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少年と執事とお手伝いさんと。〜全ては時の運〜  作者: みけな
第一章 神様と友人と仲間と。
21/203

21話 子供の甘い雰囲気?

少し甘めな雰囲気が、あるのかもしれません。

たぶん、いや、大丈夫か?

目が覚めた僕の目に、入ってきたのは青い空。

あぁ眩しい。


「…ここは?」

「ここは……どこかの草原。」

「草原。僕は何でここに?」

「あのですね。あれは事故でして、その…ごめんなさい。」

「ごめんなさい?別に何も問題ないでしょう。」

「いやでも、心配してくれた人を…突き飛ばすなんて。」

「あぁ。いや、ダメージ食らった事無いし、貴重な経験だったよ。」

「そう言うものですか?」

「そう言うもんだ。」


始めのやり取りは、つい最近した記憶がある。

とにかく気にしないでもらえればいい。

それより気になる事がある。


「この状況は、どう言う事なんだろうか。」

「あの、地面に寝かせるわけにはと思いまして。」

「それで膝枕なのか。」

「はい。いやかもしれませんが。」

「そんな事は無いよ。ありがとうシー。」

「いぇ…そんな…どういたしまして。」


膝枕で草原に寝そべるって…気持ちいいもんだな。

なんて言うのかな、自由な感じがする。


「そう言えば、クロイ達は?」

「さっきまでいたんですが。ソラヤ君が少し起きる前に、護衛と言って離れてます。」



➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖


《ウルフLv10を倒した。1(5)の経験値を得た。》

《ワームLv10を倒した。1(5)の経験値を得た。》

《ワームLv10を倒した。1(5)の経験値を得た。》

《ワームLv10を倒した。1(5)の経験値を得た。》


➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖



「なんか暴れてるみたいだね。」

「それって、ウルフやワームを倒しました、ってやつですか?」

「そうそう。こう言うの感じた事ある?」

「はい。ウルフを倒した時に。」

「そう言えば、戦う事もあるって言ってたね。」


この感覚は、こに世界の人皆んなあるのだろうか。

でも、メニューとか知らないみたいな。

一人一人が、神様とか、女神様に会えないんだろうなぁ。

ん〜振り分けとか、教えちゃいけないものなのか?

クロイが来た時に相談してみるか。



「あの。そ、ソラヤ君。」

「ん?何?」

「ソラヤ君達は、その…次に行くとこ決まっているの?」

「決まってないよ。とりあえず、南の方に向かおうかなって。」

「そうですか…。」

「何かある?やりたい事があれば、付き合うけど?」

「……。」


言葉が見つからないって感じで、黙ってしまうシー。

ここからじゃ、顔が見え無いな。

シーは今、どんな顔してんのかな?


「よっと。」

「あ。」


いつまでも膝枕って疲れるだろう。そう思って僕は起き上がった。

なんか少し、曇った顔をしているな。


「ごめんね。いつまでも膝枕してて。辛かった?」

「いえいえ!もう起きちゃうのかって……って違うの!」

「何が違うか分からないけど。シーの顔が見えないし、辛いかなって思って起きただけだよ?」

「そそそ、そうですよね。別に私は辛く無いから!むしろいつでも…って違うの!」

「まぁ落ち着きなよ。嫌じゃ無いし、なら今度お願いするよ。」

「本当に!?あ、えっと…お待ちしてます。」

「うん。その時はよろしく。」


今度は真っ赤になって、静かになるシー。

あれ?結局、何の話だっけ?




「「それで…。」」

「…いえ、先にどうぞです。」

「そう?と言っても、シーが何か言おうとした事が、聞きたかったんだけど。」

「うぅ…。」

「なんでも言ってみなよ。話はそれからだよ。」

「は、はい…………ソラヤ君は、王都って行ったことある?」

「王都?お城とかある、あの?」

「うん。」


王都どころか、人に会ったのもシーが初めてだしな。

町はおろか、村にだって言った事ない。

って言うのはおかしいだろう。なんて言おうかな〜…原初の森とか言っても平気かな?


「よし。これにしよう。」

「え?」

「あ、なんでもない。王都は無いかな。」

「そっか……。」


何かありそうな感じがするけど、中々言い出さないな。

行きたいのか?


