したが結果は同じだった。


 かれこれ一時間近くこのフロアを探索しつつモンスターを倒し続けた。素材のほうもかなり集まったようでテリアもご満悦の様子だった。素材の回収と言ってもほとんどドロップアイテムみたいなもんで一定の条件下で倒したモンスターから確率で素材がゲットできるようになっている。ゲームみたいですごく楽だよな。途中から素材がドロップするのがうれしくてテンション上がっちゃったよ。


「もうだいぶ集まったのでそろそろ引き上げましょう。このくらいあれば今までのクエストの報酬よりもきっと高いはずです」


「そうするか、さっきからあんまりモンスターに遭遇しなくなってきたしな。てかこいつらと戦うの飽きてきたわ」


「私も……もう疲れたわ。でも私なんかが役に立てたみたいでよかった…………」


 ユウナはマジで疲れているようですごいしんどそうにしていた。まあかなり歩き回ったしな。ユウナの体力なら仕方ないか。


「じゃあ来た道を帰りますか。ダンジョンって潜るのもきついですけど、帰るのもきついんですよね。せっかく苦労してきた道を帰らなきゃいけませんし」


「確かにしんどいな。ここは五階だからまだいいけどもっと下のほうまで行くと……うん、考えるだけでしんどいわ」


「まあ、安心してください。私のスキルで道は把握できるので帰りも迷うことはありませんから」


 ほんとに今日のテリアはなんか頼りになるな。今度からもダンジョンとかに行くときはテリア必須だわ。

 

 帰り道でも何度かモンスターには遭遇したもののユウナがすべてやっつけてくれた。もうユウナはおんぶっていうより背中につける装備だな。これからも背中にユウナを装備してたら安心してダンジョンにもぐれるんじゃないか。


 こうして俺たちはギルドへ戻り素材の換金をした。といっても素材を持っているのはテリアなので俺とユウナはギルドの椅子に座って待っている。

 少し座っているとテリアが満面の笑みでスキップしながらやってきた。


「すごいですよ、なんと今日の素材たちは全部で五十万Rになりました。この前やったクエストの十倍以上です。こんなの知ったらもう普通のクエストとかできませんね」


「それはすげぇな。この調子で金を稼げば家でも買えるんじゃないか。そうしたら今の廊下で寝るのともおさらばだな」


「確かに家はいいわね。でも私も一緒に住んでいいの?」


 ギルドに帰ってからもまだ元に戻らない。いつものユウナなら私と一緒に住めて光栄に思いなさいとかいうんじゃないのか? もう勘弁してくれ……俺が悪かったってことでいいから元に戻ってくれよ。


「武器も一応買ったことですし次の目標は大きくマイホームで行きますか」


「なんかやる気出てきた。この調子で明日からもガンガン稼いでいこうぜ」


 こうして次の目標も決まり俺たちは宿に帰ることにした。飯はこの前のラーメン屋で済ませたのだが、今日のしおらしいユウナは店長の勢いに終始押されっぱなしだった。はたから見る分にはすごいかわいいんだけどな。自分がかかわるとなると、今のユウナはめんどくさい。

 

 宿に帰り風呂などを済ませて、部屋に戻ると今日はなぜかユウナが同じ部屋で寝ることを了承してくれた。確かに俺も廊下は嫌だったのでうれしいのだが……まあ今まで廊下で寝てたのが異常だったんだよな。こういうとこはちゃんと反省してくれてるんだ。家買うまでもなく、廊下からはおさらばできたな。

 

 俺は女の子と一緒の部屋で寝るってことを舐めていたようだ。緊張でなかなか寝付けない。普通にテリアやユウナの寝息も聞こえ、余計に寝付けず結局廊下で寝たほうが安眠できることに俺は気づいてしまった。


 何とか寝付けたのだが、次の日はなんで一緒の部屋で寝てるのよというユウナの叫び声と蹴りで起こされた。お前がいいって言ったんだろ。てか一日経ったら戻るのかよ。戻ってもこれじゃあ、結局俺の精神的負担は変わらねえな。あーあ、今日からまた俺は廊下で寝るのか……。もうやだ。早く家が欲しい。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。