自由を求めて――3
アイリは教会から屋敷へ戻った。
彼女の心にあったのは、自由への思いと、神への疑いだった。
どうしても神を信じることができなかった。
その想いは日に日に大きくなっていった。
そして、アイリは屋敷を出る決心をした。
自由を求めて――
もう、迷いはなかった。
屋敷を飛び出した日は明け方だった。
雪が静かに降っていた。
気づかれないように、トナカイのそりに身を乗せた。
自由の風がアイリに優しく吹いていた。
トナカイは小さく声を鳴らし、
そりは走りだした。
アイリはいよいよ、自由の世界へと旅立った。
向かう先はラヌアだった。
タピオとクランは、ラヌアにもうすぐ到着するところだった。
すると、そりの音が聞こえてきて、
二人の前を通り過ぎていった。
タピオはアイリの姿を目にした。
しかし、アイリはタピオに気づかなかった。
すれ違いだった。
タピオは思った。
あの少女は、祭りで出会ったあの人ではないか。
そりを追いかけた。
けれど、追いつかなかった。
風が冷たくタピオの頬に刺さった。
どうして……
タピオはやるせない気持ちでいっぱいだった。
二人はラヌアに到着した。
すぐにアイリを探し始めたが、見当たらなかった。
朝方の空に、残された月の雫が見えた。
次からラヌアが舞台になります。
ここから先は物語にとって大事な場面になるため、
少し考えながら進めたいと思っています。
次の投稿まで少しお時間をいただくかもしれません。




