Ep.1 始まりはいつも嘘
嘘は人を傷付けるものーー。
幼い頃は本気でそう信じていた。
揺らぐことのない真理だと疑わなかった。
だけど、今は違う。
今の僕には、確かな『ジブン』があるから。
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西暦20xx年。
とある極東の島国に、ある法律が成立した。
国民の虚偽に関する法律、通称『虚偽法』。
あらゆる虚偽に関する行為についての処罰を定めたもので、通常の刑法とは個別に虚偽に関する量刑も決められている。
この法律が施行され、世界は一変した。
政治家は嘘を付く事を恐れ、以前以上に曖昧な言葉で逃げるようになった。
「その件につきましては、発言を控えさせて頂きます」
テレビをつければ、その言葉ばかりが溢れてくる。
政治家の嘘は、一般人のそれよりも格段に重い。
嘘か本当か知らないが、過去には嘘をついたことで死刑になった政治家もいるらしい。まあ、政治家なんていかに国民に嘘を本当らしく思わせるか、という詐欺師じみた商売なのだから、そうなるのは必然か。
拙い小説ですが、読んで頂きありがとうございます。更新が滞ることもあるかもしれませんが、定期的に更新していくつもりですので、よろしくお願いいたします。