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少年と執事とお手伝いさんと。〜全ては時の運〜  作者: みけな
第三章 敵と魔族と人間と。
132/203

132話 危ないものは即禁止。

作成した弾丸を全部回収。これだけ撃って、ほぼ同じ量を回収出来るとは思ってなかった。


「しかし、よくもこれだけ作れたね。」

「作る素材があるし、どんな効果なのか目の前であれだけ見れば。」

「素材と効果見れば作れるの?」

「どうだろう〜?さっきのは簡単な部類だったし。」

「簡単てどんな感じで?」

「何かに装填される弾丸を調べてみる事をしたの。発射後の空気抵抗軽減、貫通性能を上げるために回転数を上げる。貰った弾を見て、素材とそれをする為に必要な術式を解読した。」


お、おう…何それ?僕ですら知らない内容なんですけど。魔力込めれば遠くに飛ぶのは、そう言うからくりがあったのか。

それと僕には全く分からないけど、術式を解読って何?この弾丸撃つのに、そんな複雑な事が起こっていたの?


「簡単じゃないのは分かった。僕には出来なくて、メイクにしか出来ない事なんだろうね。」

「私にだけ…。」

「そうそう。だから自分に自信持って。さて〜魔物でも回収しようか。」


同じ姿勢で銃を撃ち続けていたからか、体が少し硬い。休憩も兼ねて、撃ち落とした魔物を回収してくるかな。


「どこに行くの?」

「撃ち落とした魔物を回収しようかなって。素材にもお金にもなるから。」

「行くなら、私も行く。」

「え?いいの?」

「うん。コソコソ外を出歩く事は得意なんだ。」


コソコソ出歩いて、昨日は狼に襲われていたけど?まだメイクはLv10で、外にはLv50がうようよいる所を歩かせてもいいのだろうか。今までのように誰か助けたり、偶然で助かる可能性は多くない。


「それに今はソラヤがいる。物を作る事と魔物は私が持つよ。出来る事を頑張ることにした!」

「そっか。なら僕が守るよ。」


やる気満々なメイク。僕が心配そうにしていた顔色を読んだのか、大丈夫とアピールをしてくる。ならば僕は、守る事に力を入れよう。


そして、洞窟を出てまっすぐ森を抜ける。結構遠くの獲物を撃ち抜いたから、この辺にいっぱいいるは…。


『ガツガツ、グル!』

「多分あそこら辺だね。魔物に食べられちゃってる?」

「まぁ、道端に鳥が落ちてたら狼は食べるか。」


撃ち落とした鳥の魔物は、犬型の魔物に食べられていた。あんなにぐちゃぐちゃにしてたら、素材としては何一つ回収できないな。


「ねぇ、メイクもう一個作って欲しい弾丸があるんだけど。」

「さっきとは違うやつだね。」

「これからあそこら辺に打ち込み続けるから。効果を見て出来そうならお願い。」


―ガチャ。


素材が回収できないなら、せめて経験値は頂くとしよう。食事に夢中な魔物に僕はある弾丸を撃ち込む。その弾丸はもちろん!


「聖魔弾って言うんだけど。」


―ズゥゥン……キラッ、ドォォーン!!


「きゃ!!!!」



➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖


《ウェイストランド・ウォッチドッグ Lv55を倒した。825(1,650)の経験値を得た。》


《ウェイストランド・ウォッチドッグ Lv55を倒した。825(1,650)の経験値を得た。》

―メイクはLv10→Lv11になった。5ポイント獲得。


➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖



―ガチャ、ズゥゥン……キラッ、ドォォーン!!


「ふふ…。」

「ソラヤ!?ちょっと…。」



➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖


《ウェイストランド・ウォッチドッグ Lv55を倒した。825(1,650)の経験値を得た。》

―ソラヤはLv24→25になった。5ポイント獲得。

―ソラヤはスキル【爆破Lv5】になった。

―メイクはLv11→Lv12になった。5ポイント獲得。


《ウェイストランド・ウォッチドッグ Lv55を倒した。825(1,650)の経験値を得た。》


《ウェイストランド・ウォッチドッグ Lv55を倒した。825(1,650)の経験値を得た。》

―メイクはLv12→Lv13になった。5ポイント獲得。


➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖



「ふはは!大漁!」

「はい!すと〜〜ぷ!!」


羽根で後ろから頭を弾かれた。どうやら少しやり過ぎたようだ。やっぱり爆発はスッキリするよね。


「ごめん、ごめん。これ仲間といる時、禁止されてて滅多に撃てないから。撃っているうちに楽しくなっちゃって。」

「私の時も禁止ね。」

「え!?」

「だって、これは私もやばいと思うよ。」


目の前には大きくくり抜かれた凹みが2ヶ所。そしてそこに魔物の痕跡は無い。しまった、これじゃ素材回収も何もできない。


「メイク…やばいの使い方上手だね。」

「そう?ちょっと使ってみたくて…じゃなくて!撃つ時は私に言ってね。」

「はい。」


結局聖魔弾はこっちの世界でも許可制。ちらっと地面に落ちていた弾丸を見たけど無くなっていた。メイクが回収したんだろうけど、聖魔弾は増やす事が出来たのか?聞いても教えてくれない。ん〜作れたか分からないから、聖魔弾はなるべく節約しないと…。


「もしかして、使わないようにする為に秘密?」

「教えな〜い。」

「ぐぬぬ。」


二つの凹みから何か素材が取れないか一応確認する。出て来たのは黒焦げの犬と鳥の残骸だけ。骨って何かの加工に使えないかな?一応回収しよう。


―ったた、ったた、ったた。『ヒィーン…ブルゥ…。』


何かが近くに来て止まった。鳴き声的に馬か何かかな?


「こら!坊主!ぶっ放すなって言っただろう!」

「ん?あ、おじさん。」

「あ、おじさん。じゃ無いぞ!」

「僕気をつけるとは言ったけど、撃たないとは言ってないよ?」

「町に近いところでは撃たないって言ってた気がするが?」


町に近いってそんな…大きな二つの凹みから出る僕とメイク。周りを見渡すのをしていなかった。むら目の前じゃん。そりゃ、おじさんもすっ飛んでくるよね。


「次から私がちゃんと見ますので、ごめんなさい。」

「メイク…なんかもう僕の保護者みたいになってない?」

「そいつは………そうか。メイクって言ったな。頼んだぞ。」

「はい!」

「坊主、ちゃんと言う事聞くんだぞ?」

「そんな聞き分けのない子供みたいに言わないでくださいよ。」


そして、聖魔弾は禁止されました。使い所によれば強い武器なんだけど。人間界でも魔界でも禁止にされる弾丸。でもLvも回収できたし、久し振りに撃てて少しスッキリしたのは言わないでおこう。


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