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白夜――1
一文が長く読みづらいので、読点ごとに段落を空けております。
これは意図したものになります。
夜がまだ眠りにつく頃、
ヨーロッパアカマツの枝に飾られている雪が、
微かな音を立てて、ゆっくりと地面の雪だまりに落ちた。
その音は、木々の間をすり抜けるように、森の奥へと響いていった。
一瞬、辺りは静まり返り、
驚いたトナカイはくるりとした目をさらに大きくして、
雪の斜面を駆け抜けていった。
空には紅や紫、緑、青といった色合いの空が広がり、
長く伸びた月が顔を覗かせていた。
夜がそっと囁きはじめた。
タピオは片手にハープを持ち、甘い声で歌っていた。
弟のクランは頬を風船のように膨らませ、
リコーダーでその歌声を追いかけていた。
やがて二人は、小さな村へとたどり着いた。
雪が降りしきり始めた。
二人はしのぐために一軒の屋敷を訪れた。
「すみません、少しだけ部屋の中で過ごさせていただけませんか」
「そうね。いいわよ。そのかわり、吟遊詩人なら歌の一曲くらい披露してちょうだい」
外の厳しい冬とは違い、
暖炉の温もりの中で、
二人の歌声がやわらかく広がっていった。




