56話 慣れと深まる謎。
空を見ると鳥が少女を抱えていた。
この光景前にも…。
「あぁ…ローゼちゃん!また娘が!」
「大丈夫だ。我々がいる。ソラヤいけるか?」
「問題ないです。ナイト、クロイ頼むよ。」
「は〜い。お任せ〜。」
「ほほ。3ヶ月前の悪夢が…もう一度くらい頑張りましょう。」
―ザボォン…。
ハーピー・イーグルに連れられたのは、前に捕まったあの親子の娘さん。
クロイが水魔法を準備したのを確認する。
その後、僕は素早く相棒を取り出し、狙いを定めて撃ち込む。
―ガチャ、ズゥゥン……『ギャ!?』
狙いバッチリ。少女を離してこちらに飛んでくるハーピー・イーグル。
「行ってくる!!」
―バサッ!ギュン!!
「よほぉぉぉぉ………。」
ナイトが翼を広げ、クロイを抱え駆け出す。
クロイの悲鳴が聞こえるが、今回も聞かなかった事にしよう。
そうそう、前回もナイトの翼について聞いてみたけど。
あれは魔法で作り出したものらしく、水平に加速出来るが、空を飛んだりは出来ないらしい。
なんでも、昔空を飛ぶ事を試して、そのまま落ちて大怪我したとか…。
クロイが言うに、風魔法をうまく使えばいけるかもと話していたが。
教えてもナイトは風魔法を使えなかった。
全属性使えるクロイが特殊で、火と闇を使えるだけでも凄い事だと後で知った。
「ソラヤ!来るよ!」
「うん。落とすからよろしく。」
「任せて!」
―ガチャ、ズゥゥン、ガチャ、ズゥゥン……
『グッ、グギャ!?』
「ナイスショットだよー。」
二発の銃弾は翼の付け根を狙い撃つ。
バランスを崩したハーピー・イーグルは、地面に向けて真っ逆さま。
その落下地点に、素早く回り込むシー。
そのまま地面に落ちた後、追撃でも痛そうだけど…。
あぁ、あれはもっと痛いぞ。
「すぅ…たぁぁぁ…でりゃ!!」
―ゴギィィ!!『ッグ!?』
空からの落下に合わせて、地面を蹴り上げ思いっきり飛んだシーのアッパー。
再び空へと舞い戻るハーピー・イーグル。
「お?この距離ならいけそうだな。装填…いきます!」
「あ、おい。それは……。」
―ズゥゥン……キラッ、ドォォーン!!
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《ハーピーイーグルLv48を倒した。171(1,200)の経験値を得た。》
―シー・ブルームはLv19→Lv20になった。20ポイント獲得
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「やや!今回も派手にやったわね。」
「ナイトおかえり。あーほら。前回と違って家は壊してないよ。」
「それは結果論な。そもそも撃つなと、私は前にも言った気がするが?」
「………ローゼ、ごめんなさい。」
「全く…。装填してから撃つまで早すぎて、止めることも出来なかったぞ。」
「練習しましたから!」
「いや……そんなキラキラした目で言われてもな。」
「ソラヤかわい、っむぐ!?」
「はいはーい。シー、心の声漏れてるよ。」
「ナイトありがと。」
「何か言ったの?」
「「なんでもなーい。」」
「なら、いいけど。」
よく分からないけど、皆んなが笑顔ならなんでもいいや。
それに女の子の会話は、深く追求してはいけない。
クロイにそれが出来ないと、大変だと言われている。
「一度ならず、二度まで!大変お世話になりました!」
「いいんですよ。問題なのは魔物なんですから。」
「ソラヤお兄ちゃん。ありがとう!」
「どういたしまして。怪我はしてないかい?」
「うん!もう慣れっこだよ。」
「はは。慣れても困るんだけどね。」
子供は逞しいね。
全くもってこの世界は危ないな。
僕らが間に合ったからいいものの…何か対策した方がいいのでは?って思う。
「ソラヤ!大丈夫だったか!?」
「お父さん。どうしたのそんなに慌てて。」
「だから…はぁはぁ…空ちゃんは平気だって…ふぅ…言ってるじゃん。」
「あ、お母さんもどうしたの?」
「ハーピー・イーグルを倒したと…。」
「あ〜それで慌ててきたのか。特に問題なかったよ。」
ハーピー・イーグルを倒したログを聞いて、お父さんとお母さんが駆けつけてくれた。
今回は家も壊れてないし、怪我をしてる人も誰もいない。
「強くなったな…しかし油断はいけないよ。」
「分かってる。」
「ローゼとクロイがいたのか。それなら問題は無さそうだ。」
「私もいるんですけど?」
「…ソウダナ。」
