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少年と執事とお手伝いさんと。〜全ては時の運〜  作者: みけな
第四章 人間と天使と神様と。
196/203

196話 不思議な現象。

 穴から出てきた天使は金色の髪の毛先が赤黒く、ロングヘアー。羽根は4枚で所々黒い物になっている。


 そして何よりだ……。


「パーマがストレートに。」

「え?そっち?ソラヤ、どう見てもサイズに突っ込もうよ。」

「メイクさんの言う通りサイズに驚きですよね。龍化したリナさんくらいかな?」

『そんな事より、なんとも禍々しい魔力だ。』

「やはり、ミカエル貴方は……。」


 だって金髪クルクルがロングヘアーだよ?そっちに驚くでしょう。メイクもマレット君も大きさに驚いているけど、リナだって大きくなるんだよ。それくらいは許容範囲だよ。


 最後に声をあげた杖を支えに起き上がるサリエルさん。顔は少し曇って見える。


「……落ちましたか。」

「落ちる?登ってきたけど?」

「いえ、天使として…です。」


 天使として落ちる?あれか?堕天使的な。それで羽根が少し黒いんだな……。


「じゃ〜何故髪の毛がストレートに……。」

「ソラヤそこはいいから。」

「いや、メイク。分からないのはそこくらいなんだよ。」

「魔力が髪の毛の繊維の先まで流れています。きっとそれが原因でしょう。」

「真面目に答えてるし、理由もあった!?」


 成る程それであーなったのか。


 どちらにしろ……。


「あれを倒せば天使が攻めて来たりしないよね?」

「ほほ。まさにラスボス。腕がなりますね。」

「空ちゃん。女神さんの回復は無いから無理はダメだよ。腕はくっついていれば治せるから。気をつけて。」

「大丈夫だ。ソラヤ達は俺が守る。」


 クロイは何か嬉しそうに笑う。こっちに来て少し若くなったか?いや、見た目は若いんだけど。他のそうにする様は僕と変わりないだろう。

 母さんは一応心配してくれるけど。腕がくっついてればって、取れなきゃいいって言い方に聴こえて怖いです。

 父さんは相変わらずで、だけどとても頼り甲斐がある。兄の様に慕って来たけど、今では立派なお父さんだと思っている。


「空飛んでるから私が出来るのは落ちてからかな。あ、師匠の技で空まで飛べるかな?」

「ダメよブルーム。飛べても着地の手段がないわ。翼もないのに。」

「やめろナイト。そんな事を言うと、今度はブルームが翼を生やそうとする。これ以上人からかけ離すな。」

「ちょっとローゼ私はそんなにバカじゃないよ!翼なんて……ちら。」


 シーはリナに目で確認しているが、リナは僕を見てくる。その目からは話して良いのかと聞かれている様で……え?出来るの?いやいや、ぶっつけでそれはやめて。あとで教えて欲しいって事で首を振る。それを見ていたであろうシーはキラキラした感じで大きく頷いた。かわいい……。

 ナイトはいつも冷静な感じだけど、シーのお姉さんをやって少しだけ活発的になった。もともと城から抜け出すくらいだから、僕たちにも慣れたということかもしれない。

 ローゼは皆んなのまとめ役。堅かった感じもなくなり、とても柔らかく接してくれる気がする。姉がいたらきっとこんな感じなんだろうなって密かに思っていたり。


「天使がこんなになるって、もしかして私も大きくなっちゃうのかな?」

『あれはただ魔力を余らせて膨らんだに過ぎん。メイクはそうならん。』

「そうですね。大きいですが、メイクさんの持つ強さとはまた違います。」

「あーもう1人の私か。強いみたいだもんね。あ!手紙読んでない。今読んどこ。」


 メイクは魔界で会ってからここまで一緒に来た。初めはLv1だったけど今では頼れる感じにまで成長してくれた。そして森に入る前に渡したはずの手紙を、今読むって言うマイペースな子である。

 マレット君は防御のスペシャリスト。僕の無茶にも付き合ってくれる初めての男友達。僕に付いて来てくれて正直嬉しかった。

 リナと始めはの出会いは戦いだった。凍らせたりお腹に穴を開けたけど、おかしな人間って事で一緒について来てくれた。暇つぶしだったかも知れないけど、今まで居てくれたおかげでだいぶ助かっている。


「ソラヤ……。」


 サリエルさんは仲間って訳じゃないけど、一緒にご飯を食べた中だ。そして僕が守ると言っておいて、怪我をさせてしまった。物凄く強いはずだけど、何故か危なっかしく感じてしまう。だから今度こそ守ってみせる。


「父さんはサリエルさんをお願い。怪我はなくても血までは作れないから。」」

「分かった。」

「母さんもついててあげて。」

「うん。分かったよ。」


 今一番危ないのはサリエルさんだ。僕が守りたいけどこれが最善。僕に出来る事はミカエルから目をそらす事。それが守る事に繋がると思う。


「マレット君。もし皆んなに攻撃来たら、耐えるじゃなく方向をずらす事が出来るかな?」

「攻撃範囲が狭いものなら出来るかも。いや、やってみせるよ。でも広いものは二重、三重にして守る方がいいと思う。」

「分かったそれでお願い。」

「うん。」


 おどおどした感じんがなく、むしろ意見をしてくれるくらいになっている。今ではとても頼もしく見える。


「クロイはさっきの魔法を。」

「ほほ畏まりました。」

「リナは人型で空中戦をお願いするよ。」

『的は小さい方が当たらないか。良いだろう空中は任せよ。』

「僕も前で戦う。他の皆んなはミカエルが落ちるまで周りの住人の避難を。」


 この街から誘導するにも時間の余裕もない。そうなるとここが戦場になる事は明らか。すでに逃げ回っているけど、皆んなバラバラでただ慌てているだけ。メイクに優しかった住人の人達もなるべく被害を抑えたい。


「人間ガァァァァ!!どこ行った!!!」

「時間はかけないよ!全力で落とす!僕が一撃入れてから皆んな動いて。」


―ッダ!


 周りに人が居なくて、見晴らしがいい場所は……。


「ここだ。」


 初めは派手に行こうじゃないか。

4月に入ってからPVが伸びている。ありがとうございます(*´-`)


次回は4月10日(水)12時予定です。

よろしくお願いします。

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