47話 スキル取得はタイミングが大事
♢部分はローゼ視点 少しだけあります。
ぐるりと村を回った僕らは、ギルドに戻ってきた。
「ただいま〜。」
「ただいま、クロイ。」
「おかえりなさい。」
ギルドに戻るとクロイは、何か難しい本を読んでいた。
お父さんとお母さんは、村を回っているみたいだ。
「クロイはどこか行かなかったの?」
「はい。ここには本がありましたので。」
「難しそうな本だね…それ面白い?」
「ほほ。魔物の図鑑ですぞ。見てて飽きませんね。ブルームさんも読みます?」
「あー私はいいよ。」
魔物の図鑑か…どんなのがいるか気になるな。あとで時間があれば読んでおこう。
もうそろそろお昼の時間だけど、この後どうしようかな。
ローゼさんがいれば、外でボタン鍋でもやろうと思ったのになぁ。
「おや、ソラヤさんとブルームさんもお戻りですね。」
「アリーさん。ローゼさんはまだ寝てそう?」
「家もここの上なので、起きれば分かりますが。」
「家ここの上なんだ。」
「それなら私が起こしてこようか?」
「お昼誘いたいし。アリーさん、起こしても大丈夫ですか?」
「ん?もうお昼ですか。なら、そろそろ起きると思いますが。」
―ガタン!
「ほら。音がしました。きっとすぐ降りてきますよ。」
―たったったった…きぃ。
「…アリー!」
「はいはい。お待ちを。では、皆さま少々お待ち下さい。」
扉の陰からローゼさんの声だけした。
それに気づいたアリーさんは、呼ばれて裏に入っていった。
ってか、ギルドの受付誰もいないけどいいの?
―ドシーン。
「またなんか音がした。」
―ぎっぎっぎ…きぃ。
「…アリー。」
「アリーさんなら、ローゼさんに呼ばれて上に行きましたよ。」
「そうか………。」
物凄く眠そうな、ファイルさんが扉から出てきた。
アリーさんを探していたが、ローゼさんの所に居ると言ったら、そのまま裏に戻っていった。
なんだったんだ?
―たったったった…きぃ。
「……皆んなおはよう。」
「おはよう。ローゼさん。」
「ローゼ、おはよう。」
「おはようございます。昨日疲れちゃいました?」
「いや、今日はたまただな…。」
「ギルマス。たまたまですか?」
「な、なんだアリー、私はそんな寝坊しないぞ?」
「嬉しい事があったり、次の日に予定があると…。」
「な!?別にパーティが嬉しくて、寝れなかったとか無いからな!」
「「「「…………。」」」」
「なぜ皆んな静まる?なんだその目は!私は……むぅ。」
いるよね。遠足の前日寝れないとか。
僕も学校で遅刻ギリギリに来た友人を知っている。
ローゼさんもその感じで、何か楽しい事があったり、出かける時は寝坊する事があるらしい。
約束がある時は、アリーさんが起こすのを頼まれているので、遅刻はしないらしい。
まぁ今日は別に約束や待ち合わせもしてなから、アリーさんが起こさなかっただけで。
「ほほ。ローゼも可愛いところがあるんだな。」
「かわ!?な、何を言うのだ。私は別に可愛くなんてない!」
「そうですか?とっても可愛らしいですよ。」
「っ!?うぅ〜やめてくれ〜。」
「ほっほっほ。」
「なんか暑いわね。何か飲み物持ってきましょうかあ?」
「ん?別に僕は「それなら、私とソラヤも手伝うよ。」…え?ちょっとシー?」
俺はシーに引っ張られギルドの裏に行く。
アリーさんもそのまま裏に来た。だから、ギルドの受付いなくていいの?
♢
―ガタン。
「いてて…あれ?朝……じゃない?12時?」
私はベッドから落ちて目が覚めた。
朝にしては、日差しが入ってこないなっと思い時計を見た。
針は長いのと短いのが上に…12時になりそう。
「あれ!夜じゃない!朝だ!クロイ達来てる!?」
私は急いで下に降りる。
クロイとアリーの声がする。
は!私はまだ寝巻きだわ、髪もボサボサ!?
扉をすこーし開けてアリーを呼ぶ。
「…アリー!」
「はいはい。お待ちを。では、皆さま少々お待ち下さい。」
裏に来たアリーを引っ張って自室に行く。
「今更急いでも変わりませんよ?」
「そうは言っても待たせるのは!」
「では、早く着替えてくださいね。髪はその後もやってあげますから。」
「うん!」
急いで着替えて、鏡の前に座る。
いつも三つ編みでまとめて寝ているんだが、昨日は気がついたらベッドで寝てしまっていた。
その為、結んでいない髪は凄いことになっている。
ードシーン。
「あら。ファーも起きましたね。後でコーヒー持っていってあげないと。」
「良く兄さんだと分かるな。」
「それは、私も長いですし。お二人ともベッドから落ちるので、落ち方で分かりますよ。」
「…私はそんな落ちないよな?」
「それは本気で言ってます?」
今日はたまたま落ちただけなんだ!
