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少年と執事とお手伝いさんと。〜全ては時の運〜  作者: みけな
第一章 神様と友人と仲間と。
12/203

12話 今明かされる謎。


猪鍋を皆んなで食べた。


「ん。臭いかなって思ったけど、そうでもないんだね。」

「はい。味噌を使い風味を出したりと、臭いは気にならない様調理してますので。」

「ん。うまい。」

「ほほ。柔らかすぎず、硬すぎず、いい感じで御座います。」

「旬は秋から冬にかけてなんですが。それでも美味しいですね。」


猪の鍋。世の中では、ぼたん鍋、シシ鍋と呼ばれているみたい。

栄ネェが言っていたけど、秋の方が木の実を食べる事が多いから、味も甘みが増してさらに美味しくなるって話。

異世界の猪が何を食べてるかは、分からないけど。

これでも十分美味しいから良し。


あっと言う間に鍋は空っぽ。

本当に猪がいて良かったと思う。

猪も元は豚と同じ種類と栄ネェは言っていた。

もし獣人しかいなくて、オーク鍋が出てきたとしたら…少し抵抗がある。




そしてお腹も満たされて満足していた僕等だが、このタイミングで話さねばならない事がある。

食事後の話し合いで、僕は話を切り出した。


「この家から外に出てみよう」

「え?本当に?」

「うん。このままここで過ごしていると、外に出れなくなると思うんだ。」

「家が好きな空様が言うのです。これは早く出ないと行けませんね。」

「その考えが、どうかと思うけど…。まぁいいか。話を続けるね。」


お風呂があって、食事も困らないし、雨風が凌げるベッド付きの家。

野宿や宿に泊まったりと、外ではそれが当たり前な話になるだろう。

こんな贅沢に慣れてしまってはいけない!

