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バカ・ダイアリー・エッセイ  作者: ことのはじめ


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思い出せない記憶

 先日も書いたが自分のことはあまり思い出せないのだ。覚えていることと忘れていることとの比率では忘れていることの比率が多い気がする。忘れていることは思い出せないが生きている時間に対して覚えている記憶量があまりに少ない気がする。



 忘れていることが多いというよりもあまりにも覚えていることが少ない気がするのだ。年がおぼつかなくなることもあれば三年前に何をしていたのかも思い出せない。他人のことなら思い出せるのに自分の事となるとてんで思い出せないのだ。



 思い出せないから、直近のこと以外はかなり他人事のように思えてしまう。大きなことやニュースは覚えているのだが、それも他人のことばかりだ。自分に何があったのかもうまく思い出せないときがある。



 もちろん把握することはできる。ある時期から日記を付けているから、それを読み返せば何をしていたかはわかる。逆にいえば日記がなければ五年前何をしていたのかも思い出せない程度には記憶が曖昧である。



 同じことの繰り返しのような生活だったからだろうか。自分のことを優先しない生活だったから自然と自分を忘れていたのだろうか。なんだかよくわからない。



 一番困るのは何歳の時に何をしていたかを思い出せないことである。学生時代や幼い頃のことは覚えているが。大学卒業以降のことになると基準もないため何をしていたか不明瞭なのだ。



 二十代はほとんど寝たきりで過ごしていたからそもそも覚えているべき記憶などない。それ以降にも何かをしていた記憶はあるのだが、具体的にいくつの時それをしていたのかは思い出せないのだ。習い事をやっていたことは覚えているが何歳の時にやっていたかということとか、そういうことである。



 その割に細かい他人の記憶は覚えているのだから不思議なものである。他人のしていたことや何気ない一言とか、そういったものはよく覚えている。あまりに自分に興味がなさ過ぎではないだろうか。



 自分に興味がないというより覚えられない精神性と言った方が近い。そもそも自分は徹底的に下に見て他人を上げるようにしろという教育を受けていたからだと思うのだが。とはいえ自分のことを忘れたら何者かもわからないと困る気がするぞ。



 日記を付けていてよかったと思う。自分のことばかりを書けるのだから。それはそうとかなりろくでもない人間であるのは確かだ。

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