19話 公爵邸にて
彼女の屋敷は公爵令嬢だけあってすごく大きい。 使用人に案内されて屋敷の中に入った。彼によるとクリスは公爵家三女で第二夫人の娘とのこと。
案内された部屋で待つと、この館の主ヘルツベリ公爵が現れた。
ターコイズブルーの髪は短髪に切りそろえられており、がっしりとした体は筋肉美を帯びて頑健さを醸し出していた。されど、表情は温和・柔和な感じで優しさを感じさせ、まさに強者の懐の深さを匂わせる。
「この度は娘が救出、感謝する」
ヘルツベリ公はそう言うと一礼して座った。
「いえいえもったいないお言葉。悪いやつがいて、困っている人がいる。そして助けられると自分がいる。当然のことをしたまでです」
俺は、さも当たり前のように答えた。盗賊に勝てるかは運もあったが、そういうことにしておこうと思った。
「君は腕が立つらしいね。この世界に迷宮があるのを知っているか?」
とヘルツベリ公がいった。
「いえ、なにぶん辺境で育ったため不勉強ですいません」
俺は申し訳なさそうにそう答えた。
「言い伝えがあったんだがどこにあるかは失伝しており、つい最近アドマイヤ公国アレンに迷宮が見つかったことが発表された」
「迷宮ですか?」
俺は身を乗り出してそう答えた
「なんでも迷宮制覇者は特別な力が目覚めるという」
……それはすごい
「おお、それはすごいですね」
興味あるようにそう答えると
「そこで娘に攻略して貰おうと思い、エミュールにいる知り合いに鍛えてるためエバートンを通じて向かわせたところ、あんなことになってしまった」
「それはタイミングがいい時にこちらに来てよかったです」
俺はそう答えるとヘルツベリ公は
「盗賊たちの懸賞金以外にも、褒美を上げたいと思うが何がいいのか?」
褒美をくれるのか……なにがいいだろうか? 懸賞金とピンクラグーンでソフィアの金はなんとかなるだろうし、ならなかったら今回の貸しでエバートンさんから借りればいいだろう。そうなると……恒久的な資金源の商会の発展かな。あいにく助けた人の中には奴隷やゆくあてのない人もいそうだしこの人材をうまく利用できないものかと俺は考えた。
「囚われた人の中には身寄りがいて引き取り手がある者、または手に職があり自活できる者もいましょう。ですが奴隷に落とされたもの、身寄りがない子供などは自由にしても奴隷に落ちるか、食うのにも困ると思います」
「ほう、それで」
「そこでですが、この街に住居付き店舗を作りたいので物件を用意していただけませんか?」
「それはわかった。それより君、どんな店を開こうと思っているんだ」
まぁ石鹸とか化粧品など雑貨屋は基本として飲食できるとこもあったらいいなそうだカフェだ。基本女性向けのお店でいこう。
「カフェを併設した、雑貨屋を開こうと思っております。よろしければこちらを奥様やお嬢様にお使いください」
ヘルツベリ公に例の石鹸を渡した。
「コレは……いい香りだ。きっとあいつも喜ぶだろう」
そう言うと、使用人に石鹸を渡した。
「土地などが決まったら、決まり次第連絡する。エバートンか冒険者ギルドを通じてだな」
そう言うと手を差し出した。
「わかりました、お待ちしております」
俺はそう期待を込めた顔で手を握り返した。
「ところで、君たちはエミュールから来たと聞く、そして近い内に帰ると」
ソフィアのこともあるし帰るのは事実だが……………………なにかあるんだろうか?
「はい、所用で数日以内には立つ予定です。」
俺がそう答えると
「そこでお願いだ。娘をエミュールまで連れて行ってはくれないか?護衛の冒険者がやられる中で、娘を助けた他ならない君に頼みたいんだ。」
「わかりました。他ならない殿下の頼みです。」
「そして、娘を……修行が終わり娘がもし君の御眼鏡に叶うなら、迷宮攻略に同行させてやってはくれないか?」
「…………その時の実力を見て考えたいと思います。お嬢様を常に守りながら進めるような甘いところでは迷宮はないと思いますので」
傷物にしては行けないと思ったので遠まわしに断ろうとしたところ
「あい、わかった。娘にも気合い入れて修練に励めと言っておこう。その時はよろしく頼むぞ」
これは押し切られたと行ってもいい。あっははは……俺は頭をかくばかりだった。
討伐の報奨金130万ズラ公爵家に見送られて、俺は屋敷から出た。向かうはミリアムが待っている宿だ。
宿に戻るとそこにミディアムがいた。
「おかえり、先輩」
「ただいま、帰ってきたぞ。約束どおりおパンツを…………」
俺は期待を込めた眼差しでそう答えた
「先輩はやっぱり、変態なんですね。」
ミディアムは顔を赤らめると
「先輩には早すぎます」
「それはそうと、いい時間だし食事に行こう俺のおごりだ」
俺がキメ顔でそう言うと
「はぁ……ほぅ…え、え、いいですよ、いいですけど…………」
顔が真っ赤になっていた
「良い場所を見つけてだな、食べたいと思ったんだがそのコースは男女1組じゃないといけなんだ」
「どうしたんですかいきなり。先輩、おちゃめなんですね」
なんとか約束を取り付けられた俺はとっておきのお店に向かうことにした。




