あなたの心の中に居るその人は誰?
わたしの好きな人は、凄く優しくておっとり系のマイペースな人。
誰に対しても、同じように優しくて、、、。
見た目は、普通だけど、、、?
そんな彼をわたしは、好きになった。
いつしか、、、?
自然と彼の傍にわたしはいるようになり、そのままの流れで
彼と一緒に住むようになる。
どちらかが何か言う訳でもなく、、、自然にそうなったみたい!
彼の名前は 『河合 せいじ』 32歳で売れない絵描きさん。
駅の近くで、自分で書いた絵を売って生計を立てている。
わたしの名前は 『前川 くれは』23歳で大型スーパーで働いている!
▽
彼との出会いは、、、?
わたしが、実家に帰るのに最寄りの駅近くで彼が自分で描いた絵を売って
いたことがキッカケで、、、。
彼の絵にわたしは、ひとめぼれしたの、、、!
優しいタッチで描かれた絵に、わたしは心惹かれた。
彼の描く絵は、優しさと寂しさが混ざり合ったような、ステキな絵だった、、、!
わたしは、頻繫に彼を探し彼が描いた絵を買うようになった、、、。
値段も1枚500円と安いし、わたしでも買えない絵じゃない、、、!
そして、彼がわたしにこう言った時、わたしはこの人だと思ったの、、、!
『以前もキミ、来てくれたよね! 僕の描く絵が好きなのかな、、、?』
『えぇ! ステキな絵だなって思います!』
『そんな風に言ってくれたのは、、、キミで2人目だよ!』
『アハハッ、わたしの前にもわたしと同じような事を言った人がいたんですね!』
『・・・あぁ! そうだね!』
彼は、それ以上何も言わなかったのだけど、、、?
彼が以前、好きだった人なのかなって、、、?
わたしは、そう思ったのを今でも覚えている...。
▼
彼と付き合うようになって、生活はほとんどわたしが支えているのだけど、、、?
わたしが、彼と居ると幸せになれるから。
それでいいと思っている!
でも彼の心の中には、、、?
わたしじゃない、違う誰かが居る事を確信してしまった、、、!
彼が、肌身離さず持っているペンダントや写真を目にする。
まだ彼が、20代前半ぐらいだろう、、、彼の隣には可愛い女の子が一緒に
写っていた、、、!
わたしが1度も見た事のないような、、、彼の嬉しそうな顔。
彼の隣に写っている女性は、彼をそんな風にさせてあげられる人
だったんだろうなと感じた、、、。
・・・わたしには、彼をあんな風に笑わせてあげられないと、、、。
*
でも、この彼女とは、彼はどうなったのだろう、、、?
わたしは、彼に聞く勇気がなかった、、、。
まだ彼が、この女性を忘れられないなら、、、?
わたしは、彼の口から聞く事が怖かった、、、。
この事は、わたしだけの【秘密】にしようと心に決めた!!!
▽
でもわたしは、日に日に彼を大好きになっていって、、、。
とうとう、わたしは彼にわたしの想っていた事を口にしてしまった、、、!
『・・・ねえ、せいじ?』
『ううん?』
『せいじの心の中には、誰が居るの、、、?』
『えぇ!?』
『ずっと、聞きたいと思っていたの! わたしじゃない誰かがせいじの心の中
に居るでしょ? その人は誰なの、、、?』
『・・・急にどうしたんだよ! くれは!』
『見たんだ! ごめんね! せいじと一緒に写っていた女性、、、。』
『・・・あぁ、あれは! “僕の姉さん”だよ!』
『えぇ!? せいじのお姉さんなの、、、?』
『あぁ! そうだよ!』
『・・・でも、どうして? まるで好きな女性を見ているようだったわ?』
『あぁ、そうだよ! 僕は姉としてじゃなく一人の女性として、、、! ずっと
好きなんだ、、、!』
『えぇ!? どういう事? せいじと血が繋がったお姉さんなのよね、、、?』
『あぁ、悪いかい? 好きになってしまったモノは仕方がないだろう!』
『・・・でも、』
『この事は、姉さんにも話したんだ! そしたら? 僕が姉さんに話した後すぐ
姉さんはお見合いをしてしまった、、、!』
『・・・えぇ!? その人と結婚したの、、、?』
『ううん、今は幸せに暮らしているよ! その旦那さんとの間に子供が3人いる!
僕は、姉さんとはそれっきり会っていないんだ、、、!』
『・・・せいじは、お姉さんの事! 諦めきれないの、、、?』
『あぁ! でも分かっているよ! だけど? どうしていいのか分からない
んだ! 僕の心の中から姉さんが居なくなってくれない!!!』
『・・・わたしじゃ、ダメなのかな、、、ゆっくりでいいの! どんなに時間が
かかってもいいから! わたしとこれからも一緒に、、、。』
『・・・あぁ、そうだね! 僕も努力するよ!』
彼はそう言ってくれた、、、。
でも、わたしの願いは叶わなかった、、、!
*
この話をした数日後、、、。
彼は、わたしの傍から居なくなってしまった。
たった1枚の置手紙を置いて、、、。
『済まない、くれは! 僕の心の中から姉さんが消えることはないと、、、!
あの時、僕はそう確信してしまった。僕は姉さん以外の女性を心から愛せな
いんだ! 本当に、済まない。もう、僕の事は忘れてくれ!!!』
・・・そう書かれていた。
わたしは、どうしたらいいの、、、?
『もう、あなたはわたしの心の中にずっと居るのに、、、!』
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