この異世界に呼ばれた意味を探すなら、色んな所を自分の足で歩くしかない。




家から左に真っ直ぐは、ゴブリンしか出なかったから、そっちの方向はとりあえず無い。

逆に屋敷の裏側だけど、何も分からない未知数なところがある。

正面がモンスターなどの変化があったって事で、方向はそっちに決まった。


途中に猪が出た事は確認できたし、人が食べれそうな動物がいた事は、きっと意味があると信じて…。

もちろんその先は何があるか分からない。

もしかして裏から行ったら、すぐ森を抜ける可能性だってある。

冒険と行っても、可能性がある方を選ぶのは当然だ。


「じゃ明日は朝食取って出発しよう。それと必要な物は今のうちに準備しよう。」

「あの…今更なんですが一ついいでしょうか?」

「うん?どうぞ豪ニィ。」

「では……黒様はその見た目のままでしょうか?」

「ほほ?そうじゃよ。」

「誰かに会う事を考えると、何か取り決めをした方が良いかと。」

「確かに〜他所から見たら、子供2人に大人2人だもんね。」


言われてみればそうだよなぁ。

僕らだけならこのまま過ごしてもいいけど、他の誰かに会ったりした時とか、街に行ったりすれば絶対聞かれそうな事だ。

設定的なものは必要か。


「これも今更なんだけどさ。なんで黒ジィ子供なの?」

「ほほ。今それを突っ込まれますか。」

「なんか口調とか仕草が黒ジィだから、すんなり受け止めちゃったよ。」

「どこから話せば宜しいかな?」

「え?見た目が変わった訳から。僕と豪ニィと栄ネェは、何も変わってないのに、なんで黒ジィだけ?」

「何も……。」

「変わってませんと……。」

「2人とも〜私は何も変わらないよぅ〜」

「「あ。はい。ソウデスネ。」」

「ん?」


また何か不思議な空気に…だがこれは、触れちゃいけないものだな。

僕は本能的に悟った。空気読める子。


「で?どうしてか話してよ。」

「あ、はい。そうで御座いましたな。」


そう言って話を変える。

黒ジィは見た目が変わった経緯を話しだす。

1番始めに女神様に出会った時に聞かれたはずだと。

『名前』『年齢』『見た目』について。

そう言えば言ってたな。

僕は空矢と答えた、その後は…歳は12で、容姿は別に困ってません。そのままで問題ないですけど。


「うわぁまじか〜その時に身長5㎝伸ばして貰えば…は!」


自分の発言に頭を手で隠した。

頭を撫でようとしない!話を進めてくれ。


「ごほん。それでわたくしも答えました。」

「なんて?」





『貴方もサクサク聞いていいかしら?名前は何ていうの?』

「わたくしは黒井と申します。失礼ですが、お嬢様はどちら様でしょうか?」

『お嬢様だなんて…ん!このエリアに異常な事態があったと、天界より派遣されてきた女神です。』

「ほほ。女神様でしたか。それはお美しい訳です。」

『いやぁぁ〜ははは。』


わたくしの前に現れた方は、何と女神様だったのです。

50年生きてきて、こんなに驚いた事は……空矢様を除いて御座いませんでしたよ。

金髪ロングの童顔な子なんて、中々見る事は出来ませんからな。


『クロイ…さんもソラヤ君も、さっきのお姉さんにお兄さんもか。褒めすぎですよ。』

「ほほ?空矢様に他の方々も、ご無事なんでしょうか?」

『無事?何か事故でもあったの?』

「いえ、朝起きて着替えてましたら、突然目の前が真っ白になりまして。」

『あぁ。それは私が来たからかな?何かあってもあれだし、結界張ったのよ。』

「そうでしたか。皆様がご無事であれば良いのです。」


なるほどですな。突然真っ白な空間に来たのも、女神様が来られたからと。

結界が何かはよく分かりませんが、女神様が大丈夫と言えば、信じても良いでしょう。


『じゃ、話続けるね。年齢はどうする?』

「どうするとは?」

『あ、質問来た。いや、これが普通なのよね…。』

「如何されました?」

「んーん。こっちの話。』


そう言って女神様は、しっかり説明して頂きました。

些か、何かを読んでいるような感じがしますが、それはそれで。

どうやらわたくし達4人は、異世界という場所に飛ばされたとの事。

そして今はここで生きて行く為の、器を選定する空間という事も。


「ほほ。それは一大事ですな。して、わたくし達は何故ここに来たのでしょう?」

『それは……書いてない!?…えっと、こに世界での問題を解決して欲しいのよ!』

「ほほう?その問題とは?」

『うぐぅ。そ、それは…貴方達が、世界を周り見つけて。そう!自分で見つけないと意味がないのよ。』

「そうでしたか。ヒントを頂き感謝で御座います。」

『良いのよ。私は女神なんだし、人の子を助けるのは、当たり前よ。』


この問題は、これ以上聞いても話が進まなそうですな。

後で空矢様達とお話しすればいいでしょう。


「それでなんですが、年齢とは自由に決められるのですね?」

『え、ええ。あ、人が生きられない年齢はダメよ?種族は変えられないからね。』

「ほぅ。では13才では、どうでしょうか?」

『オーケー。それなら問題ないわ。』


簡単に通りましたな。

この世界を周ると仰ってましたし。

50歳では些か厳しいものがありますからな。


『じゃ、見た目はどうする?貴方の若い顔がよく分からないから、細かく情報が欲しいわ。』


それは困りました。

なにせ幼少期の顔はよく覚えておりません。

わたくしが想像できるのは空矢様くらいで…。


「お、であれば、空矢様の体格に。一つ年上なので気持ち大きく。」

『ソラヤ君ね。気持ち大きく…5㎝くらいでいいかしら?』

「はい。目元はどちらにしましょう。豪さんの様にキリッと少しつり目な感じで。」

『ふむふむ。ててい。』

「鼻と口元をエイリさんと似せて貰えれば。バランスの良い綺麗な方で御座いますし。」

「さっきの3人ね。はいは〜い。これで良しっと。」


鏡が無いのが残念です。

割と遊んでしまいましたが、何かしら似ていた方が、後々何かに使えるでしょう。


『は〜い。次は職業をきめるよ。一度決めたら変えられないから、ちゃんと選んでね。』

「ほう。どんなものがあるのでしょうか?」

『んと。戦士、魔導師、盗賊、神官、商人、格闘家、発明家…1、2、3……7、うん、合ってる。』

「その中であれば、ソラヤ様は盗賊で、豪さんは戦士でしょうか。」

『え?凄いね。当たりだよ。』

「ほっほ。栄理さんは…格闘家でしょうか?」

『ざんね〜ん。神官でした。』


栄理さんが神官?わたくしの理解が間違って無ければ、神官とは神に仕える者。

慈悲深く、なんらかの癒す効果のある職業な気がします。

殴る蹴るなど、無心で出来る職業では無かった。

栄理さんに家事以外に出来るのでしょうか?


『その心の声、全部口に出してるよ〜』

「おっと、わたくしとした事が。」

『クロイさんの慈悲深く癒す職業って事は合ってる。皆んなに安らぎを?みたいな事を言ってましたよ。』

「あぁ。それなら納得です。」


そうなると、どうしましょうか。

商人と発明家は、戦闘系職業では無さそうですね。

戦士と盗賊が居るわけですし…格闘家もスマートで無いですね。


「では魔導師でお願い致します。」

『了解。聡明な感じが貴方にぴったりね。』

「ほっほ。女神様には及びませんよ。」

『ふふふ』

「ほほほ。」




「…と言う訳です。」

「そこで終わりかよ!?」

「ほほ。後は始めに言いました。【女神様の話仲間】の由来は長くなるので、想像にお任せ致します。」

「あ〜愚痴か。じゃ〜いいや。」


要約すると、初めての仕事で練習したのに!説明も何もなくて!!努力が無駄になるかと思ったの!!!

っと言われたとの事。それは女神様に申し訳ない事をした。


「目元は俺なんですね。」

「鼻と口元は私ねぇ…。」

「そうまじまじ見られますと、困りますな。」

「でも、始めて会った時に自分に似てるって思ったんだけど。」


体格や髪型は同じで、身長は5㎝も大きいけど。

目元が豪ニィで鼻口元が栄ネェっとなると…。


「あ、いい事思いついた。僕らは家族で旅をしてる事にしよう。」

「家族ですか?まぁ空様とは、もう家族って思っておりますが。」

「私も〜空ちゃんのお姉さんっとしているんだけど〜?」

「それは僕も一緒です。ではなく、黒ジィ…クロイを兄として。」

「ほほ。兄ですか。面白そうですね。」

「豪ニィ…ゴウをお父さん。栄ネェ…エイリをお母さん。」

「「へ?」」

「成る程ですな。文字通りの家族で御座いますか。」


こうして僕の新しい家族が出来ました。


「「って、えぇぇぇぇ!!!!」」


2人が何か言ってますが、顔も似てるんだし良いじゃないか。

別に嫌そうではなさそうなので、この設定で行くことに決まりました。


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