表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
少年と執事とお手伝いさんと。〜全ては時の運〜  作者: みけな
第四章 人間と天使と神様と。
176/203

176話 戦闘好きの試練②

 シーの一撃を当ててみよう。だけど見るからに強力な攻撃を受け止める保証はない。


「ソラヤどうします?当てるのも大変そうですけど。」

「大丈夫クロイ、作戦はある。それとマレット君ちょっと相談が。」

「戦う最中に作戦?そんな余裕本当は無いんだよ?」

「知ってるよ。だから…。」

『我が遊んでやろう。』


―ッシュ!


「おっと!」

『中々の反応速度だ。だがその余裕いつまで続くかな?』

「1、2、3、4……。」


―キュン、キュン、キュン、キュン。


「ん?どこに投げてるの?」

「準備完了。いっくよ〜。」


―ビュン!ビュン!


「単調ね〜」

「これ意外に神経使うんだよ?」


 簡単に避ける王妃様。でもメイクの狙いはそれじゃ無い。そろそろだな。


「すぅ……はぁ!!」


 王妃様から赤と黒の何かが出る。


―ギン、ギン、ギン、ギン。


「後ろからのは分かっていたぞ。」

「今度は避けずに弾くんだ。」

「そりゃ〜…。」


―ビュン!


『我のは避けるのか?』

「一度貴女の攻撃は受けたし。あれは結構ギリギリで、何度も受けたら苦しくなりそう。」

「それ言っちゃうんだ。」

「隠す必要もないからね。それに言えばそれに対して、対策をするでしょう?楽しみだわ〜」



 戦闘をあんなに楽しそうに話す人なのか。それじゃその期待に応えないとね。


「クロイ行くよ。」

「えぇ。腕がなりますね。」


 僕がハンドガン片手に走り込む。


「次は君か!どんなのを見せてくれる。」

「ご期待に添える様に……。」

「致しましょう。水神様お願いします。」


―ブクゥ……バァァン!


「ん?特に効果はない様だな。濡れてもどうともないぞ。」

「それがあるんだ。」

「そなたの攻撃は当たらぬ……ん?」


―バリ…バリバリ!!


「あばば!!」

「当てなくてもいいんだよ。水は電気を通すって、理科でやったからね。」

「まだ行きますよ。火神様、竜巻で。」


―ゴォォォォン!


 王妃様の足元から巻き上がる炎。水が蒸発して白い煙が出てくる。これを…?


「白い煙なんだっけ?」

「これが水蒸気ですぞ。」

「あーそんな名前だった。」

「そして更に炎の竜巻に、軽く水を当てて水蒸気を追加します。」


―ブクゥ…ザァァ。


「これの意味は?」

「水蒸気は上に、冷気を少し足しますと……雲を作るのです。」

「へぇ〜で?」

「久し振りなので、皆様の気合が見えますね。」


―ゴロゴロ……。


「それは雷雲となり……マレットさん先程のを。」

「設置しました!」

「では、皆様離れて下さい。遠雷の音ランブリング・サンダー!」


―ピカ!!……ズドォォン!!!!


 これ前に見たな〜。カエルだったかが一撃で真っ黒だった。雷の勢いで炎の竜巻も消えた。


「おいクロイ。それは撃つ時に私に言えと言った気がしたが?」

「ほっほ。ローゼ。撃ちました。」

「事後報告じゃ遅いからな?」

「ほっほ。ソラヤ次は考えてます?」


 煙が晴れてきて、人影が見える。


「効くわ〜。竜巻がただの足止めかと思いきや、少し息苦しかったわ。あれは何かしら?」

「火は酸素を使い燃えます。竜巻による中心部の真空状態。それが答えですよ。」

「教えてくれるのね。それとソラヤくんもそうだったけど、雷属性の魔法なんて存在するのかしら?」

「わたくしのは複数の属性魔法を組み合わせ、イオンによる静電気です。ソラヤのは…謎ですな。」


 なんだか難しい話をしている大人2人。クロイは見た目は僕と変わらないけど。


「博識な少年ですね。」

「ほっほ。ありがとう御座います。」

「しかし、同じ技は2度は効かんぞ?」

「いえ、まだ終わってませんので。」


―ブォン。


「いっくよ〜!」


 そんな掛け声出したら、マレット君の転送で死角から出た意味がないよ。


「そんな言葉を発して、奇襲の意味を分かっているのですか?」


―ブォン。


『我もそう思うぞ。』

「!?」


 シーに向きを変えた王妃様の、死角から今度はリナが出てくる。声のかけたも上手いし、攻撃の軌道もどちらも回避するのは難しい。さてどっちを選ぶ?


「せあ!!」

『ふん!』

「っく!」


―ゴッ、バキィ……バリン!


「かは!?」


 当たったのはシーの一撃。散々派手な攻撃を仕掛けてきたリナ、見た目は僕と変わらない女の子供の一撃。どちらか食らうとしたら、シーの方を選ぶ気持ちはわかる。


「やった。当たった。」

『う、うむ…………嫌な音がしたな。』


 腹部を抑えて立ち上がる王妃様。


「や、やるわね。小さい体のどこにそんな力が?」

「どこってここ?っふ。」


 腕を捲り上げ、力こぶを作ろうとする。


「どちらにしろ、油断した事には変わらん。素晴らしい連携だったよ。」

「僕らも向こうに行く前に動きを確認できて良かったです。」

「ちょっと心配だったけど、子供を信じて見送るのも親の務めよね……。よいしょ。」


 目の前から消えて、行方を目で追うと椅子のある所まで移動して座った。


「あぁ。こんなに動いたの久しぶりでしんどいわ〜。少し休ませて。」


 これで戦闘終了?ステータスを見ても何も変わりはない。戦いが好きな割には終わりがスッキリだな。てっきりもっとボロボロになるまでやると思ったのに。


 とりあえず、戦闘する気はなさそうだから僕らも休憩する。


 1日って言ってたし、今のは準備運動だろう。次はどうするか、頭の中で色々考える。あれ?僕ももしかして戦闘好きなのか?……まぁいいか。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