朝起きてベッドから落ちてる事なんて…。
「起きたら床だった事はありますよね?」
「なくない事もない。」
「女の子なんですから、寝相が悪いとクロイさんに迷惑がかかりますよ?」
「なな、なんでここでクロイの名が出てくる!?」
「いずれ一緒に寝る時に…。」
「一緒に寝る……。」
想像してみた。クロイと一緒に寝る時の事を…。
「ふふ。冗談ですよ。それとも想像しちゃいました?」
「アリー!」
「ふふ。出来ました。では、下に行きますか。」
「むぅ…ありがとう。」
下に来たけど、なんか今はクロイと2人きり。
アリーは飲み物を取りに行くって帰ってこない。
それにブルームさんがソラヤさんを、引っ張って行ったまま帰ってこない。
「……。」
「立ってないで、座っては?」
「そうだな。失礼する。」
言われて座った…クロイの横に…。
なぜ隣に座ってしまったんだ?クロイが近い!?
正面には、さっきソラヤさんとブルームさんが居たからだな。
うんうんって自分に言い聞かせてみた。
「頷いてどうかしました?」
「いやいや、なんでもないよ。」
あ〜色々話したかった事とかあるんだが、何にも出てこない。
皆んな戻ってこないなぁ…。
♢
「なんで隠れて見てるの?」
「ソラヤには、まだ早いかな〜」
「シーもそんな年変わらないじゃん。」
「乙女心な問題なの。」
「ごめん。それはよく分からない。」
「お二人ともお静かに。」
シーとアリーさんが扉の陰から覗き見している。
僕は別に興味がないから、2人の後ろにいる。
「あ、ソラヤ君おはよう。」
「ファイルさん。おはようございます。」
「ファー。静かに聞こえません。」
「おぅ。…2人は何してるんだ?」
「乙女心が分からないと、分からない事みたいです。」
「乙女心?ん?ローゼと…クロイ……君。」
「ファー。無粋な事は許しませんよ。」
「…。」
静かに喋っているからか、アリーさんの声のトーンがめっちゃ怖い!!
ファイルさんも押し黙ってしまう程に。
「さっきから何喋ってるんだろう?声小さくて聞こえない。」
「本について話しておりますよ。」
「アリーさん聞こえるの?」
「はい。私には【聞き耳Lv8】ありますので。」
「何そのスキル?」
「職業盗賊のスキルの一つです。そう言えばソラヤさんも盗賊でしたね。目を閉じて、物音を聞くイメージで集中して下さい。」
「ん〜……。」
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ソラヤはスキル【聞き耳Lv1】を覚えた。
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「お。覚えましたよ。」
「流石です。それで人の声を逃さないよう聞く事で、割とすぐ上がっていきま…」
―ガチャ。
「…よ。」
「皆んなここで何をしている!」
「なぜバレた!」
「ソラヤさんが、変なスキルを覚えたからだ!」
「しまった。ギルマスはソラヤさんと同じパーティでした。盲点です。」
「アリー。コーヒー頼んでいいか?」
「そうね。すぐ持って行くわ。じゃ、ギルマス。」
「あ、ちょっと!もう!」
ファイルさんの咄嗟の機転が凄いな。
一緒に聞いていたのに、さも今来たような行動だった。
アリーさんに用事を頼んで、この場は収まり…。
「それで?ソラヤさんとブルームさんは何をしていたのかな?」
「あ〜それは…。」
そうか!こっちは何も解決してない。
笑顔で詰め寄るローゼさんが怖い。
この状況を打破する方法は何か!何か無いのか!?
「何って、覗き見だよ。ローゼさんとクロイさんを2人っき「わぁ〜、ブルームさん。」…もごもご。」
「シーは何だって?」
「なんでも無いぞ。ほら、戻ってこい。魔物の図鑑があるぞ。」
「あるのは知ってるけど。まぁ少し気になるし見てみるか。」
「そうだな。それでいい。」
なぜかシーが素直に答えたら、何事もなく終わった。
正直に答えるのが、良かったのか?でもその後もシーは何か言っていたような。
考えても分からないし、今回もスルーをした方がいいと思った。
その後は、お母さんとお父さんが戻って来るまで、皆んなで図鑑を囲んだ。
魔物の特徴や、戦闘の注意などを教えてもらった。
こうして、平和な時間がギルドに流れるのであった。