「シーは行ったことあるの?」

「ううん。私も無いの。」

「なら、行ってみる?ここからどれだけあるか、分からないけど。」

「え?いいの?」


お、食いついてきた。やっぱり王都に行きたいのか。


「僕達は強くなる為に、旅してるだけだからね。目的地は別に無いんだ。」

「強くなる為の旅…家族で?」

「うん。何かおかしいかな?」

「そんな事ないよ。何か目的があるんだろうし。」

「目的か……むしろそれを探す旅かな。行ってみたい所はあるけど。」

「どこ行きたいの?」

「龍の郷ってジルは言ってたかな。あ、ジルは友達ね。」

「龍の郷!?あの?」


あ、これ言っちゃダメなやつか?

シーがめっちゃ驚いた顔してる。


「え?何か変だった?」

「龍の郷って、ドラゴンが管理してる国だよね?」

「管理してる国か…。」

「私も詳しくは、知らないんだけど。前に勇者様が、行ったと言われていたから。」



ジルが前に勇者が、来たとも言ってたな。

そんで、奥さんがその郷を管理してるとも。

そうか、ドラゴンの国なんだ。ふーん。


「そんな凄いとこなんだ。話にしか聞いてなかったから、僕も実際よく分からないんだよね。」

「そうなんだ。でも、行けたらいいね。」

「まぁ勇者が行ってるんだから、僕らも行けるんじゃないか?」

「そうなの?勇者様くらいしか、行けたって聞いてないから。危険な場所なんじゃ?」


危険なのか?でもジルが誘う訳だし。

きっと行けるんだろうなと思っていた。

まぁ簡単に行けるとは、初めから思ってないけどさ。


「方法とか色々調べてみて、危ないとこなら、強くなれば、いいだけだし。」

「なんか、ソラヤ君が言うと、本当にいけそうだね。」

「でも、旅なんだし。行ける可能性があるなら、行きたいじゃん。」

「行ける可能性があるなら…か。」



何やら考え込んでしまったシー。


「よし。じゃ〜まずは王都目指そうか。」

「私が行きたい理由とか聞かなくて……いいの?」

「行きたいんでしょ?なら行こうよ。」

「そっか。それでいいんだよね…。」


何かに悩んでるみたいだな。

会ったばかりの僕には、言いづらい事があるだろう。

今はまだ聞かないでおこう。


話題変えないとだな。何がいいかな〜。


「そう言えば、シー。1つ聞きたいんだけど。今何歳なの?」

「え?13歳だけど。」

「そうか。歳上なのか。」

「歳上?ソラヤ君は何歳?」

「僕は12なんだ。そっか、上なのか…。」


やっぱりお母さんが見た、13歳は合っていたわけだ。

名前と年齢にLvが分かるって、改めて考えると凄いよな。

逆に使い所を、考えないといけないな。


「そ、ソラヤ君は、歳上は嫌い?」

「歳上?ん〜人によるかな。でも好きじゃない人が多いと思う。」

「え…。」

「ん?シーの事は好きだよ。」

「ひゃ!?にゃにゃにゃにを!!」


しゅんって顔してたから、頭を撫でて元気付けてあげる。

うん。なんかもの凄く元気になった。


「あ。歳上なのに、ごめん。元気が無い人には、頭を撫でてあげるといいって、クロイが言ってたから、つい。」

「クロイさん、いい仕事です!」

「へ?何?」

「あ、なんでも無い!ないよ〜へへへ。」

「まぁ元気になったなら、それでいいよ。」

「出来れば…もう少しお願いします。」

「うん?元気足りなかった?よしよし。」

「っ……!」


頭を撫でてあげると、顔を隠してバタバタし始めた。

撫でにくいな。僕より少し背が高いし。

シーを座らせて、僕が立つと撫でやすい高さになった。

ふむ。お座りした犬を撫でてるようだ。そう言えば、近所のあの犬元気かなぁ…。



戦闘の音もしないし、どこ行ったのかと思えばあんなとこに。

多分だけど気を使って、歳の近い僕だけにしたのかもしれないな。

それでも隠れるなら、ちゃんと隠れて欲しいもんだな。

…なんか豪ニィが倒れた。

栄ネェが必死に治癒の魔法をかけてる。

黒ジィに至っては、微笑んでるのがよく分かる。


いつもは撫でられてるけど、人を撫でるって気持ちいもんだなって少し思った。


向こうは向こうで、暫くしたらこっち来るでしょう。

それまでは、シーを撫でて待つとしよう。


あ〜サラサラしてて、気持ちがいい、癒されるわ〜


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