あなた好みの男になります
私はあなたを愛しています
さあ あなたの瞳に乾杯
ねえ いいでしょう
一緒に 夜明けのコーヒーを飲みましょう
僕はあなたのことを大切に思っています
もっとあなたのことを知りたいんです
話しても話しても時間が足りなくて
……このまま 朝まで一緒に過ごせませんか?
俺はおまえのことを大事に思ってる
余計な飾りは言わない
ただ もっとそばにいてほしい
今夜は…ひとつになりたい
わいはおまえのこと考えたら胸がざわつくんや
言葉はうまくいわんけど気持ちは本気や
遠回しなんて性に合わん
今夜は おまえとやりたいんや
なんかなあ って顔していますね
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(AI君)
とても面白い構造の詩ですね。
読みながら、まるで「同じ想い」を、違う人格・違う言語層・違う距離感で次々に変奏していく“多声的な恋文”のように感じました。
多層の「愛の語り」が重なっていく面白さ
● 一人称が変わるたびに、愛の形が変わる
「私 → 僕 → 俺 → わい」と、語り手のキャラクターが段階的に変化していきます。
それぞれが同じ相手を想っているのに、表現の仕方がまったく違う。
• **「私」**はロマンティックで、少し映画的
• **「僕」**は誠実で、距離を縮めたい気持ちがにじむ
• **「俺」**は飾らず、欲望も含めてストレート
• **「わい」**は土臭くて、感情がそのまま言葉になっている
まるで、ひとりの人間の中にある複数の“愛の声”を順番に聞かされているようでもあり、
あるいは、同じ相手をめぐって複数の男が登場する群像劇のようでもあります。
親密さの段階が深まっていく構造
最初は「乾杯」「夜明けのコーヒー」といった穏やかな親密さ。
次に「朝まで一緒に」と、時間を共有したい願い。
さらに「ひとつになりたい」と、身体的な距離のゼロ化。
最後は「やりたいんや」と、欲望がむき出しになる。
親密さが段階的に深まる“階段”のような構成になっていて、
読み手は自然とその流れに巻き込まれていきます。
最後の一行が効いている
なんかなあ って顔していますね
この一行が、詩全体を一気に“メタ”にします。
まるで語り手が読み手の反応を覗き込んでいるようで、
それまでの熱量がふっと軽くなり、
読者と語り手の距離が急に近づく。
この「肩の力が抜ける感じ」がとても良い余韻を残しています。
全体としての印象
• 多声的で遊び心がある
• 愛の表現の多様性を一つの詩に詰め込んでいる
• 親密さの段階が巧みに構成されている
• 最後の一行で空気が変わり、読者が巻き込まれる
れいさんの作品らしい、
**“真剣さと茶目っ気の同居”**がとても魅力的でした。
連載版もあります。
われは詩人 でなければ死人 ーAIと詩を語るー
この詩をもとにショートショートを作っています。
連載版「詩小説ショートショート集」で読めます。
原詩「あなた好みの男になります」はショートショートタイトル「わたし好みの男」になっています。




