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転生勇者は異世界で少女たちと戯れたい。  作者: 上城ダンケ
第二章 ヴァルヒルダとの邂逅
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ドラゴン一匹、魔人多数、十時の方向から飛来

 フレイアと一緒に廊下を走って、司令室に到着した。

 窓から見える天空要塞は、細長い形をしており、要塞というより船という感じだ。

 ただ、海に浮かんではいない。空に浮いている。


 司令室には十人ほどの少女たちがいた。

 中央に巨大なテーブルの形をした鏡がある。赤い点や青い点が光っている。

 これが探査魔鏡とかいうやつだろう。


 前方と天井はガラス張り。一番先頭には大きな舵があって、ボーイッシュな黒髪ショートヘアの女の子が「おらおら! あたんねーよ!」とか言いながら舵を操作していた。


 少女たちに服装に言及せねばなるまい。生地が薄い。ボディラインに沿っている。

 いろんなところのいろんな形が見えている。たまらん。

 

 俺が女体鑑賞にいそしんでいると、

「ここに座って」

 とフレイアに言われた。

 言われるがまま、デラックスな椅子に座る。司令官の席なのだろう。

 隣のややデラックスな椅子にフレイアが座る。そっちは副司令官の席だな。


 フレイアが小声で、俺に語りかけた。

「いい? あなたは基本的に何もしなくていいから。全部私が指揮をするから」

 俺はコクリと頷いた。フレイアも頷いた。フレイアは席に座ったまま、指揮を執りだした。


「敵の数は?」

「ドラゴン一匹、魔人多数、十時の方向から飛来」

「ドラゴン?」

 フレイアが眉間にしわを寄せる。

「仕方ないわね。……ロファール様、出陣の用意を」


 今なんつった?

 フレイアはもう一度繰り返した。

「ロファール様、出陣です! 出陣の用意を!」


 しゅ、しゅつじん?

「おい、フレイア、何もしなくていいって言ったじゃないか!」

 俺は小声でフレイアに言った。

「それは全軍の指揮のこと! 戦いは別! 私言ったよ、先頭に立って戦ってもらうって!」

 フレイアも小声で俺に言った。

 

「さあ、ハッチに行くわよ!」

「ハッチ?」

「そう、ハッチ。そこから甲板に出て、敵と戦うの」

 フレイアに連れられ、司令室を出た。途中、ロファールの、つまり俺の部屋に立ち寄り、戦闘服に着替えさせられる。


 ハッチに着いた。数人の女の子が既に待機している。全員、手に杖を持っている。

「フレイア様、戦闘用杖を持ってきました」

 ハッチの方から別の少女がやって来て、フレイアに杖を渡す。真っ白だがどこか透明感がある素材で出来ている。フレイアが杖を手にすると、杖は青白く光り出した。


 戦闘用の魔法杖だ。魔法力の回復を早めると同時に、魔法の効果を高める。

 特に、この杖で空中に呪文を描くと、口で呪文を唱える何倍ものパワーを引き出すことが出来る。


 って、『魔法全書』に書いてあった。


「ハッチを開けて!」

 フレイアが叫ぶ。ハッチが開く。空母のような広い甲板が目の前に広がる。ところどころ砲台があり、その砲台では少女たちが魔法弾を打っている。魔法弾は砲身で増幅され、敵に向かって発射されている。

 敵はまだ遠くにおり、時々着弾する敵魔法弾も、まだ魔法障壁とかいうバリアではじかれているようだ。この魔法障壁、内側から魔法弾を打つことは出来るようだ。良く出来ている。


 だが、魔法障壁もそろそろ限界のようだ。何もない空間にひび割れみたいなものが発生し、そこに火花のような光が見える。おそらく、魔法障壁のほころびだろう。


「ロファール様、いきましょう!」

 フレイアが俺に向かって叫んだ。俺たちは甲板に飛び出した。

 甲板中央あたりで、フレイアが立ち止まった。フレイアが指示を出す。


「敵はドラゴンに魔法大砲と遮蔽装置を積んでいると思われます。まず、ドラゴンを護衛している魔人を皆で倒します。魔法砲台主、および黒魔法使いは、可能な限り魔人を倒しなさい!」

「はい!」

「魔人排除後、私とロファール様がドラゴンを倒します。あと数分で敵第一陣が要塞に到達します。各人、戦闘配置!」

「はい!」


 俺はフレイアに話しかけた。

「ドラゴンって、あのドラゴン?」

「ほかにどんなドラゴンがあるっていうの?」


 確かに。


「まあ、ただのドラゴンじゃないわ。遮蔽装置積んでいるからね」

「遮蔽装置?」

「遮蔽装置は魔法力を無効化するの。とはいえ、無効化できる魔法力には限界がある。ロファール様の全魔法力を装置に向かって撃てば遮蔽は突破できるわ。具体的には角よ」

「角?」

「そう。あの角に装置を仕込んである。遮蔽さえ突破できれば、腹部を狙うだけでいいわ。そこが弱点。それを破壊すれば、ドラゴンは倒せる」

「なんだ簡単じゃないか」

「……本物のロファール様ならね。あなた、パチモンでしょ?」


 そうだった……。


 俺は空を見上げた。空の向こうにドラゴンのような大きな黒い塊が見える。こちらの魔法砲台は黒い塊に向けて魔法弾を撃っているようだ。


 しばらく空を見ていると、無数の姿が見えてきた。

「あれが魔人よ。土から作られた奴隷なの」

 フレイアが教えてくれた。

 

 数体の「魔人」が、要塞の魔法障壁を引き千切って、要塞の甲板に降り立った。


 身長は三メートルはあるだろうか。全身は光沢のある皮のような素材の衣装で覆われており、隙間から見える肌の色は青白い。背中からコウモリのような翼が生えている。

 両手に様々な武器を持っている。


 こんなのと戦うの? マジ?

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