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バカ・ダイアリー・エッセイ  作者: ことのはじめ


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泣き虫エキスパート

 自称泣き虫エキスパートである。泣くときにどう泣けば体に負担をかけないかといった方法論を個人的な範囲で確立している。あまり役には立たない。



 そもそも小さい頃から泣き虫だったのである。ことあるごとにすぐ泣いてしまうタイプの人間だ。幼い頃はよくそれで苦労した。ちょっと強く当たられるとすぐ泣いてしまうのだ。



 我慢がきかないとか泣けば済むと思ってとかいろいろ言われたものである。でも泣いてしまうので泣いた場数は多いのだ。おかげで泣き方のあれこれのエキスパートになってしまった。



 とはいえエキスパートと言っても人前でこう泣けばいいというものではない。あくまで自身の身体的精神的負担を減らすために何が必要かを体得したまでのはなしである。そんな泣くことで場をコントロールするとか言う技術は身につけていない。



 泣くときは我慢せず涙も鼻水も全部出すとか、感情はできるだけわき上がるままに発散するとか、そういったところである。我慢はろくなことにならない。泣くのを我慢するよりは我慢せず泣いた方が精神的にはいいのだ。



 役に立つかと言えば自分の役にしか立たない。自分なりの受け身の取り方くらいに収まっている。中々に無駄な知識である。



 泣いてしまうのは泣いてしまうものだからしかたないのだが、割と無理解に直面することは多い。なんだか周りは泣くことに関してやたら否定的なのである。そんなに涙を流すことは悪なのだろうか。



 たくさん泣いている身からすると自分がかわいそうだから泣くというより痛みに痛いというレベルで泣いているようなものなのだ。あまり気にしないでほしいと思う。あまり泣いているのは打算的な目的があると思わないでほしい。



 そんな泣いて自分の周りをうまくコントロールするとかいうものは持ち合わせている人はいないのではないか。うがち過ぎではとは思うのだがどうだろう。もしかすると誰かの涙で共同体が破壊されたというトラウマを持っているのかも知れない。



 恐ろしいものである。そんな風には私はとてもではないができない。泣くのはショックかあるいはデトックス目的なのでそれを他者のコントロールにできるとは恐るべき技術である。周りに悪感情を吐き出しているのだろうか。



 そんな恐ろしいことはできないので、やはり自分の中で次の日に響かないようデトックス目的で泣くのが一番である。まあ、あまり受け入れてはもらえない。しかたない。

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