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バカ・ダイアリー・エッセイ  作者: ことのはじめ


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遠くへ行きたい

 漠然と遠くに行きたくなるときがある。遠くに行って何をするかではなくただここではないどこかに行きたいという気持ちだけがある。恐らく地方住まいだからだろう。



 閉塞感のある地元からきらびやかな都会に行きたい夢は結構な人が持っているだろう。だからといって出られなかった時にその夢はどうなるかというと私の場合は遠くへ行きたいという気持ちになるのである。知らない場所に行くというか脱出するというか。



 実際は遠くに行けないので夢の中で遠くに行っている。函館から博多まで一本の電車に乗っていく夢だとか。実際は不可能なので夢だとわかりやすい。



 そういうときの天気は決まって晴れていて、そして夕方の手前である。夕方手前というのはなんともノスタルジーのある時間である。そこだけ昔の時間のように感じられる。



 遠くへ行きたいといっても地理的にという意味では必ずしもない。自分の置かれている状況だったりとか、自分自身のことだったりとか、そういったものから距離を置くというやつである。そういうとき私は決まって実際に夢を見ているのだが、だったら旅行にでも行けばいいのにと思う。



 とはいえ旅行できる体力も資金もない身の上であるから、地元で燻っているだけである。だが毎日は楽しい。少しずつ生活を変えているからだろう。



 そこからいつか遠くへ行きたいが逃避ではなく旅行と行った楽しみのための羨望になるといいなと思う。個人的にシーシュポスの神話を地で行っているところがあるので虚無に味を見出すのには慣れている。虚無も意味づけ次第で甘い味がするものなのだ。



 それが虚しいというならまあ私の人生はそんなもんかで終了である。あるもので作った幸福を他者から否定されても新しい材料が手に入るわけではない。手に入れに行く努力はするが。



 乾いた諦念の傘を差しているようなものである。濡れたらまとわりつく。濡れないように油やら何やらを塗りたくっているだけである。



 諦めたくないが実際叶わない時間の方が長いから辛くなるわけである。とはいえ辛くなっていても腹が膨れるわけではないのでなら笑っていようというやつである。なんだかんだ笑って過ごした方が楽しいのが事実だ。



 いつか遠くへ行けるだろうか。知らない場所に行けるだろうか。実際その前に死んでしまいそうではある。

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