自由を求めて――2 ロバと白鳥
タピオとクランはラヌアに向かっていた。
雪道には野花が咲いていた。
風は冷たかったがなぜか心地よかった。
そこに、一頭のロバが現れた。
ロバはタピオたちの方を向いて歩き始めた。
足取りは重かった。
ロバがタピオの目の前に現れると、
何かを訴えかけているような目でタピオを見ていた。
突然、ゆっくりと倒れていった。
倒れると震えはじめた。
可哀想に思ったタピオは近くの泉から水を汲んできて、
ロバに与えた。
すると、ロバは安心したように息を引き取った。
タピオは立ち尽くして、ロバの瞳を静かに見つめていた。
風だけが、二人の間を通り抜けた。
タピオとクランは再びラヌアに向かって歩き出した。
アイリは母親に連れられて教会へ向かっていた。
神への祈りを捧げるためだ。
アイリは母親にぽつりと言った。
「お母さん、神様は本当にいるの。私は信じないわ」
「どうして、そんな罰当たりなことを言うの」
「だって、私は屋敷に閉じ込められたままで、
自由に遊びにだっていけないでしょ」
「駄目よ。そんなことを言ったら」
「いいの」
礼拝の後にアイリと母親の元に一匹の白鳥が現れた。
白鳥はアイリに何かを訴えたいようだった。
アイリはあることに気づいた。
それは白鳥が足を引きずっていたことだった。
アイリは可哀想に思い、
近くにあった小枝を白鳥の足に添えてあげた。
すると、白鳥は羽を広げ、空へと舞い上がっていった。
柔らかな光がアイリを包んだ。