心配させたかな。少し気をつけるとしよう。
具体的には、何も思いつかないけど。
ナイトはナイトで、お父さんの発言に何か言っていたけど。
ナイトもシーも、暴走する側の人間だからね。
そう言えば、シーが静かだな。
こう言う事は、一緒に言いそうなのに。
「…。」
「シーどうかした?」
「…え?何?」
「いや、シーが静かだなって。」
「あーステータス振ってた。もう終わったけど。」
「Lv上がったもんね。どうしたの?」
「さっきので、もう少し早く動きたかったから、AGIと残りはSTRに。」
「へー。どれどれ?」
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ステータス アイテム▶︎プロフィール パーティ
―シー・ブルーム Lv20
年齢/13
職業/武闘家
スキル/拳撃Lv8、農作業Lv5、気配Lv5、必中Lv10
称号/天空の覇者、牙の狩人、森の盾を砕きし者、冒険者、手加減知らず
▶︎ステータス アイテム プロフィール パーティ
―HP 1,530/1,530・MP 1,230/1,230・SP 300/300
―STR/101・DEX/10・VIT/10・AGI20・INT/2・MND/10・LUK/50
―Lvアップボーナス/0ポイント
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あれから3ヶ月くらい僕らは、依頼に魔物討伐とひたすら繰り返した。
ローゼに言われて、とりあえずVITとMNDは2桁ある方がいいと言われ先に振っておいた。
僕らのパーティは一桁が多すぎるとの事。
シーに関しては、拳撃が6から8に、気配が3から5に、そして必中Lv10…。
それによってついた称号が『手加減知らず』…それは僕のスキルも上がる訳だと思った。
AGIも20まで上げて、残りSTRにか…3桁いったなぁ。
「ソラヤ…遠い目をしているが、気をつければ良いだけだぞ?」
「ローゼ…僕は何がいけないんだろうか?」
「それは…自分で気づかないといけないんだ。」
「そうか…諦めよう。」
「少しは考えてくれ。」
「ど、努力します。」
ローゼには色々と教えてもらった。
だけど、僕がシーの不意打ちを貰う事に関しては、何も言ってはくれない。
僕は一体、何が分かっていないのだろうか…。
「STRを3桁にしてみた。」
「うん。そうだね。痛そ…強そうだね。」
「ソラヤが3桁は世界が変わるって言ってたから、次の戦闘が楽しみだよ。」
「あーうん。頑張って。」
3桁の攻撃か…減る数字は一緒なんだろうけど、痛いんだろうなぁ。
僕自身もステータスは上げて、AGIとLUKが高くても一度も避けられなかった。
こればっかりは謎でしかない。
少し気なった事があり、自分のステータスを見てみる。
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ステータス アイテム▶︎プロフィール パーティ ???
―ソラヤ Lv20
年齢/12
職業/盗賊
スキル/勝利の女神、刀Lv1、銃Lv8、投擲Lv8、観察眼Lv8、手加減、蹴撃Lv5、拳撃Lv5、爆破Lv4、狙撃Lv6、気配Lv6、危険察知、採取Lv3、聞き耳Lv3、武器破壊Lv4、龍神の過保護、受け身Lv10、受け流しLv10
称号/女神に愛された者、龍神の友、天空の覇者、牙の狩人、森の盾を砕きし者、冒険者、我慢強い
▶︎ステータス アイテム プロフィール パーティ ???
―HP 1,520/1,520・MP 390/390・SP 1,130/1,130
―STR/13・DEX/13・VIT/10・AGI/100・INT/6・MND/10・LUK/200(100+100)
―Lvアップボーナス/0ポイント
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今見るとスキルもだいぶ上がってるよな。
なのに回避系のスキル増えてもいいと思うんだけど、だって僕は盗賊だよ?
……もしかして、『受け身』と『受け流し』がそれなのか?
まぁ気にしたら負けだ。
ステータスも…あれ?称号増えてないか?
【我慢強い】痛みに慣れ、耐え続けた者への称号。
いや、まぁ…ね。
流石に2回どころじゃ無いからね。
慣れたけど……。
改めてこの世界の不思議、謎は深まるばかり。




