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少年と執事とお手伝いさんと。〜全ては時の運〜  作者: みけな
第四章 人間と天使と神様と。
174/203

174話 お母さんは秘密主義?

 一晩寝て気持ちのいい朝を迎える。


「ん〜よく寝た。」

「ソラヤ……起きる?」

「ふぅにゃ……すぅ。」


 今回は絡まれてなかったので、すんなり起きれたけど。どうして2人が僕の横で寝ているの?あーいいや。ここは流そう。


「クロイが寝てるから、まだ朝ではないのかな?……一度森に行って来るね。」

「ん。私もいく。」


 なんとなく見ておいた方がいい気がして、僕はシーと一緒に森に向かう。メイクは起きなかったのでそのまま寝かせておく。あまり朝強く無いししょうがない。


「あー……クロイが呼ばれた理由はこれか。」

「見晴らしはいいね。」


 森に囲まれ扉も隠れていたのに、これじゃ丸見えだ。


「倒れた木と至る所に焦げ跡を見るに、火の魔法で戦ったか。」

「この木は拳で砕けた感じがあるよ。」

「こっちは根っこごと引き抜かれた感じ。しかし普通森で火の魔法を使うかね?」

「まぁナイト姉だし。」

「ナイトって言うより、あの王妃様な気もするけど。」


 あまり言葉を交わした訳ではないが、木を引っこ抜くのはナイトに出来ないだろう。そうなると王妃様も無茶をするタイプだと本能が告げる。


「くしゅん。」

「まだまだ寒いね。シーは薄着だし、何かかけるもの……。」

「これでいいよ。」


 僕の腕にしがみつくシー。まぁ人肌が暖かいか。シーがいいならいいか。

 しばらく森の状況を確認。気配を探ったが魔物がいない。これだけ見晴らし良ければ、扉に近づいて来るだろう。


「ちょっとやり過ぎちゃったかしら?」

「「!!」」

「2人ともおはよう。朝からデートなんて妬けちゃうわ〜。私も若い頃を思い出すわね。」

「デデデ!?」

「王妃様おはようございます。」

「お、おはよう?あれ?」


 扉から出てきた王妃様はニヤニヤしている。この顔は楽しんでる顔だ。シーは顔真っ赤に疼くまったけど、僕は普通に挨拶した。


「ふむふむ。君は冷静だね。」

「まぁデートだし。」

「ソラヤ!?」

「あらあら。そんな恥ずかしがっちゃって可愛いわね。」

「シーが可愛いのは知ってます。」

「しょ、しょりゃやややや!?」


 これ以上はやめておこう。シーが壊れてきた。


「それで王妃様はどうしたんですか?」

「そうそう。昨日のご飯ですっかり忘れていたけど、この森にはどうやって?」

「南の人間界から来ましたよ。」

「南の門?あそこを攻略してきたの?嘘でしょ?」


 ここまで来た経緯を話す。王妃様はどうやら南に龍神がいる事を知っているらしい。いなかった事だけ話して、もし何かあってもリナがいる事も話した。そして……。


「東の天使の地ね……。」


 天使の地へ行く話をした後、さっきまでとは違う顔をする。


「決めたわ。ソラヤくん、もう1日ここにいなさい。」

「え?そんなゆっくりしてる場合じゃないんですが。」

「それは知っているわ。だからこそよ。」

「だからこそ?」


 ん〜何か考えがありそう。ここまで予定より早く来ているし……。


「分かりました。もう1日ここにいます。」

「そうよね。先を急ぐ貴方達を止めるのだもの。説明くらいする…わ?」

「どうかしました?」

「あ、いえ。簡単に決めていいのですか?」

「はい。何となくだけど、強くなれる気がして。それにマレット君とナイトのお母さんだし。何か心配なんだなって感じました。」

「君は凄いね。参ったわ。皆んな一緒に話すわ。戻りましょう。」




 扉を戻って中に入ると皆んな起きてた。


「空ちゃんお帰り。ご飯だからメイクちゃん起こしてきて。」

「メイクまだ寝ていたの?分かったよ。」


 何事も無かったかのように、朝食をとってここに1日残る事を話をした。


「では、改めまして。魔界の王ブラッドが妻、マレットとフリージュ…ここじゃナイトかしら?2人の母。そしてこの原初の森で北の門を守る守護者。魔神ライオス・ディ・フェンス。よろしくね。」

「「魔神??」」

「あれ?ブラッドから聞いてないの?」

「「ないないない。」」

「2人とも仲良しね。息ぴったり。」


 驚くマレット君とナイト。子供が知らないって隠していたのだろうか?魔人って言葉に驚いていたけど。


「魔神ってあの魔神だよね?ママは魔界の神様って事?」

「そうね。」

「母上が神様なら、その僕達は……。」

「魔王と魔界の神様との子供よ。」

「「……。」」


 おう、魔人って魔の人じゃなくて。魔の神の方か……魔神って何だ?


「そういう事だから皆んな……かかってらっしゃい。」

「あれーそうなるの?」


 稽古をしてくれると思っていたけど、まさかの戦闘?魔神ってどれだけ強いの?


「さぁ始めましょう!!」


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